将来の夢を親に話したとき、反対された経験はありませんか?親に反対されてしまうと、自分を一番知っている人に自分の夢を否定されているように感じて悲しくなってしまいますよね。
夢を応援してもらうには「どうして親が反対してくるのか」を考え、「親の気持ちを踏まえてもその進路を進みたい自分の意思」をアピールすることが重要です。
今回は、進路選択に反対する親の気持ちや、自分が考えておくべき内容、説得の方法など幅広く解説します。
親が進路選択に反対するのはこんなとき
進路選択を親に反対されたとき、「どうして反対するのか」「何で理解してもらえないのか」と思ってしまうこともあるでしょう。まずは、どんなときに親が反対するのか、解説します。
収入が低い職業に就くと思っているとき
将来就職するときに収入が低くなるリスクがあると思われるとき、親は子どもの進路選択に反対することがあります。親が年を重ねるに伴って資金援助も難しくなっていくため、きちんと経済的に自立してほしいという願いも込められています。
満足に衣食住環境を整えられなかったり、お金が原因のトラブルに巻き込まれたりすることを心配し、我が子が将来お金に困らないようにという気持ちからくるアドバイスですので、いったんは聞き入れてみてもよいでしょう。
不安定な職業に就くと思っているとき
スポーツ選手や芸能人のように小さな病気・怪我・ミスで将来が断たれてしまいかねない職業や、経済情勢の影響を受けやすく雇用が安定していない職業に就くと思われる場合も、反対されることが多くなります。
子どもの生活を守りたい、何かあってからでは遅い、という親心からくる対応です。
想定以上の費用がかかるとき
親が想定していた以上の学費や生活費がかかる場合、費用を捻出できないことを理由として反対される可能性があります。
美術や音楽など芸術系の分野で学びたいとき、医・薬・歯学部など医療系の大学に進学したいとき、一人暮らしや海外留学を必要とするときは、特に費用に関する相談が欠かせません。
子どもの夢を応援してあげたい反面、現実的な経済事情から反対せざるを得ないときもあります。
かけたお金・時間以上の価値を見いだせていないとき
お金と時間をかけても、期待していた就職ができなかったり、思うように収入を得られなかったりするかも、という不安から反対されることがあります。
経済的に難がない家庭であったとしても、投資以上の価値を見いだせていないときは、どうしても進路選択に反対されるリスクが高まります。たとえば、子どもを私立大学の医学部に入学させるつもりで塾や家庭教師に費用を投じていたけれど、本人は国公立大学の教育学部に進学を希望している場合などです。
世間体を気にしているとき
子どもが希望する進学先や就職先に対して、いいイメージがなかったり、偏見を持っていたりする場合、世間体を気にして進路選択に反対する場合があります。
親自身が悪いイメージを持っていなくても「親族から口を出される」「世の中の流れ的に落ち目かもしれない」といった理由で止めに入ることもあります。
親が期待していた進路と違ったとき
親が期待している進路があるにも関わらず、全く違う方向性の進路を提示されたとき、反対される可能性があるでしょう。
「家業を継いでほしい」「親が叶えられなかった夢を叶えてほしい」など、親が考える理想の姿が強いときに起こりやすいパターンです。
また、リスクのある道より安定した道を選んで欲しいと考える親も多いです。中には「自分たちの世代のように大企業に就職し、転職せずに生涯そこで働いて欲しい」という親もいます。自分の子どもには安定してお金が入る仕事についてほしい、そして安定した幸せを掴んで欲しいと考えているからです。
しかし近年では新卒で就職しても自分の成長のために転職する人が増えてきているため、大企業に入ることが幸せだという考えは変わっていく必要があるでしょう。
まずは自分が希望する進路について考え抜こう
親が反対するか賛成するかに関わらず、自分が希望する進路について考え抜くのは非常に重要なステップです。ここでは、どんなポイントについて考えておくべきか解説します。
その進路を選ぶ理由を考える
まずは「なぜ自分はその道に進みたいのか」について考えてみましょう。
憧れの気持ちを持つようになったきっかけを思い出し、どんな夢を叶える選択なのか改めて言葉にしてみることが大切です。
