教師になるには?試験・進路・仕事内容・待遇など

Edv Magazine 編集部

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教師になるには?試験・進路・仕事内容・待遇など

世の中に数えきれないほど職業がある中で、教師は皆さんにとって最も身近な職業の一つです。小学校、中学校、そして高校で、忘れられない先生に出会った人もいるでしょう。今は生徒として教えてもらう側にいる皆さんも、高校卒業後、必要なステップを踏めば教師を目指すことができます。

今回は教師になるための道のりと、実際の働き方や待遇について紹介します。進路を考える時の参考にしてください。

教師の仕事

教師の仕事は多岐にわたり、勤務時間や休日も一般の会社員と同じではありません。まずは教師の仕事がどういったものか、知っておきましょう。

仕事内容

小学校、中学校、高校、どの学校の教師であっても、仕事のメインとなるのは日々の授業です。小学校であれば、担任クラスにて音楽や図工を除く全科目を担当します。中学校・高校では、専門科目の授業を複数クラスに向けて行います。

文部科学省が定める学習指導要領に沿って、決められた範囲の学習内容を1年間で履修できるよう、授業を計画的に進める必要があります。教壇に立って板書したり教科書を解説したりすることはもちろんですが、学習用のプリントや参考資料を用意したり演習問題を作ったりといった準備も行います。テストの時期には問題を作成して採点を行い、成績評価も行います。

次に重要なのは、生徒の生活指導です。教師には勉強とともに社会のルールや道徳も教え、生徒の年齢に応じて成長させていく役割があるのです。例えば小学校1年生はつい最近まで保育園や幼稚園に通っていた子どもたちなので、食事や排泄に関わる指導も行います。

高学年になると友人同士のトラブル、いじめといった問題も起こり得ます。中学・高校では、風紀の乱れや素行にも一層目を配る必要があります。生活指導の中では保護者とも交流し、互いに協力していくことが大切です。

小学校高学年以降になると、進路指導も関わってきます。特に小6、中3、高3の担任となった場合、生徒の今後の人生に関わる大きな役割を担うこととなります。

年間行事の運営も教師の仕事の一つです。運動会、文化祭、合唱コンクールなどがスムーズに行われるよう、時には実行委員を指導しながら進めていきます。

部活動の顧問を担当する場合、放課後の部活動指導や試合の引率も業務に含まれます。相手校との折衝や所属する競技団体などに関連する業務も発生します。特に強豪校であれば、部活動に注力する時間は長くなります。

このように教師の仕事は非常に多岐にわたり、分量も多いため激務といえます。しかしその分、成長過程にいる生徒と向き合い、入学から卒業までの間で成長を間近で感じることができるため、大きなやりがいのある仕事といえます。

給与・待遇

教師の給与や待遇は公立校か私立校かで異なりますが、ここでは一般的な公立校での待遇を紹介します。

公立校の教師は地方公務員にあたるので、給与額は所属する自治体の条例によって決められます。具体的な金額は他の地方公務員と同様、「級」と「号」と呼ばれる段階によって変動します。「級」とは職務の大きさや難易度、「号」とは職務経歴年数や習熟度によるランク分けです。

ボーナスや各種手当を含めた、学校別の平均年収は下記の通りです。

学校種別すべての年代の平均年収20代の平均年収
小学校約640万円408万円 ※
中学校約612万円408万円 ※
高校約630万円444万円
※小学校・中学校の20代の平均年収は、小中学校を合わせたデータ

参考:総務省「平成30年 地方公務員給与の実態」文部科学省「平成28年度 学校教員統計調査 小学校」

全年代の平均年収を学校種別で見ると、小学校が最も高くなっています。20代の平均年収は民間企業と比較すると若干高い印象です。

どの学校でも、役職が上がり責任の範囲が大きくなるにつれて年収が上がっていきます。また、教師の給与には基本給のほかに管理職手当や、複数学年を担任する場合の手当、修学旅行の指導や部活動指導などに支払われる手当が決められています。

