写真を撮ることが好きで、スマホや一眼レフカメラでの撮影を趣味としている人も多いでしょう。今回は、写真関係の仕事をいくつか紹介します。進路のパターンや働き方にも触れますので、参考にしてみましょう。
写真関係の仕事6選
写真関係の仕事を大きく分けて6つ紹介します。
①商業用の写真に特化する「カメラマン」
まずは主に商業用の写真撮影をおこなうカメラマン(フォトグラファー、写真家)です。
- モデルやタレントのポートレート撮影
- レストランのメニューやカタログ用の食品撮影
- パンフレットやポスター用のプロモーション撮影
- 商品パッケージ撮影
- 写真集やカレンダー等の撮影
- ウェディングや七五三などのイベント撮影
など、幅広い撮影をおこないます。
なかには「医療分野専門のカメラマン」「動物専門のカメラマン」などもおり、実際には得意分野ごとに細分化されていることが多いです。また、写真だけでなく、映画・CM・番組・報道に使う映像を撮影するカメラマンもいます。
芸術分野の写真を撮る「カメラマン」
商業用よりも芸術分野の写真撮影をすることの多いカメラマンもいます。撮影した写真を美術展や個展で展示したり、写真集を作って販売することで生計を立てています。写真を1枚単位で販売することもあり、オフィスや自宅で観賞用に購入されることもあります。
自分にしか出せない感性を表現できるかどうかがポイントであり、クライアントのニーズ寄りも自分の意向を重視しやすい職業だと分かります。
カメラマンのサポートをする「カメラアシスタント」
カメラアシスタントは、カメラマンのサポートをする職業です。
- カメラや機材の運搬
- カメラテスト時のモデル
- 三脚や台座の調整
- ケーブルの設置
- ホワイトバランス決定のサポート
- 照明との連携
など仕事内容は多岐に渡り、ときには電話の取り次ぎやバスの手配などの雑用もこなします。
直接カメラのシャッターを切る機会は少ないものの、プロカメラマンの近くで機材や撮り方を学べるため、カメラマンになる人の多くはカメラアシスタントとして経験を積んでからデビューしています。
写真素材を提供する「ストックフォトクリエイター」
主にインターネットで写真素材を提供するのがストックフォトクリエイターです。『写真AC』や『Shutterstock』など無料・有料の写真素材サイトに掲載し、ダウンロード数や販売数によって売上が変動します。
写真素材は、企業のオウンドメディアや個人のブログで使われることが多く、どんな写真が売れそうか、どんな写真のダウンロード数が多いかを客観的に分析していく必要があるでしょう。
写真の可能性に挑戦する「レタッチャー」
レタッチャーとは、写真の補正をおこなう職業です。
- トリミング
- サイズ調整
- 画像の補正や修整
- コントラストやトーンの調整
- 加工や編集
- 合成
などを施し、クライアントや依頼者の意向に沿った写真になるよう調整していきます。
スキル次第では素材をよりよく見せたり、現実世界にはないような幻想的な写真を作れたりすることもあります。カメラマンとしての腕よりも、PhotoshopやLightroomなどの写真関連のソフトウェアに精通していることが大切です。
レタッチャーからDTPオペレーター(デザイナーやクライアントの指示のもと、印刷物をレイアウトする職業)やデザイナーに転身する人も多く、多様なキャリアの道が拓けています。
フィルムを現像・プリントする「写真現像技術者」
写真現像技術者とは、フィルムの現像・プリントをおこなう職業です。プロのカメラマンや企業向けに仕事をすることが多く、プロフェッショナルな現像技術が求められます。
現像処理機の感度や、その日の温度・湿度、現像液の種類や濃度など、細かな調整を施しながら1枚ずつ丁寧にプリントしていきます。機械ではできない高い技術が要されることも多く、経験と熟練の技が求められる仕事です。
写真関係の仕事に就くための進路パターンと費用
次に、写真関係の仕事に就くための進路パターンと費用について紹介します。
芸術・美術系の大学・短大に進学する
まず挙げられるのは、芸術・美術系の大学や短期大学に進学するパターンです。芸術大学では写真学科を設置していることが多く、キャンパス内に写真センターなど視覚芸術や現像技術を追求できる設備がある場合があります。ここでは代表的な進学先の学費を紹介します。