理由をはっきりさせることにより、自分の目標や理想も見えてきます。多少のことではくじけない強い意思を持ち、モチベーション維持につなげるためにも必ず考えておくべき内容です。
進路の障害となるものを考える
希望する進路選択をするうえで、障害となるものについて以下考えてみましょう。足りないところが分かれば、どんな努力を必要とするか、方向性も見えてきます。
学力
志望校に合格するには、どれくらいの学力が必要なのかを調べます。
受験関連サイト・オープンキャンパス・模試の志望校判定・進路指導などを利用しながら、偏差値や平均学力に関する情報を収集しましょう。
「英語の学力を高く評価する学校である」「実技試験が課されている」など、学校ごとに異なる基準・選抜方法についても理解する必要があります。
倍率
志望校の倍率を調べ、例年の傾向を掴みます。
同じ偏差値の学校でも、倍率が高ければ合格率は低く、倍率が低ければ合格率は高くなります。新設学部ができたり、同レベルの大学で不祥事等が起きた場合は、その年だけ志望校の倍率が大きく上がる可能性もあります。
学費
受験にかかる費用のみならず、入学金や授業料、実習や資格取得の費用など、できるだけ細かく調べます。
受験に備えて予備校や塾に通う必要がある場合はその月謝も、進学後に一人暮らしをする場合は生活費も含めて試算します。
どのタイミングでどれくらいお金がかかるのか把握できれば、資金計画を立てやすくなるでしょう。
就職率
進学後の就職率や、希望する仕事に就ける可能性を探っていきます。
「就職=ゴール」ではありませんが、将来なりたい自分の姿を叶えられるのか現実的に考えてみるのも進路選択をするうえでのポイントです。
夢を叶えるために必要な努力を考える
今の自分と、なりたい理想の自分を照らし合わせて考えたとき、どんな努力をする必要があるでしょうか。
苦手意識が強い数学の成績を上げる、推薦入試での合格を狙って評定平均を上げる、実技試験に備えて大会やコンクールで結果を残す、受験や進学にかかる資金を準備するなど、一人ひとりの希望進路によって努力の方向性も変わってきます。
どんな努力をすればいいのか分からないという場合は、同じ進路を歩んだ先輩から話を聞くとよいでしょう。
5年後の自分、10年後の自分をイメージする
進学や就職のさらに先を考え、5年後、10年後に自分がどうありたいかを想像してみましょう。20歳、30歳、40歳など節目の年齢ごとにイメージしていくのもおすすめです。
親元を離れて独り立ちしたときのことを考えてみると、意外と希望する進路や夢についてまだまだ想像できていない点がみえてくるかもしれません。
その進路を選択するときのデメリットを考える
自分が希望している進路だからこそ、メリットだけではなくデメリットについて考えることも必要です。
お金がかかる、時間がかかる、不安定な道である、などリスクを知っておけば「こんなはずではなかったのに」という事態を防げます。
進路選択を後悔しないためにも、一度立ち止まって客観的に考えてみるのもよいでしょう。
親を説得する方法
どうしても希望する進路を歩みたいと考えるのであれば、親の説得が欠かせません。ここでは、親を説得する方法について解説します。
自分の熱意を伝える
なぜその進路を選択したのか、その進路を歩むことでどうなりたいのかなど、自分の熱意を伝えてみます。
「テキトーに進路を選んでいる」「その場限りの勢いだけで言っている」と親から思われているのであれば、なおさら自分の決意と覚悟を示しましょう。
具体的な数字・データを見せる
自分が希望する進路に対する具体的な数字やデータを見せることにより、論理的な判断をしてもらうことができます。
それなりの下準備が必要ですが、感情的な言い争いにならないためにも、以下の項目を中心に調べておきましょう。
費用
進学等にかかる費用について調べます。
受験料、入学金、授業料はもちろん、一人暮らしをする場合の生活費、電車やバスの定期代、留学や研究旅行に使う旅費など、トータルでいくらかかるのか現実的な金額を調べてみましょう。進学前の段階で必要になる、予備校代や模試代のチェックもしておくとよりよいです。
合格率・就職率
合格率や就職率を数字で出します。親がなんとなくの印象で「厳しい道だ」「楽で何の障害もない進路だ」と思われている可能性や、現状と乖離した古いイメージを持っている可能性もあります。