勤務時間

公立学校の教師の勤務条件には労働基準法が適用されるため、本来の勤務時間は1日7時間45分と決まっていますが、実際には時間外労働が非常に多いのが現状です。

授業のほかに職員会議や行事の準備、部活動顧問としての業務など非常に仕事が多く、定時で終わらせるのは困難といえます。

例として、公立中学校の教師のモデルケースを見てみましょう。

7:30出勤
朝の打ち合わせや生徒の登校指導を行います。
8:30授業
午前中に1、2時間目の授業を行います。
12:00給食
生徒とともに食事をとり、準備や片付けも行います。
13:30授業
3時間目~6時間目の授業を行います。
15:30ホームルーム
16:00部活動の指導
18:00事務作業
生徒一人ひとりとコミュニケーションする「生活ノート」に記入したり、テストの採点を行ったり、授業の準備を行ったりします。
20:30退勤

共働き世帯が増えているため、保護者に連絡を入れたり家庭を訪問する際は夜間になることもあります。テスト前の問題作成や期末の成績評価の時期などは、深夜まで残業することもあるようです。

教師になるには

教師を目指す場合、民間企業のように大学卒業後に就活すればよいわけではなく、決められたカリキュラムを修了し、試験を受けるのが一般的です。

1. 教員免許を取得する

教師になるには教員免許を取得することが大前提です。教員免許は小学校、中学校、高校で分かれており、免許を取得するために必要なカリキュラムも異なります。

小学校の教員免許

小学校の教員免許は、四年制大学・短期大学・大学院の教職課程で取得できます。その他、教員資格認定試験を受けることでも取得できます。

中学校の教員免許

中学校の教員免許は、四年制大学・短期大学・大学院の教職課程でしか取得できません。

高校の教員免許

高校の教員免許は、短期大学の教職課程では取得できず、四年制大学または大学院の教職課程を履修する必要があります。

2. 採用試験を受ける

教員免許を取得したら、教員採用試験を受験します。国公立学校の教師になりたい場合は、自治体が行う採用試験を受験します。私立学校の場合は独自に試験を設けているので、そちらを受験します。

試験内容

試験は、筆記試験や論文、面接、適性検査などさまざまな形式があります。

筆記試験は「教職教養」「一般教養」「専門教養」に分かれます。

教職教養は、教育手法や関連法規、学習指導要領など教師になるために必須といえる内容を含む最重要科目です。

一般教養は、中学校から高校で学ぶ範囲の基礎的な学力を見るものです。志望する校種・科目によっては、専門教養の試験が設けられることもあります。

人物試験では、論文・個人面接・集団面接・グループディスカッション・模擬授業など、自治体によってさまざまな形式を採用しています。人物に比重をおいて採否を決定する自治体も多いため、筆記試験以上に重視されます。

自治体によっては「実技試験」や「適性検査」を課しています。特に小学校の体育・音楽・美術など専門性の高い科目については、実技試験が行われることが多いです。適性検査は、教師に向いているかどうかを調べるものです。心理学研究に基づいた検査により、科学的に適性を見極めます。

試験スケジュール

公立学校の教員採用試験は、一般的に6月〜9月に行われます。以下は一般的なスケジュールです。

3月~4月出願
6月~7月1次試験
8月~9月2次試験
10月合格発表
1月〜3月面談・研修
4月勤務開始

合格後、採用となった自治体の教育委員会や学校長による面談・研修などを経て、4月から配属校に赴任となります。

試験日程が異なれば、複数の自治体の試験を併願することは可能です。ただし近隣の自治体同士はなるべく併願ができないよう、同じ日程で行われます。

競争倍率

全体的な傾向として近年、教員採用試験の合格倍率は下がってきているといわれています。団塊の世代にあたる中高年が定年を迎え、欠員補充で採用人数が増えているためです。

ただし、実際の倍率は自治体によって大きく差があります。令和元年度の公立学校の採用試験では、新潟県では2.1倍なのに対し、沖縄県では8.9倍という狭き門になりました。

