遊びに食事に勉強に趣味に……。高校生になると何かとお金を使うことが多くなると思います。小学生、中学生の頃からお小遣いをもらっていても、「高校生になったしお小遣いを値上げしてほしい!」と密かに思っている人は少なくないのではないでしょうか。
そこで気になるのが、実際に高校生がいくらぐらいお小遣いをもらっているのかということ。今回の記事では、高校生のお小遣い平均額や使い道などを紹介すると共に、その受け取り方や貯金・節約方法など、お小遣いを最大限に有意義に使う方法などもあわせて紹介します。
高校生の平均的なお小遣い額
まずは、高校生の何割がお小遣いをもらっているか、平均的なお小遣い額はいくらかを紹介します。
約7割がもらっているお小遣い
2015年度に実施された「子どものくらしとお金に関する調査」によると、回答者数662名のうち、「必要に応じてもらう」「お小遣いはもらっていない」と回答した約3割を除く、7割の高校生がお小遣いをもらっていることがわかりました。金額の幅はあるものの、半数以上の高校生がお小遣いをもらっていることになります。
お小遣い平均額は5,000円
前述の「子どものくらしとお金に関する調査」によると、高校生の1ヶ月のお小遣い平均額は5,000円でした。
調査結果を見てみると、1,000円以下から20,000円以上と、貰っている額にはかなりの開きがあります。しかし、多くの高校生のお小遣いは5,000円前後で、極端に多い・少ないという人は一部でした。
小学生のお小遣い事情
ちなみに小学生は、必要に応じてその都度お小遣いをもらうことが多いようです。学年が上がるにつれて、月に一回決まった金額をもらうようになっていきます。金額の相場は500円くらいです。皆さんが小学生の頃はどうだったでしょうか。
中学生のお小遣い事情
中学生になると交友関係が広くなる、部活や塾などで帰りの時間も遅くなることなどから、毎月決まった金額のお小遣いをもらうことが多くなります。中学生のお小遣いの相場は1,000円以上3,000円未満ですが、いちばん多かった答えは1,000円でした。
高校生のお小遣いの使い道
続いては、高校生が何にお小遣いを使っているかを見てみましょう。
友達との外食、軽食代、おやつ、に続き交友関係、行動範囲が広くなることから休日に遊びに行くときの交通費へと続きます。友達へのプレゼント、昼食代なども、メインの使い道となっているようです。
外食・食料品
高校生のお小遣いの使い道として最も多いのは、外食費や食料品を買うことです。一般的には中学校までは給食が提供されますし、高校生になってもお弁当を持っていく人は多いです。しかし、高校生のなかには学食で昼食をとる、コンビニなどで購入するという人もいます。学食で済ます場合でも月に10,000円くらいはかかるので、お小遣いとして親御さんから受け取る人も多いようです。
また、学校帰りに友達と外食したり、お茶を飲む機会も増えるため、外食・軽食・おやつなどがお小遣いに占める割合は非常に高くなります。
遊び
食費に続くお小遣いの使い道は、遊びです。男子高校生の遊びには、マンガやアニメ、映画、カラオケ、ゲーム、ライブなどがあります。女子高校生は、プリクラやカラオケ、映画、ライブなど。前述の通り、中学生・高校生と年を重ねるごとに、交友関係・行動範囲ともに広がっていきます。ですから、遊び場に向かうための交通費も必要となります。
文房具・雑貨
お小遣いの3つ目の使い道として挙げられるのは、文房具や雑貨を買うことです。高校生になると、好みのペンケースやペン、スマホケースなど、文房具や雑貨にお金をかけることも少なくありません。実際、文房具・雑貨代がお小遣いで占める割合は、女子高校生で約43%、男子高校生では約23.1%と、非常に高くなっています。
参考:高校生に人気の文房具11選|インスタ映えや勉強効率UP
ファッション
特に女子高校生はお小遣いをファッションに使う場合も多いです。男子高校生も、女子高校生ほどではありませんが、服や鞄、靴といったファッションアイテムに加え、洗顔料や整髪料などへの出費もあるようです。昨今、100円ショップでも多様なコスメが手に入るのも、メイク・コスメの比率を高める一因となっているとみられます。
参考:【高校生の人気ファッション】おすすめの私服&制服アイテムを紹介!
