コミュニティ・カレッジ留学を徹底解説!海外進学/就職を叶えたい人におすすめ

Edv Magazine 編集部

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コミュニティ・カレッジ留学を徹底解説!海外進学/就職を叶えたい人におすすめ

アメリカの大学進学を目指す上で大きなハードルとなる高い学費と英語力。それらを解消してくれる一つの選択肢として、コミュニティ・カレッジ留学があります。

今回は、コミュニティ・カレッジ留学の特徴やメリット/デメリット、選び方のポイントなどを紹介します。アメリカ留学や海外就職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

コミュニティ・カレッジとは

アメリカの大学の一種、コミュニティ・カレッジ(通称コミカレ)とは公立2年制大学のことです。もともとは地域住民(コミュニティ)のためにつくられた学校(カレッジ)で、学費が安く入学難易度も低いのが特徴です。

コミカレでは、2つのコースが用意されています。

大学編入コース

大学への編入を目指すコースです。アメリカでは直接大学に入学するのではなく、公立の2年制コミュニティ・カレッジに進学し2年程度で準学士号を取得後、大学に編入するという進学方法があります。英語が母国語ではない留学生にとって、非常に有効な海外進学方法となっています。

コミュニティ・カレッジで2年間学んだ後、4年制大学に進学して2年後に卒業する進学方法を一般に「2+2」(ツープラスツー)といいます。

職業訓練コース

コミカレ卒業後に、進学せず就職を目指すコースです。大学編入コースと比較すると、日本の短期大学や専門学校に近いコースとなります。短期間(6ヶ月〜1年半程度)のコースや資格取得を目指すコース、実習を含むコースなど、さまざまな種類があります。大学を目指さない方にも、目的にあったコースを見つけることができるのがコミカレです。

コミュニティ・カレッジのメリット

コミュニティ・カレッジへの留学を検討するうえで知っておきたいメリットを紹介します。

学費が安い

4年制大学の平均の学費が、州立が年間24,000ドル(約240万円)、私立が32,000ドル(約320万円)であるのに対して、コミカレは平均して年間8,000~10,000ドル(約100万円)前後です。つまりコミカレの学費は4年制大学と比較すると半額〜3分の1程度となります。大学に4年間行くよりも、コミカレ2年+大学2年の方が合計の留学費用は安くなります。

成績不問で誰もが入学できる

アメリカの大学へ直接入学するには、TOEFLやIELTSといった、アカデミックな(大学など学問を学ぶ)環境で使う英語力を測定する試験で高得点を取得しなければいけません。しかしコミカレの場合は、必要な書類さえ提出すれば誰でも入学することができます

英語のハンデを埋められる

まずは授業を受けられる英語力を身に付けるため、集中英語コースが用意されています。授業を受けられるレベルの英語力をつけてからクラスを履修することになるので、母国語が英語でない留学生には安心なポイントです。

コミュニティ・カレッジのデメリット

コミュニティ・カレッジへの留学を検討するうえで知っておきたいデメリットを紹介します。

寮が少ない

コミカレは地域に住む人向けの学校であるため、寮を提供している大学が少ない傾向にあります。留学というとホームステイをするものだと考えている人も多いですが、長期留学にホームステイは適していません。なぜなら、一般的にホームステイ先は自分のリクエスト通りに決まることはほとんどなく、相性が合わなかったり、ホストファミリーの環境が変わったりといったリスクがあるからです。またホームステイの費用も年々高くなっており、月に900~1,200ドルほどかかることが多いです。

卒業率が低い

英語力が低い状態でコミカレに進学すると、日本人同士で固まりやすくなり遊んで過ごす日々になりかねません。そのため、コミカレの卒業率は2割から、多くても4割程度といわれています。

単位が取れなければ学生ビザは維持できなくなるので危機意識を持つことが重要です。英語力が心配な人は英語集中コースがあるコミカレを選ぶか、3~6ヶ月ほど語学学校で集中して英語を学んでからコミカレに進学しましょう。

クラブ活動が少ない

多くの現地学生はアルバイトで忙しく、授業が終わるとすぐに帰ってしまうので、コミカレ内にはクラブ活動があまりありません。ただ学校に通って授業を受けているだけではなかなか友人はできないので、地域のクラブチームや留学生向けのイベントを積極的に探し、留学を有意義なものにしましょう。

