インターンシップは、企業ごとの理念やミッションを学びながら業務体験ができる制度として注目されています。実際に仕事に携わったり、業務に関わるロールプレイングをしたりできるため、就職後のイメージをより具体的なものにできるでしょう。
今回は、2021年卒のインターンシップランキングより、トップ10位について詳しく紹介します。(※)企業の概要やインターンの内容まで幅広く紹介しますので、気になる企業を調べてみましょう。
参考:キャリタス就活2021|【就職希望企業ランキング】2021年卒の就活生が選ぶ人気企業とは?
インターンとは
インターン(インターンシップ)とは、在学中に行う企業での就業体験のことです。
アルバイトと異なり無給であるケースもありますが、就職を希望する業種や企業に早い段階から触れることで社会人としての意識を育むと共に、どんな人材が求められているのかを理解することで就職活動にも役立てられます。
企業にとっても、自社で働くメリットを学生に伝え、優秀な人材を確保しやすくなるというメリットがあります。
【1位】ニトリ
2021年卒によるインターンシップ総合ランキング1位を取得したのは、ニトリです。参考:インターンシップ|ニトリ
企業概要
ニトリは、北海道札幌市に本社を構える、家具・インテリア小売会社です。
「お、ねだん以上。ニトリ」をキャッチコピーとし、原材料の仕入れから、生産・輸入・店舗販売・商品配送まで全て自社グループ直営で行うことにより、安価なインテリア用品の提供に貢献しています。
6部署いずれかの体験ができる
ニトリのインターンでは、6部署いずれかを選択して体験できます。
出店計画や売り場提案を担う「店舗運営」、市場調査や顧客分析をしながら新商品を提案する「商品開発・広告」、オフィスやホテルに空間提案を行う「法人事業」、自動立体倉庫や配送を担当する「物流」、より良い買い物体験を提供するための「情報システム」、実店舗とインターネット販売の両立を目指す「EC事業」が用意されています。
また希望者の志向や都合に合わせて下記4コースが設けられています。
TRIALコース
ゲーミフィケーションワークを行いながらニトリの経営を体感するプログラムです。創業者の視点から経営判断を下していくことで、企業活動に必要な思考回路や企業のミッションやビジョンについて学べます。
BASICコース
ニトリの教育制度のひとつである「配転教育」を3ステップで体験します。各業界の知識や市場動向を交えながらグループワークを行うことで、自分の視野を広げられます。BEYONDコース
「製造」「物流」「IT」「小売」の4部門から一つ選択し、選抜を勝ち抜いたメンバーとともに、ニトリが抱える経営課題に挑戦するコースです。最後は社長に直接プレゼンを行います。
ITコース
ニトリのビックデータを支えるIT部門の業務を体験します。開発する側やクライアント側からの立場だけではなく、「エンドユーザー側」の立場から物を見ることで、ニトリならではの戦略を学びます。
【2位】三井住友海上火災保険
2位は、損保大手の三井住友海上火災保険(略称:三井住友海上)です。インターンではさまざまなグループワークプログラムを用意しています。
参考:MSインターンシップ
企業概要
三井住友海上は、千代田区神田駿河台に本社を構える、損害保険会社です。
自動車、住まい、家財、怪我、旅行、レジャーなど幅広い損害保険を扱うだけではなく、企業向けの船舶保険、貨物保険、工事保険、天候リスクソリューションなどさまざまな商品を提案し、業界大手としての実績を積み上げています。
4日間かけてコアバリューを学べる
三井住友海上のインターンでは、4日間かけて自社のコアバリューを学んでいきます。「お客様第一」「誠実」「チームワーク」「革新」「プロフェッショナリズム」を核に据え、課題解決力や新しいビジネス創造に挑みます。
コンサルティングワーク
会社を支え、経営者として舵取りをするためのコンサルティングを学びます。会社としてどう成長するか、何を大切にするかを考えると共に、業界の動向や社会の傾向を学び取る力を養います。
リスクマネジメントワーク
組織のリスクを予防し、万が一のリスク発生時に適切な対応ができるようにするリスクマネジメントを学びます。損害保険会社ならではのプログラムであり、新商品提案に対する社員の挑戦を支える部門でもあります。
損害サポートワーク
自動車事故、火災、地震、水害、ウイルスの流行などさまざまな案件をイメージしながら、実際の損害サポートワークについて学びます。トラブルによる損害を支援していくことで再起の力を呼び起こせるような動きが取れるよう、マニュアルのみに頼らない行動を意識します。
営業体験ロールプレイング
ニーズをカタチにするため、現場の最前線で働く営業職の体験ロールプレイングを行います。BtoB、BtoC両方のロールプレイングをすることで、より具体的に仕事のイメージができます。