数字やデータは時代によって大きく変動していきますので、最新の情報を収集するよう気をつけましょう。
就職後の平均賃金
就職後の平均賃金を出すことで、将来のイメージを持たせられます。学生よりも親のほうが生活をするうえで必要なリアルな金額を知っているので、生活レベルのイメージもしやすいでしょう。
就職してすぐの平均賃金だけではなく、30代・40代になった時の平均賃金について調べておけば、さらに説得力が増します。
努力している姿や結果を見せる
偏差値アップを目的に毎日10時間勉強する、スポーツトレーニングや音楽レッスンを頑張るなど、努力している姿を見せましょう。模試や大会で結果を残せたのであれば、それを親に共有するのもおすすめです。
「知らないうちにこんなに頑張ってたんだ」と思ってもらえれば、一時の勢いだけで進路選択しているのではないと分かってもらえるかもしれません。
厳しさも分かっていることを伝える
子どもを心配するあまり、「甘い世界ではない」「わざわざ苦労することはない」とアドバイスする親は多いものです。
子ども本人が厳しい道であることを理解していれば、それなりの覚悟を持って進路選択してるのだと理解してもらいやすくなるでしょう。
具体的にどんな厳しさやリスクがあるのかを説明し、どんな努力で賄おうとしているのか説明すると、より効果的です。
親と一緒に進路カウンセリングを受ける
親子2人で話していて平行線になってしまいそうなときは、親と一緒に進路カウンセリングを受けてみましょう。
学校や塾の先生、キャリアカウンセラーなどの第三者が間に立つことでお互い冷静に話ができます。
進路選択に詳しい人であれば、合格率や就職率など詳しいデータを知っている可能性もありますので、積極的に助けをもとめましょう。
先生や親族を味方につける
周りから応援してもらえる夢だと理解できれば、親も一緒になって応援しやすいものです。先生、兄弟、親戚など、自分の味方に立ってくれる人を見つけましょう。
自分の口から伝えてもなかなか聞いてもらえない場合や、何を言っても反対されてしまうという場合には特に有効です。
期間を設ける
「20歳までに叶わなかったら諦める」「次の模試で偏差値が65に達しなかったら志望校を変える」など、期限を決めてみる手段です。
夢ばかり追い続けて現実が見れていないのではと心配している親にとって、一つの安心材料になります。
ただし、約束する以上はそれなりの覚悟が必要ですので、期限はよく考えたうえで決定しましょう。
どうしても説得できなかったら
ありとあらゆる手段を使っても親を説得できなかった場合、どんな手段を取れるかを解説します。
他の道を考える
自分の夢は本当にその進路でしか叶えられないのか、改めて考えてみましょう。
大学を転入する、大人になってから受験し直す、他の就職先を選んで違う角度から夢に関わるなど、意外と選択肢は一つに限られていないものです。
親の同意が必要でない年齢(例:20歳)になってから歩みなおすというのも一つの手段です。
奨学金を利用する
費用面が問題となって反対されている場合、奨学金を検討します。
奨学金には返還の必要がない給付型奨学金と、将来何年かかけて返還していく貸与型奨学金の2種類があります。それぞれ利用できる人の基準が定められていますので、自分が対象となる奨学金について調べてみましょう。
参考:大学で利用できる奨学金制度とは?おすすめの奨学金も解説
諦めずにごり押しで進む
誰に反対されても絶対にその進路しかない!と思うのであれば、諦めずごり押しで進む手段もあります。
今は理解してもらえなくても、何年か継続して努力する姿を見せる、もしくは結果を残すことで認めてもらえるケースもあるでしょう。
ただし、親との間に確執が生まれたり、弱音が言いにくくなったりする可能性もあります。本当にその進路でいいか考えてから選びましょう。
まとめ
進路選択をするうえで何よりも大切なのは自分自身の意思ですが、親が反対する場合、他の人も同様の印象を持っているかもしれません。本当にその進路でいいか、どんなポイントに魅力を感じているのか、どんな努力をすればいいのか考えることは、自分の将来を見つめなおすことにもつながります。熱意を持ちつつ論理的に説明できる準備をして説得にのぞみましょう。