コミュニティ・カレッジ留学までの流れ

日本のような入試試験はなく、書類審査により合否が判定されます(※ただし、芸術や音楽などを専攻する場合、オーディションやポートフォリオの提出が必須になることもあります)。一般的には、以下のような出願書類が求められます。

アメリカの場合は、英文の残高証明書が不可欠で、大学によってはSATスコアなどが必要になるので忘れないようにしっかり準備しましょう。

1. 志望校に各種書類を提出

  • 高校卒業証、または卒業予定証明書のコピー

高校卒業の証明が必要です。通常は高校に頼んで作成してもらいます。コミカレによっては、英語訳が添付された封書での提出が必要なので、志望校の出願書類を確認してください。

  • 高校での成績証明書

日本の高校の成績は、一般的に「5〜1」の5段階で評価されますが、アメリカの場合は「A〜F」の成績を「4〜1」の4段階に換算して評価します。そのため成績証明書には、日本の評価システムは5段階であることを英訳した文書と、もしGPA入力欄があればアメリカ式のGPAに換算した数値も入力しておくとよいでしょう。

  • TOEFLのスコア

英語を母国語としない人を対象にした英語コミュニケーション能力を測るテストで、英語能力の証明として提出します。現在は、パソコンで行うiBTが主流です。点数の基準は学校によって異なり、iBTスコア(満点:120)は45〜61程度が目安です。 IELTS(International English Language Testing System)のスコア提出でも認められる大学もあります。

  • 銀行取引残高証明書

入学して1年間、学費や生活費を支払えるだけの経済力を証明するのに必要な書類です。一定額の基準が決められている場合や、2年間分の費用をまかなう残高が必要な場合もあります。日本の金融機関で「英文の残高証明書を出してください」と窓口に申請すれば、英文で預金口座の残高証明書を発行してもらいます。親名義の口座証明をするときはI-134(扶養証明)を要求してくる大学もあります。

  • 願書(アプリケーション)

希望大学の入学に関するページの「application」というセクションを見つけて入力し提出してください。

  • 受験料

費用は大学によってそれぞれです。一般的にクレジットカードで支払うことができます。

  • その他

それぞれの学校・専攻において必要な書類があります。推薦状やエッセイ、予防接種の記録証明が必要な場合もあるので確認してください。

2. 合格通知とI-20(入学許可証)を取得

学校によりますが、すべての必要書類を大学が受理してから2〜4週間ほどで合格通知とI-20(入学許可証)というビザ申請に必要な書類が届きます。

3. 住む場所を決める

学生ビザ申請と同時に、留学の滞在先の申し込みも始めます。寮やホームステイ、アパートなどを決め必要な費用を支払います。

4. ビザ申請・取得

ビザの手続きはおおよそ2~3ヶ月ほどかかります。大使館のサイトで申請書類に記入後、ビザ申請費用の支払いやSEVISと呼ばれる費用の支払い、アメリカ大使館での面接の予約が必要です。

5. 学費の支払い

入学願書への記入と提出、入学手続き費用の支払いを行います。入学願書については、最近ではオンラインで行える大学も増えてきました。入学手続き費用の支払いは大学によって異なりますがクレジットカードで支払う場合がほとんどで、50ドル前後が多いです。

6. 航空券・保険の手配

アメリカの大学では、すべての在学生に医療保険の加入を義務づけています。大学が提携している保険への加入を推奨されますが、一般の保険会社でも問題ありません。

大学が提示する細かい条件をクリアする保険を探すのは大変ですが、まったく同じ条件の保険でも3倍以上費用が違うこともあるので、医療系の英単語に詳しい人や留学サポートの人に相談してみてください。

コミュニティ・カレッジを選ぶポイント

多くの選択肢から留学の目標を叶えられる留学先を見つけるために、コミカレを選ぶポイントを押さえておきましょう。

寮がある

アパートやホームステイの場合、自動車の購入や外食などで予想以上に費用がかかるので、寮に住むのがおすすめです。アメリカのコミカレの寮は4人が1つのスペースで住むタイプが主流です。間取りは4LDK、一人ひとりにベッドルームがあり、キッチンやリビング、バスなどは4人で共有するタイプが多いです。なかには1人1部屋(Studio Type)の寮もありますが、少し割高で部屋数にも限りがあります。