入学金 | 1年間の学費 | |
東京工芸大学(私立) | 250,000円 | 1,895,000円 |
大阪芸術大学(私立) | 280,000円 | 1,510,000円 |
九州産業大学(私立) | 200,000円 | 1,435,900円 |
京都芸術大学(公立) | 200,000円 | 1,320,000円 |
芸術系の大学以外にも写真学科や写真コースを設置している大学はあるため、希望に合わせて志望校を選んでいきましょう。
写真を学べる専門学校に行く
写真を学べる専門学校に進学するパターンもあります。大学や短大よりも写真の勉強に専念しやすく、卒業までの年数も早いため、早く現場に立ち経験を積みたい人におすすめです。写真を学べる専門学校は数多くあるため、ここでは一部の学費をチェックしてみます。
入学金 | 1年間の学費 | |
東京綜合写真専門学校 | 200,000円 | 1,220,000円 |
日本写真芸術専門学校 | 180,000円 | 1,400,000円 |
日本写真映像専門学校 | 190,000円 | 1,200,000円 |
名古屋ビジュアルアーツ | 180,000円 | 1,284,000円 |
自宅近くにある専門学校や、写真に特化した専門学校をいくつか調べ、比較していきましょう。
カメラマンのアシスタントにつき修行する
高校を卒業してすぐ、カメラアシスタント(通称:カメアシ)として働く方法があります。カメラマンの多くはカメアシからキャリアを始めるため、早く一人立ちしたい場合は先に現場に入っておくのもひとつの手段だといえます。
「習うより慣れよ」の精神で、先輩カメラマンの技術・働き方を直近で感じられるのは、大きなメリットになるでしょう。
ただし、後になってカメラマン以外の仕事を目指したくなったとき、高卒資格しかないことがネックになってしまう可能性があります。転職やキャリアチェンジの可能性を考え、専門学校や大学・短大に進学してもよいでしょう。
写真関係の仕事にはどんな働き方があるのか
最後に、写真関係の仕事の働き方を紹介します。働き方のイメージを持っておけば、進むべき道も見えてきそうですね。
①フリーランス・起業
フリーランスとして独立したり、自分でフォトスタジオや会社を立ち上げたりする働き方です。クライアントとの交渉や事務作業も含めて全て自分が担当するため、理想通りの働き方をしやすい方法だと言えるでしょう。
ただしその分、自分ひとりにかかる責任は大きくなります。ミスやトラブルがあっても変わりに対応してくれる人がおらず、万が一赤字になったときは自分の生活に影響する可能性もあります。
②出版社や新聞社、クリエイティブ系の企業に所属
出版社・新聞社・テレビ局・Webメディア・広告代理店などに勤務する働き方もあります。クリエイティブ系の企業であれば、カメラマンを始め、デザイナーやイラストレーターなど芸術畑の人が多くなるでしょう。
誰もが知る大型案件に携われたり、世間的に注目度の高いベストセラー商品に関われたりする機会も増えます。同じ職業の人同士で横繋がりを作ったり、経験や実績をPRしやすくなったり、多くのメリットが受けられます。
③副業
全く異なる仕事に就いてからも、副業として写真関係の仕事を請け負うことができます。入学式・卒業式・運動会など学校関係のイベントや、七五三・お宮参りなどの家族イベントでは、副業カメラマンが撮影を請け負うことも多いです。
また、SNS用のアイコンやコスプレの撮影など、土日祝やイベント時だけカメラマンとして働く人もいるでしょう。カメラマン以外にも、レタッチャーとして1枚あたりの単価を設けて仕事を受注する人もいます。
働き方は年々多様化していますので、無理なく本業と両立できるよう、イメージしておくことが大切です。
まとめ
写真関係の仕事には、さまざまな種類があります。働き方も進路の幅も広く、100人いたら100通りの道があると言っても過言ではありません。それぞれのメリット・デメリットはもちろんですが、自分はどのような写真を撮っていきたいか、どう写真とか関わっていきたいかを考えて進路選択していきましょう。