顕著な功績でノーベル賞を受賞する研究者、スポーツの世界で結果を残すアスリート、音楽や芸術の分野で名を馳せるアーティスト、人々の生活を豊かにするサービスを提供する経営者など、世の中には多くの成功者が存在します。
これらの成功者には、分野に関わらず共通していることがあります。
今回は、成功者に共通する行動や考え方、反対に成功者がやらないことについて解説します。ぜひ自分に当てはめて考え、日頃の習慣や行動を改善してみてください。
成功者がやっている行動
成功者がやっている行動を解説します。
目標を定める
明確な目標を定めることで、モチベーションを維持できます。最終的なゴールを定めるだけでなく、そこに至るまでの小さな目標を複数立てておくと、達成するたびに着実に成長していることを実感しやすくなります。
また、目標は明確であるほどよいです。たとえば「試験で○○点を取る」「毎日○○枚の絵を描く」など。数字を入れると具体的になります。
期限を決める
効果的かつ持続的に努力して物事に取り組むためには、目標達成の期限を決めましょう。
締め切りがないと、誰しも怠惰になり、やるべきことを先延ばしにしてしまいがちです。「○月○日○時まで」となるべく詳細かつ具体的に期限を設定することで、セルフコントロールがしやすくなります。
もちろん期限を設定したからといって必ずしも目標を達成できるわけではありません。想定外の出来事で進捗が遅れたり、逆に思ったより早く達成してしまうこともあります。このように期限を設定しておくと、ある目標を達成するのに必要な時間を経験値として認識することができます。
計画を立てる
目標達成のためには、期限だけでなく計画も必要です。
たとえば、最終的なゴールの過程(マイルストーン)で「A」と「B」という2つの目標があったときに、A→Bの順でやるか、B→Aの順でやるかで効率性が変わることがあります。計画とは、このように複数の目標をどのような順で取り組むか(または同時並行で取り組むか)、期限と合わせて設定することです。
注意としてはギチギチに計画を設定しすぎないこと、ある程度余裕(バッファ)をもたせておくことです。
計画通りに実行する
計画を立てても、実行しなくては意味がありません。計画はあくまでも「机上の空論」、理想と現実は常に多かれ少なかれ異なります。
実際の行動に移すと、計画の甘さや抜け漏れが見えてきます。そこで大切なのは、計画を柔軟に変更することです。最終的なゴールは変えずに置いたまま、そこに至るまでのルートは走りながら修正していきましょう。
吉田松陰の名言「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし」は、まさに実行の大切さを説いています。
振り返りを行う
計画通りに実行しても、やりっぱなしではいけません。必ず定期的に振り返りを行います。予め計画のなかに「毎月25日に振り返りをする」など組み込んでおくのがおすすめです。
「良かったこと(Keep)」「悪かったこと(Problem)」「改善すること・新しく取り組むこと(Try)」の3つの視点で整理すると振り返りやすく、次の行動改善につながります。必要であれば、計画や目標自体を変更してもよいでしょう。
体調管理をする
体は資本であり、健康でなければどんな素晴らしい計画も狂ってしまいます。
実際、成功者には毎日ランニングや筋トレをしたり、早寝早起きを習慣化したり、瞑想をして精神衛生を向上させたりと健康に重きを置いている人が多いです。
目標がない人も含めてまずは、「食事」「運動」「睡眠」の質を高めることから始めてみましょう。
本や新聞を読む
「書籍は知識の宝庫」と言われる通り、読書はもっとも手軽かつ着実な知識習得方法です。
歴史書や哲学書、学術に関する本などは、筆者や先人の経験や知識を集結させたものです。筆者がそのテーマを掘り下げるために費やした膨大な時間やお金を、自分自身がかけることなく、安価なコストで筆者がたどり着いた地平をなぞることができます。
また新聞は、いま自分の周りや遠い世界で起きている事実をリアルタイムに捉えることができます。ネットメディアやSNSに比べるとタイムラグがありますが、自分に関心のない話題も自然と視野に入り、幅広く社会を知るのに適しています。
フランスの哲学者デカルトは「良き書物を読むことは、過去の最も優れた人達と会話をかわすようなものである」という言葉を遺しています。
部屋を整理整頓する
部屋の掃除や整理整頓は、思考回路をすっきりさせる効果があります。集中力がいまいち上がらないときは、まず整理整頓をやるとよいでしょう。
また仕事のできる人の机は、往々にして整理が行き届いています。もちろん天才のなかには、物が散乱した部屋で暮らしているような人物もいるので一概には言えません。
周りの力を借りる
成功者には孤独に成し遂げていくタイプもありますが、多くは周りの人の力を上手く活用して成功に至っています。一人で考え悩む時間も大切ですが、苦手なことや嫌いなことは割り切って周りの人にヘルプを求めましょう。
人は誰しも誰かの役に立ちたい生き物です。自分の弱みを真摯にさらけ出せる人は、人が集まりやすい人でもあります。何かに行き詰ったときに相談するのはもちろん、目標や計画に無理がないか誰かに判断してほしいときにも気軽に相談してみましょう。
アドバイスを素直に受け入れる
人からアドバイスや指摘を受けたときは、まずは素直に聞く姿勢が大切です。