【3位】明治安田生命
3位は、生命保険を扱う明治安田生命です。インターンでは4つのプログラムが中心に据えられています。
企業概要
明治安田生命は、千代田区丸の内に本社を構える、生命保険会社です。日本で初めて設立された生命保険会社であり、個人のみならず官公庁や大手財閥企業など強固な法人営業基盤を保有しているのが特徴的です。
総合コース
総合コースでは、本社部署の業務体験と、営業職務の業務体験を行います。保険業界全体の意義や仕事を理解すると共に、希望部署を選択しながら仕事を行います。仕事に対する思いや働く姿勢を間近で感じたい人に最適です。
アクチュアリコース
アクチュアリコースでは、保険の掛け金や支払い金の額を決定したり、収益データや確率・統計資料を用いながら最適な保険商品の計画を行ったりします。実際のアクチュアリ業務に近い内容を体験できますので、会社にとってもユーザーにとっても価値ある商品の作成について学べます。
システムコース
システムコースでは、経営管理やリスク管理を高度化し、ITで会社の発展を担う業務を体験します。単にシステム構築をするだけではなく、金融工学やAIの知識を用いながら仕事をする「金融システムプロ人材」としての仕事に触れられます。
コンサルティング営業コース
コンサルティング営業コースでは、企業や団体に向けてのコンサルティング営業業務を体験します。相手企業の問題点や課題を見つけ、自社の商材をどう活用することで成長に貢献できるか探る作業を繰り返し、問題解決力や提案力を磨きます。
1日体験「生保の学校」への参加も可能
明治安田生命保険では、1日のみの短期インターンも行っています。「生保の学校」プログラムでは、生命保険ビジネスにおける相互扶助の精神や基本的な知識、明治安田生命保険のビジネスフィールドまど幅広く効率的に学びます。
【4位】JTBグループ
4位は、JTBグループです。インターンでは、1日体験と5日間のプログラムを用意しています。
参考:インターンシップ・1Day仕事体験情報|JTBグループ
企業概要
JTBグループは、品川区東品川に本社を構える、旅行会社です。パッケージツアーに代表される旅行業を中心に、時刻表や旅行雑誌の出版、ホテル、不動産、金融、情報サービスなどさまざまな事業を展開しています。
1Day仕事体験
1Day仕事体験では、さまざまな仕事を理解しながら追体験をすることで、社会に出た自分の姿をイメージしてもらうためのプログラムを行います。
グローバル・訪日インバウンド編
グローバル化する社会に適応してどう会社を変動させていくかを学びながら、インバウンドマーケティングや、対象国の人々に受け入れてもらいやすいコンテンツやトレンドの作成を体験します。
広告・マーケティング編
広告やマーケティングを学び、世界に通用するJTBとしてのブランディングを高める体験を行います。ターゲティングやを消費者ニーズの分析などを通して、新しいビジネスチャンスを模索します。
地域交流編
国内外を問わない地域活性化やコミュニケーションについて体験します。地域差や年代差をフラットにするような仕組みを考えながら、社会問題解決に一歩踏み出す思考力を身に付けます。
インターンシップ5Days
インターンシップ5Daysでは、JTBグループの実践をもとにした追体験型ケーススタディワークを行います。リサーチ、マーケティング、企画書や提案書の作成、プレゼンテーション、意見交換、フィードバックを行い、リアルなビジネスの実態を経験します。
【5位】ジェーシービー(JCB)
5位は、JCBです。インターンでは、1日のプログラムと3日間のプログラムを用意しています。
参考:JCB インターンシップ
企業概要
JCBは、港区南青山に本社を構える、国際クレジットカード会社です。クレジットカードのみならず、QUICPayや自社ネットワークを活かした決済手段を次々に考案し、日本初唯一の国際カードブランドとして発展しました。
1Dayワークショップ
1Dayワークショップでは、キャッシュレスビジネスの仕組みを学びながらビジネスへの理解を深めていきます。「常識を覆す創造で、人々の想像を超える日常を生み出す」という理念や、決済総合ソリューション企業としての根幹に触れられます。
3Daysインターンシップ
3Daysインターンシップでは、まだ誰も踏み込んだことのない道を切り開く企業としての行動を学ぶと共に、課題に正面から向き合い、多くの可能性を検証する姿勢を養います。大きく分けて、レクチャーとグループワークのプログラムの2つを行います。
レクチャー
レクチャープログラムでは、金融やキャッシュレスビジネスの基本を知るための講義が行われます。社会における金融ビジネスの価値を学び、ミクロとマクロの両観点からJCBが目指す価値貢献について理解します。