その他
その他の使い道としては、以下のようなものが挙げられます。
- 友達へのプレゼント代
- 好きなアイドルやアニメのグッズ代
- 趣味に関する材料費
- 参考書や小説など、漫画以外の書籍代
- スマホ代
お小遣い制度は大きく3パターン
お小遣いのもらい方については、大きく分けて定額制・報酬制・定率制の3つのパターンがあります。
ここでは、それぞれの内容と、メリット・デメリットを説明します。
お小遣い制度①定額制
定額制とは、毎月5,000円など、決まった金額をもらう方法です。
定額制のメリット
定額制の場合、毎月決められたお小遣い額のなかで自分自身で使い道を考え、割り振りしなくてはいけません。お小遣いの額を超えるような物を買いたいときには計画性が必要になるため、金銭管理能力が自然と身につきます。
定額制のデメリット
しかし、定額制の場合、何もしなくても毎月決まった金額のお小遣いがもらえます。お小遣いがもらえるのは嬉しいことですが、「もらうことが当然」という受け身になりやすいことがデメリットだといえるでしょう。
お小遣い制度②報酬制
報酬制とは、家事などのお手伝いをしたら○○円、成績が上がったら○○円など、「労働や成果に対する報酬」という形でお小遣いをもらう方法です。
報酬制のメリット
報酬制にはさまざまなメリットがあります。たとえば、手伝いをすれば家事能力が身につきますし、成績に関する報酬にした場合には、勉強を頑張る動機となります。
「これをしたら○○円」といった分かりやすい目標があれば、モチベーションもアップしやすいですよね。また、報酬制の場合、労働の対価としてお小遣いがもらえるので、高校生のうちからお金を稼ぐことの大変さ、努力をして稼いだお金の大切さも理解しやすくなります。
報酬制のデメリット
お小遣いを報酬制でもらう場合、「世の中、何をするにもお金がかかる」という意識が芽生えやすくもなります。そのため、何事にも「お金」が絡まないと頑張れなくなってしまう、見返りを求めてしか行動できなくなってしまうのがデメリットだといえます。
お小遣い制度③定率制
定率制とは文字通り、一定の割合で翌月のお小遣いを算出する方法で、「月末残高×一定の割合」をお小遣いとして渡します。
たとえば、10,000円の元金(月末に残ったお金)があり、「月末残高の10%が翌月お小遣いとしてもらえる」というルールであれば、次のようになります(お小遣いを使わないと仮定)。
1ヶ月目 10,000円 × 10% = 1,000円(残高:11,000円)
2ヶ月目 11,000円 × 10% = 1,100円(残高:12,100円)
3ヶ月目 12,100円 × 10% = 1,210円(残高:13,310円)
4ヶ月目 13,310円 × 10% = 1,331円(残高:14,641円)
定率制のメリット
定率制のメリットは、残高が多ければ多いほどもらえるお金が増える、という点です。前述の通り、毎月の残高に一定率を掛けた金額がお小遣いとなるので、元手となる残高が増えていけば、自然にお小遣い金額も増えます。
これは、投資教育に欠かせない「複利」の考え方について、日常的かつ実践的に学び、身につけるよいチャンスでもあります。高校生のうちから投資や複利の仕組みなどを知ることは、将来大なり小なり投資をしたい、と思ったときに役立ちます。
また、「残高が多いほうが次の月のお小遣いが増えて得だ」という意識が芽生えるため、無駄遣いをあまりしなくなります。本当に買わなくてはいけない物か、不必要な物かを考える力が養われ、お金の管理をしっかりできるようになるのは良いことですね。
参考:未成年からの投資の始め方|口座開設方法やおすすめ商品を解説
定率制のデメリット
高校生にもなると、本当に必要な文房具や参考書などしか買っていないのに、お小遣いの残高が少なくなり、翌月のお小遣いが減ってしまう可能性もあります。これが、定率制最大のデメリットだといえるでしょう。
もし、定率制を導入するのであれば「学用品も含めた元金をはじめに設定する」もしくは「本当に必要な学用品はお小遣いからではなく親に買ってもらう」などの条件設定が必要かもしれません。
また、これは渡す側(保護者)のデメリットですが、定率制では1円単位でお小遣いが変動するため、小銭をきちんと準備して、子どもにスムーズかつスマートにお小遣いを渡せるように準備しなくてはいけません。小銭がない、きちんと計算しないというのは親子でも信用問題に関わるので、注意が必要です。
さらに残高が増える一方だと、払う側の負担も大きくなります。一切お小遣いが使われないケースを想定して、元金と割合(%)は慎重に設定しましょう。
どの制度がベスト?