自分が間違っていないことを証明したいために、つい強気に出たり相手を否定したりするような心理が働いてしまいがちですが、少しでも自分のためになるような話をしてくれている場合は、素直に受け入れましょう。
アドバイスに従うか無視するかは後で判断すればいいです。今は役に立たないことでも、後々活きてくることもあります。また聞く姿勢があれば、ほんとうにヘルプが必要なときに協力も仰ぎやすくなるでしょう。
インプットとアウトプットを繰り返す
知識や経験を自分の力に昇華していくためには、インプットとアウトプットの繰り返しが大切です。
本で学んだことを実際にやってみる、実際にやってみてわからなことを本で復習してみる、などインプット(読書、勉強)とアウトプット(実践、行動)を交互に繰り返すことを意識しましょう。
成功者がやっている考え方
ここからは成功者がやっている考え方について解説します。
時間を大切にする
時間をどう使うかによって、成功できるかどうかが変わるといっても過言ではありません。ヘンリー・フォードは「たいていの成功者は他人が時間を浪費している間に先へ進む。これは私が長年、この眼で見てきたことである」という言葉を残しています。
効率や生産性を意識し、日常で無駄にしている時間はないか、自動化できることはないか考えて改善を重ねることが重要です。
気持ちを切り替える
失敗したとき、ネガティブな気持ちになったとき、面倒臭さや諦めの気持ちが勝りそうになったとき、上手く気持ちを切り替える方法を持っていると非生産的な時間を減らすことができます。
散歩をする、瞑想をする、好きな音楽を聴くなど、これをやれば気持ちを切り替えられるという選択肢を複数持っておくことをおすすめします。
挑戦心を持つ
何事にも挑戦心を持ち、上昇志向を忘れないようにします。成功する人は成し遂げる人というよりも、成し遂げ続ける人です。常に高みを目指し、現状に満足せず、一歩でも前に一段でも上に行くことを目指しています。
何かに成功したときに、できていない人と比べると優越感に浸れるかもしれませんが、そこで満足してしまってはあとは下降線をたどるのみです。喜んだり満足したりする場面があってももちろんいいですが、そのあとは切り替えて自分に克つ気持ちをもって努力をすることが肝要です。
感情を切り離して考える
事実と感情を切り分けて考えられる人は、どんな局面でも的確な判断ができます。人付き合いで上手くいかなったときや、努力してもなかなか結果が出ないときなどネガティブな場面は特に感情で動きやすくなります。
感情を切り離して事実と照らし合わせながら「今の自分が本当にやるべきことは何なのか」を考えれば、自分を見失わずに済みます。
短期的な成果を求めない
「ローマは一日にして成らず」ということわざのとおり、誰しも認めるような大きな成功は、長期間の積み重ねなしには完成しないものです。
短期的な成果ばかりを追い求めず、年単位の長期的な視座をもって結果を評価していきましょう。大局を観れる人は、目の前の失敗や成功に流されず、最終的な目的に向かって適切に進んでいくことができます。
成功者がやらないこと
最後に、成功者が決してやらないことを解説します。今の自分と見比べて、直すべきポイントがあれば直していきましょう。
言い訳や他人のせいにしない
成功者は、決して言い訳をしたり、失敗を他人のせいにしたりしないものです。直接的に関与していないことでも、自分の言動が回り回ってその結果に結びついているということはたくさんあります。常に自分は何ができたか、今後気を付けるべきことは何かを考えることで、自分の成長につなげられます。
過去の成功に満足しない
成功者のインタビューや発言を見ると「通過点に過ぎません」という言葉をよく目にします。これは世間が褒め称えるような成功を得たとしても、さらなる高みを目指していくんだという気持ちが表れています。
一方で過去の栄光に浸ったり自慢したりするのは、今の自分に自信が持てない表れです。
ネガティブな発言をしない
言葉には言霊が宿るといわれるとおり、ネガティブな発言はネガティブな出来事を引きつけやすくなります。またネガティブな発言が多い人の周りに優秀な人は集まってきません。
失敗を恐れすぎない
何もせず成功を得るということはありえません。成功の影には数々の挑戦と失敗が積み重なっているものです。失敗を恐れ過ぎると、何も行動ができなくなってしまいます。
特に若いときの失敗は命に関わったり法に触れるものでない限り、大概たいしたことはありません。あとからいくらでも挽回できますし、むしろ失敗をすることで得るものは大きいです。
途中で投げ出さない
一度決めたことを最後までやり抜くことで、万が一結果が伴わなかったとしても、糧となるものは必ずあります。途中で投げ出すと、中途半端に止めてしまうと、特に得るものはなく時間だけが無駄になってしまいかねません。
ペンシルベニア大学心理学教授のアンジェラ・ダックワースは「成功するには、IQよりグリット(やり抜く力)」と語っています。今上手くいかなくても、やり抜く力を持っている人はいつか必ず成功できるでしょう。
まとめ
多くの成功者が共通して行っている行動や考え方を知ることは、自分の行動を変えるためにも必要です。反対に、成功者が決してやらないことを知っておけば、反面教師にもなるでしょう。最終的に目標を達成して満足のいく結果が得られるよう、普段の自分を見直してみる機会を作ってみましょう。