グループワーク
グループワークプログラムでは、新たな社会的価値を生み出すことを目的に、固定概念に囚われない事業企画・立案を体験します。「ビジネスを生み出す」とはどういうことか、社会的価値の創造に触れられます。
【6位】日本生命
6位は、日本生命です。インターンでは、部署や業務別に10個のプログラムを用意しています。
企業概要
日本生命は、大阪市中央区に本社を構える、生命保険会社です。保険料収入、総資産で国内最大の規模を誇り、保有契約高は1899年から現在に至るまで業界首位をキープしています。
大手機関投資家としての背景も持っており、金融、鉄道、製作、小売、マスコミなどさまざまな企業の筆頭株主になるなど、資産運用収益が大きいことでも知られています。
営業企画・教育コース
営業企画・教育コースでは、販売戦略の立案や販売支援コンテンツの作成を行います。ITツールや教材資料の研究を重ねることで、営業のバック支援業務も体感できます。
資産運用コース
資産運用コースでは、保険料収入や資産運用収入の運用計画の立案、投資環境分析を行います。実際の投資実務を体験することで、会社の収益拡大に貢献する姿勢を学びます。
IT・デジタルコース
IT・デジタルコースでは、IT戦略やデータサイエンス業務を体験します。日本生命が保有するビッグデータを適切に分析し、ビジネスチャンスの創造やサポートに寄与します。
アクチュアリーコース
アクチュアリコースでは、保険数理や年金数理業務の各種設計を体験します。保険商品計画や設計のプロフェッショナルとして活躍するための姿勢や意義を学べます。
海外事業コース
海外事業コースでは、海外戦略の企画や海外保険事業の計画を体験します。世界情勢や国・地域ごとのニーズに触れ、世界に通用する日本生命としてのバックグラウンド形成に貢献します。
広報・CSRコース
広報・CSRコースでは、ディスクロージャーや社会公共活動戦略について体験します。自社の経営成績や在籍状態、業務状況などを取りまとめて公開することで、株主や債権者などの投資家や取引先を保護する動きについて学びます。
法務コース
法務コースでは、法務関連業務を中心に、リスクマネジメントやコンプライアンスについて体験します。契約や渉外、コーポレートガバナンスについて学び、会社を守る動きについて理解を深めます。
会計・税務コース
会計・税務コースでは、財務諸表の作成や税務申告書の作成や分析について学びます。その他、予算表管理、収支バランスなど会社の「お金」に関することを幅広く扱い、資産マネジメントスキルの向上を意識します。
お客様サービスコース
お客様サービスコースでは、個人や企業保険関係の事務を体験します。1案件ごとに込められた思いや背景を読み解きながら、顧客にとって最適なアナウンスができるよう仕組みづくりも行います。
人材育成・採用コース
人材育成・採用コースでは、自社従業員に対する研究企画や、新規人材採用関連の業務を体験します。「人が資本である」を原則とする生命保険業界における重要な根幹を担い、企業発見に貢献します。
【7位】損害保険ジャパン
7位は、損害保険ジャパンです。インターンはWeb上で行う「Webカレッジ」と、対面で行う「実践コース」とに別れます。
企業概要
損害保険ジャパンは、新宿区西新宿に本社を構える、損害保険会社です。「保険の先へ、挑む。(Innovation for Wellbeing)」をコーポレートスローガンとして掲げ、ローンやクレジット、事務代行、システム、人材派遣、調査・研究などさまざまな分野に挑戦しています。
損保Webカレッジ
損害Webカレッジでは、損害保険業界への理解を深め、保険金サービスやリスクコンサルティングの業務を体験します。世界中のあらゆるリスクと対峙し、人や企業のチャレンジを挑戦する損害保険ジャパンならではのプログラムです。
損保Webカレッジ(アクチュアリーコース)
損保Webカレッジ(アクチュアリーコース)では、アクチュアリー業務(保険や年金等の適正な掛け金や支払い金を決める業務)の体験を通して会社のリスクを計測するという需要課題について学びます。アクチュアリーに求められるものは何かを知り、数理的な素養のみならず多岐に渡る経験や知識の重要性に触れられます。
実践コース
実践コースでは、実際の職場で複数部署に出向きながら仕事を体験します。現場で働く社員や、企業バッググラウンドをサポートする社員に触れ、損害保険ジャパンの社風や働き方を実感できます。
【8位】オリックスグループ
8位は、オリックスグループです。インターンでは、1つのプログラムで3つの課程を経ていきます。
企業概要
オリックスグループは、大阪市西区に本社を構える、総合リース企業です。最大手リース会社として名を馳せながら、不動産、銀行、クレジット、環境エネルギー、空港運営、ベンチャーキャピタルなど多くの事業を手掛け、オリックス・バファローズ(プロ野球球団)の運営にも携わっています。