定額制 | 報酬制 | 定率制 | |
計画性を持ってお金を使う | 〇 | △ | ◎ |
勉強などへのモチベーション | 〇 | ◎ | 〇 |
お金をもらうことへの努力 | △ | ◎ | 〇 |
安定したお小遣いがもらえる | ◎ | △ | △ |
定額制・報酬制・定率制と3つの制度を紹介しましたが、上の表からもわかるように、
どの制度にもメリットとデメリットがあります。お小遣い制度によって養われる力は大きく変わってきます。
親にも子どもにもいちばん簡単なのは、定額制ですが、目標を立て、実現に向かうために報酬制を利用するのも1つの方法です。お弁当を準備してもらい、学用品、参考書なども親が購入してくれるならば、定率制で計算しながら少額のお小遣いを増やしていくこともよいでしょう。それぞれのご家庭の事情や自分自身の性格を考えて、どの制度がいちばん良いかを家族で話し合うことで、どれを選んでもベストな制度になっていくと思います。
お小遣いを多くもらう場合には
高校生になると、学校から直接学習塾やお稽古事などに向かうため、やむを得ず軽食を摂らなくてはいけない場合も増えてきます。いつもの決まったお小遣いだけでは、十分ではないこともあるかもしれません。
必要な食費分も含めたお小遣いをもらうことも可能ですが、「持っているだけ使ってしまう」という人は、月の途中で食費が足りなくなってしまう、ということもあるでしょう。
そんなときには、たとえば1食300円と決めて、習い事の日の分だけ金額を増やしてもらってはどうでしょうか?親子でよく話し合い、どういった方法がお互いにとってベストなのかを探っていきましょう。
お小遣いを有意義に使うための方法
約7割の高校生が貰っているお小遣い。平均額は5,000円ですが、5,000円ももらっていない、5,000円では足りない、という人もいるかもしれません。最後に、お小遣いを有意義に使うための方法を紹介します。
節約をする
まずは節約をすることです。お菓子やジュースなどの誘惑に負けないために、コンビニへはできるだけ行かないようにしましょう。1日100円でも、毎日だと3,000円。2日に1度にしても1,500円の節約ができます。
カラオケやプリクラも楽しいですが、お金を使わなくても楽しめるスポーツや、図書館など公共施設を活用していきましょう。また、友達とおしゃべりをするならば、お金のかかるカフェではなく、長居しても問題のないお互いの自宅を選択してみてはどうでしょうか?
短い距離であればバスや電車などを利用せず、徒歩や自転車で交通費を浮かすことも可能です。1つだけではなく複数の節約を行うことで、出費を大いに防ぐことができます。
お小遣い帳をつける
節約を目に見える形にするために、お小遣い帳をつけましょう。お小遣い帳をつければ、いつの間にか、お金がなくなってしまった……というようなお金の使い方がなくなります。
たとえば、「ギターを買うためにお金をためよう」と思ったとします。何にいくら使ったかをきちんと書き留めることで、計画的なお金の使い方が身につくとともに、目標に向けたお金の積み立てもできます。
浪費と自己投資の違いを意識する
お小遣いの使い道は大きく2つ、お菓子を買うといったような一時的な欲求を満たす「浪費」と、将来的に自分の糧になる「自己投資」があります。より有意義な使い道はどちらであるかは、高校生の皆さんならわかるはずです。
あなたは今、どんな夢を持っていますか?一人ひとりが夢や希望を持って、人生を歩んでいることと思います。そこでちょっと考えてみてください。何になるにしても、やはりお金は必要です。夢を叶えるためのお稽古事、塾など、学校生活でかかる経費も含めて、お金は非常に大切なのです。
そんなお金を、お菓子やジュースなどの一時的な欲求を満たすためだけに使うというのは、もったいないことです。
余ったら貯金をする
お小遣い帳を付けて、月末にある程度のお金が残っていたら、手元に置かないでぜひ銀行に預けましょう。「○○するためにいくら貯める」「〇〇円のものが欲しい」など、明確な目標を持つことで、より節約や貯金がスムーズに、楽しくなるでしょう。
まとめ
お小遣いはそれぞれの家庭の事情などにより一律ではありません。高校生のなかにはお小遣いをもらわず、アルバイトをして自分で稼いでいる人もいます。貴重なお小遣いを、ぜひ自分のために生かして使ってくださいね。