目標達成を実現!勉強スケジュールの立て方

Edv Magazine 編集部

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目標達成を実現!勉強スケジュールの立て方

「勉強をしなきゃいけないのにやる気が出ない」「勉強をしているはずなのに思うように成績が伸びない」といった悩みを抱えている人も多いでしょう。

実は本人のやる気や資質以前に、勉強のスケジュールの立て方、時間の使い方というのは目標を達成するうえで重要な要素なのです。そこでこの記事では、目標達成につながる勉強スケジュールの立て方を解説します。

なぜ勉強スケジュールを立てることことが必要なのか?

みなさんのなかには「スケジュールを立てる時間を割くこと自体が無駄だ」なんて思っている人もいるかも知れません。でも実際は、多くの人がきちんとしたスケジュールを立てて成果を出しています。なぜスケジュールを立てるべきか?まずはその理由を知りましょう。

目標が可視化され、脳が適応するため

実はスケジュールを書き出す(可視化)作業は、自分が忘れないようにするだけでなく、書く前や書きながら頭の中を整理するという利点があります。このプロセスを踏むと、実際に自分が取り掛かるイメージを付けやすくなるので、脳のやる気モードのスイッチが入りやすくなるのです。

また東京大学の池谷裕二教授が研究する脳科学に基づいた「リーチングメソッド」という学習法があります。リーチングメソッドはスモールステップ、ルーティーン化、目標を全て可視化することで、脳がそれらに適応しようとする習性を学習に応用したものです。勉強スケジュールもまさにリーチングメソッドの実践につながります。

正しく時間を使い「時間を増やす」ため

スケジュールは時間の使い方を正すという点で有効です。誰しも平等に1日24時間あるはずですが、同じ1日でたくさんのことができる人とできない人がいます。

24時間から食事、入浴、睡眠、SNSやゲーム……と引き算していくと、1日のなかで自分の時間として、物事に取り組める時間というのは意外に少ないものです。まずは自分の生活リズムを知り、時間の使い方を「意識」することで、これまで何となく過ごしていた「ただの時間」が「使える時間」になっていきます

失敗しない勉強スケジュールの立て方

ここからは具体的に、目標達成につながるスケジュールの立て方について説明します。

自分の現状を把握する

全体の見通しを持たないことには計画は立てられません。たとえば、「陸上のオリンピック選手になりたい」と思っても、体育の成績が3の人が目指すスタートラインと、陸上で県大会優勝の人が目指すスタートラインは大きく異なります。

まずは現状の自分の実力を知ることから始めましょう。正しく実力を捉えるためには感覚値ではなく、点数や順位など客観的な数値で測ることが大切です。

TO DOリストで細かく「やること」を管理

次に目標達成までの道筋を考えていきましょう。

たとえば、陸上の県大会優勝者がオリンピックに出場するためにはどんな道筋が考えられるでしょうか。おそらく、県大会→全国大会→世界大会→オリンピック選考会というステップを踏んでいくでしょう。しかし、この→で結ばれた中間目標(ステップ)の間には無数のタスクがあります。それらのタスクをひとつひとつクリアすることがオリンピックに近づくことになります。

まずは最終目標にたどり着くまでの細かなタスクをできるだけ考えましょう。たとえば、次の期末テストで平均80点を取りたい場合。テストまであと3週間、みなさんならどうしますか?

今の実力が平均を下回るくらいだとすると、1週目を40点、2週目を60点、3週目は80点と1週間で20点アップを目指せばいいのです。そしてさらに日毎に割ると1日あたり3点分。その3点分をいかにして取るかを毎日の学習計画に組み入れましょう。

これは極端な例ですが、いきなり80点は無理でも1日3点分くらいと考えると、意外といけそうな気がしてきます。このように、目標を細かく分けることが大切です。

何事もスモールステップから

勉強スケジュールで失敗する最大の理由は、無理な目標設定にあります。そして無理な目標設定の多くは、自分の現状や実力と目標までの距離を見誤ることにあります。

一番大切なのは「毎日やる」、そして「小さな成果を実感する」ことです。脳はどんなに小さなことでも成功を体験すると快感物質「ドーパミン」を放出します。そしてここから得た喜びは、次なる頑張りの原動力につながります。

脳科学的には、いきなり「やりすぎること」は脳が拒否反応を起こし頑張り続けるのが困難になるといわれているため、毎日のスモールステップ(小さな目標達成)の積み重ねが最重要なのです。

初心者はまず紙に書こう

最近はスマホやタブレットなどでスケジュールを作成・管理することが一般的になっています。

しかし東京大学の研究によると、スケジュールを作成するのは電子機器よりも紙のほうが記憶の再生に優れているという結果が出されています。これは、「紙」に書く行為が、五感を通した体験として直接記憶に結びつきやすく、より深い記憶を可能にするためです。

まだスケジュール作成や管理に慣れていない人はまずは紙から始めてみましょう。

勉強スケジュールの具体例

スケジュールは、年間計画→月間計画→週間計画→毎日の計画というように、大きい目標をどんどん細分化していきましょう。

ここで重要なのは毎日の計画です。学校から帰宅し、自由な時間を持てるのが19時以降からだとすると、勉強に使える時間は2時間30分程度です。人によってはもっと少ないかもしれません。