ORIX BUSINESS SPRINT
オリックスグループでは、「ORIX BUSINESS SPRINT(オリックス ビジネス スプリント)」というインターンプログラムを用意しています。創業時からビジネスの世界を絶えず駆け巡り、今や国内のみならず世界37ヶ国にまで舞台の幅を広げてきたオリックスグループのフィールドを理解するプログラムです。
業界・基礎知識
ORIX BUSINESS SPRINTでは、まず業界についての基礎知識を学びます。顧客のニーズを把握し、市場を分析し、投資ビジネスの基本的な考え方に振れることで、「新しい価値を創造する」「自分の足で立つ」というオリックスの経営哲学を体感します。
業界体験ワークとフィードバック
続いて業界体験ワークでは、オリックスビジネスの基本である法人向けコンサルティング営業と事業投資についてグループワークを行います。実際のプロジェクトをもとにしたテーマを使うことで仕事への理解を深め、新領域へチャレンジする精神も培います。
適性検査結果のフィードバック
最後に、行った適性検査のフィードバックを行います。オリックスや業界について学ぶのみならず、自分の特性や得意分野と照らし合わせて考えることで、自分に適した働き方や将来像をイメージするきっかけ作りができます。
【9位】Sky
9位は、Skyです。インターンでは、Skyの特徴である「好働力」を存分に学ぶためのプログラムが組まれています。
参考:Sky インターンシップ
企業概要
Skyは、港区港南と大阪市淀川区に本社を構える、ソフトウェア開発会社です。学校や塾における授業や学習活動を支援するソフトウェアや、IT運用管理ソフトウェア、医療機関向けIT機器管理システム、シンクライアントシステムなど手掛ける仕事の幅は広く、情報社会をソフトウェアで支援してきた実績を保有しています。
「好働力!」体感インターンシップ
Skyのインターンは、独自の働き方を追求するSkyならではの社風体験にポイントを絞ったプログラムになっています。常に変化を求められるIT業界において、第一線を走り続けるための原動力を学びます。
好働力とは
Skyが掲げる「好働力」とは、「仕事が好き」「仲間が好き」「会社が好き」の3つの軸を大切に働く姿勢のことを指します。何事にも興味・意欲・関心を持つ人を応援する社風や、チームワークの中でも個々のスキルを発揮できる雰囲気、自分の力を発揮することが会社や社会のためになるというやりがいを重視し、目標と共に成長する姿を描きます。
業務を通して意思決定のフローを学ぶ
インターンでは、WEBゲームを通してSkyの歴史や仕事の進め方、独自の企業文化や意思決定のフローについて学びます。現在までの成長を支えてきた要因に触れ、何が本当に大切なことなのかを体験できます。
IT業界や事業内容について学ぶ
IT業界の概要や歴史について学ぶと共に、Skyの業務内容を深く理解します。企業説明会や就職相談会では触れきれない部分にまで切り込むことで、ソフトウェアを発展させる意義や社会的ニーズについても体感できます。
【10位】キーエンス
10位は、キーエンスです。インターンでは、4つの職種別にプログラムを組んでいます。
企業概要
キーエンスは、大阪市東淀川区に本社を構える、電気機器会社です。自動制御装置(PLC)、計測機器、情報機器、光化学・電子顕微鏡、ファクトリーオートメーション用センサーなどさまざまな電気機器や工学機器を設計し、世界44ヶ国200拠点で事業を展開しています。
営業
単に商品を売るだけではなく、顧客自身でも気づいていない問題点を発掘し、解決策まで提案する「キーエンス流の営業」を体験します。入社半年で自身の営業テリトリーを任せるキーエンスでは、マーケティング戦略からコンサルティングまで幅広い業務スキルに触れられます。
開発
「世界初」「業界初」を生み出すキーエンスの、付加価値商品を作り上げる仕事の流儀を体験します。一人ひとりに任せられる仕事の裁量が大きい社風を活かし、本当に必要とされている商品を生み出すためのアンテナ作りを行います。
営業事務
営業、開発、技術などさまざまな職種とチームを組みながら、オープンでフラットな環境で仕事をするキーエンスの雰囲気を体験します。主体的に気づきを発信し、過去のやり方に囚われない新たなアイディアで企業を内部から変化させるような動きを学べます。
まとめ
企業の特色が表れたインターンを利用すれば、会社や業界ごとの特色や社風に触れることができます。ビジネスの場で重要視されている要素は何か、自分が社会に出たときにどんな働きをするのかイメージし、将来像を考える際に役立てましょう。まずは興味のある業種や職種の企業を調べ、インターンの有無について調査してみることをおすすめします。