また、校種では小学校が2.8倍なのに対し高校は6.9倍、中学・高校の教科別では国語2.7倍から保健体育6.8倍といった開きがあります。

教師を目指す人の大学進学

教師を目指す場合、大学(高校教師の場合は四年制大学または大学院)に進学するのが一般的です。ほとんどの大学で教職課程がありますが、教員就職者が多い大学や教員志望者が多い学部もあります。

教員就職者が多い大学

2018年の各大学就職状況のデータによると、教員就職者が多い大学上位5校は下記の通りです。

大学名教員輩出数(2018年)
大阪教育大学503人
愛知教育大学467人
北海道教育大学458人
文教大学454人
福岡教育大学375人

※一部の学校は大学院修了者も含みます。就職先は小学校・中学校・高校・特別支援学校をすべて含み、臨時採用や非常勤も含みます。

4位を除いて大学名に「教育」が入る結果となりました。4位の文教大学も「教」の字が入っていることからわかる通り、教育分野に力を入れている大学です。

教育学部に進むべき?

教師になるために進学する学部に決まりはありませんが、教育関係のカリキュラムが充実している教育学部も存在します。

教育学部では卒業単位の中に教職課程の単位が全て含まれているため、教員免許を取得する学生が大多数です。また、複数の校種の教員免許を取得できたり、教育実習の内容が充実していたりと、教師になるためのサポート体制が手厚いといえます。

ただし、教育学部出身でなくても教師になることは可能です

文部科学省「平成30年度公立学校教員採用選考試験の実施状況について」の発表によれば、全国の自治体で行われた公立学校の教員採用試験では、採用者の17.8%が一般大学・学部出身者、20.9%が大学院出身者です。教育学部に絞らず、進みたい学部に進学しても十分に教師を目指すことはできます。

教師のキャリアパス

教師にも仕事の経験や習熟度に応じたキャリアパスが開かれています。キャリアアップに応じて当然年収も上がり、努力や成果が待遇に反映される環境にあります。

大きく分けて、20代はキャリアの基礎形成段階にあたります。日々の授業を通して生徒とふれあい、仕事の進め方や1年の流れなど、教師としての仕事の基礎を身につけます。慣れてきたら自分のスタイルを確立し、新しいことに挑戦することもできます。

30代に入ったら、授業のしかたに工夫して質を向上したり、専門性を高めたりという資質向上期となります。同僚や後輩への助言や支援も行っていきます。これまでの経験を活かして自分の得意分野をより伸ばしていく、重要なステップです。

40代になると、担任のクラスだけでなく学校全体の運営や危機管理などにも貢献できるようになります。教師陣の中心的メンバーとして、他の教師の模範となるよう、自分自身のスキルアップも不可欠です。

50代では、現場というよりは学校運営の舵をとる立場として教育に関わっていきます。校長や教頭、副校長といった役職につくことが多いです。

職格としては、教諭→主任教諭→主幹教諭・指導教諭→副校長→校長と昇格していく仕組みが整えられており、昇進試験の受験資格は経験年数や年齢によって定められています。管理職選考の合格後は、校長や教頭といった学校のリーダーになることも、教育委員会のメンバーとして地域の教育政策に関与することも可能です。

まとめ

教師という仕事は授業を行うだけでなく、生徒をよりよい道へと導き、充実した学校生活を送れるようサポートする仕事です。苦労も多いですが、志のある人にとってはやりがいのある仕事といえるでしょう。教師になるためには教職課程を履修し試験を受けるなど、一般企業の就職とは異なるステップがあります。教師の道を考えている人は、進路を考える際や進学先での履修科目を選ぶ際に頭に入れておきましょう。

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