7:00 起床・朝食・準備など
8:00〜18:30 学校
18:30〜20:00 夕食・入浴など
20:00〜22:30 勉強に使えそうな時間帯
23:00 就寝

この2時間30分を使って何ができるかを考えましょう。

たとえば、単語帳1冊(1800語)を暗記するのに2〜3ヶ月かかるといわれています。2ヶ月なら1日30個、3ヶ月なら1日20個覚える計算です。また教科書や参考書(1冊500ページ)の通読には、最低でも1日1時間で1ヶ月かかるといわれています。これは1ページ音読するのにかかる時間を3分として計算した場合になります。

1日のなかで「暗記」「音読」さらに「問題を解く」ことも考えていくと、自分なりのペースや時間配分が見えてくるでしょう。ちなみに勉強をしても成績が伸びない人の多くは「時間量」を重視し、「勉強量」を軽視する傾向にあります。そうではなく「○個覚えた」や「何周した」という本質が大切です。スモールステップで着実にこの勉強量を増やしていきましょう。

効率的に勉強するためのコツ

スケジュールの具体例を踏まえたうえで、さらに効率的に勉強するためのコツを解説します。

1日のルーティーン、生活習慣を見直す

まず先ほどあげた1日のスケジュールですが、意外に穴だらけです。

7:00 起床・朝食・準備など
8:00〜18:30 学校
18:30〜20:00 夕食・入浴など
20:00〜22:30 勉強に使えそうな時間帯
23:00 就寝

人によってはもっと早起きする人や遅く寝る人もいるでしょう。また公共交通機関を利用している人はさらに通学・帰宅に時間がかかるかもしれません。

ここでポイントなのは、勉強は「時間量」ではなく「勉強量」であり、とにかく決めたタスクを終わらせることが重要なので、スキマ時間はないか考えることです。

一般的に起床して2〜3時間は脳が1日でもっとも活発に働くゴールデンタイムです。朝は眠くてダラダラしてしまうという人は起床してすぐ日光を4分浴びれば、脳はしっかり目覚めます。そのため、朝いつもより少し早く学校へ行き30分勉強するといった習慣は効果があります。

また、「就寝前スマホ」は脳をいつまでも活性化させ、翌日へ疲れを残す原因の1つになります。勉強したことを脳に定着させるのは睡眠時間中であるため、ダラダラ夜中起きるのは学習効率を低下させてしまいます。

「集中力」の持続時間を知る

一般的に集中力が続くのは「15・45・90分」といわれています。そのため小学校の授業時間は45分、大学の講義は90分。高い集中力を必要とする同時通訳の仕事は15分程度で交代します。

2017年にベネッセが行った実験では、60分通しで勉強し続けた中学生のグループより、「5分の勉強と5分の休憩×3セット」行ったグループのほうが集中力もテストの成績も良いという結果が出ました。そのため長時間ぶっ続けで勉強するではなく、小刻みに「勉強量」をこなすことが大切です。

ちなみに休憩時間にスマホを触るのは逆効果です。脳の80%が視覚情報処理に使われるため、休憩時間のスマホは脳を逆に疲れさせてしまうことになります。目を休める休憩をとるのが理想的です(遠くの景色を見る、目をつむる等)。

作業系・暗記系・それ以外で勉強の仕方を分ける

集中力の持続時間を考えると、頭に絶対に入れたい「暗記系」はぶっ通しで何時間もやるのは効率が悪いです。そのためスキマ時間を利用した分散学習で、夜に総復習して記憶の定着を計るとよいでしょう。

また問題を解くなどの「作業系」は、解答→確認とセットになるので時間を多く取られます。まとまった時間があるときに一気にやりましょう。

そして暗記や作業以外の勉強は、作業を切り替えるタイミングで行うと、メリハリが付いて勉強が進みます。

勉強ができるのは「特別な限られた人」ではない

ここまで勉強スケジュールの立て方について説明してきました。いきなり大きな目標を前にすると足がすくんでしまう気分になりますが、目標を小さく分けていくことで、自分にも「できるかもしれない可能性」がきっと見えてきます。実際に「できる人」というのは小さな積み重ねをし続けた人なのです。

「継続が力なり」の理由

心理学者のL・ズーニン博士によると、行動開始→行動継続→行動終了という一連の流れのうち、最も気が重たくなるのは「行動開始時」だといいます。しかし一旦やり初めて4分経過すれば、次第に心理的負担は弱まり、逆にモチベーションが高まってきます。今までなかなかこの継続ができなかったという人は、まずは最初の4分を「諦めない」でやってみましょう

まとめ

今回は「目標達成に必要な勉強スケジュールの立て方」について説明しました。勉強スケジュールを立てるときは以下のポイントを意識しましょう。

  • 目標達成の道筋から、年間→月間→毎日何をするべきかを明確にする
  • スモールステップを毎日続け「できた」という自信と達成感を味わうことが大切
  • 生活習慣を見つめ直し、1日のなかで勉強に使える時間を増やす

まずは自分の生活習慣を振り返り、今日からできることをコツコツ始めてみてください。

参考:勉強計画の記録・管理におすすめのアプリ8選

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