費用面だけでなく、同世代の学生との共同生活は友人を作るには良い環境なので、寮付きのコミカレを選択するのはおすすめです。

編入したい大学の提携校である

各コミカレで提携している編入先(Guarantee Transfer Agreement)を調べてみるのもコミカレ留学を成功させる方法の一つです。提携先の大学には条件面で編入しやすかったり、単位を移しやすかったりとさまざまなメリットがあります。

ほかにも、同じ州内の大学への編入も一般的にいいといわれています。同じ州内だと大学間の連絡も取りやすかったり、単位の移行がスムーズだったりします。

地域認定団体に認定されている

アメリカでは、政府(教育省)ではなく、全米を6つの地域ごとに管轄する「地域認定団体(regional accreditation)」が各学校を大学として認定しています。地域認定団体に認定されてないコミカレも多く存在しますが、認定されていないコミカレは大学レベルの教育を提供していないと見なされてしまうので、大学編入する際に単位が認められないといった障害が生じます。

志望校を決める際に、そのコミカレが地域認定団体に認定されていることは、必ずWebサイトで確認しましょう。

大学編入を目指すときに知っておくべきこと

コミカレ留学を希望する人の多くが大学への編入を目指しています。ここでは大学編入を目標とする方に知っておいてほしいことを紹介します。

編入のシステム

アメリカの大学は単位制で、取得した単位の数で学年や卒業時期が決まります。これはコミカレも4年制大学も同じシステムです。全米的に統一された単位の互換システムがあるので、アメリカでは編入が当たり前に行われています。

アメリカでの大学編入の際、日本のシステムとは違い試験などはなく希望大学にオンライン上で願書を提出し結果を待つという形が一般的です。

2年制大学の学位を取得すると、いつでも4年制大学へ編入することができます。多くのアメリカの大学(2年制、4年制)は1年間が下記2つの学期に分けられています。

  • 1〜5月の春学期
  • 9〜12月の秋学期

編入希望の大学から正式な合格通知を取得すれば、上記の2つの学期に合わせて勉強を始めることが可能です。(※5〜9月の夏学期でも編入可能な大学も多数ありますが、春学期と秋学期が一般的です)

移行できない単位がある

コミカレで取得した単位が、4年制大学に編入する際に認められないことがあります。以下3点に留意して、単位の選択や勉強の参考にしてください。

  • 000番台の科目(認められない)

アメリカの大学では、各科目に3桁の番号(Course Number)が振り分けられており、番号によって科目のレベルが判別できるようになっています。たとえば、100番台は1年生で学ぶ科目で、200番台は2年生で学ぶレベルの科目です。そのなかで、000番台の科目は4年制大学に編入する単位としては基本的に認められません。なぜなら、000番台の科目は高校の復習というニュアンスに近い科目だからです。

  • D以下の成績がついた科目(認められない)

アメリカの大学の科目は「A〜F」の5段階で成績がつけられ、D以下の成績の場合はは編入の単位として認められません。もとより、平均してC以上の成績でなければ、編入すら難しくなります。授業を登録して間もない間であれば登録を消すこともできるので、レベルが合わないと思った場合はすぐに削除しましょう。

  • 州外や外国大学の科目(認められない場合あり)

基本的に同じ州内の大学間の編入であれば単位互換の手続きもスムーズです。もちろん他の州の大学であっても編入できるのですが、稀に州外や外国の大学の単位はすべて認めないという学校もあるので注意してください。

高い成績(GPA)が必要

一般的に4年制大学への編入には、高いGPA(成績評価値)が必要で、最低でも2.5点は求められます。Aが4点、Bが3点、Cが2点(D以下は単位として認められない)なので、オールCで単位を取り続けるだけでは編入資格すらないでしょう。

さらに一流大学への編入であれば3.8点から可能な限り4点満点、上位校であれば3.5点以上は必須です。上位校に行こうと思えば全クラスでトップ2割に入るくらいの努力が必要です。

アメリカ人でも必死になってAを取ろうとしているところを、英語にハンデのある日本人がやらなければいけないので集中して勉強することが必要です。

おすすめのコミュニティ・カレッジ3選

全米に1,200校もあるコミカレから自分に適した大学を見つけ出すのは大変です。少なくとも2年間は学ぶことになるので自分自身でしっかりリサーチして、納得したうえで選びましょう。一般的には4年制大学への編入制度が比較的整っている、カリフォルニア州とワシントン州の学校に人気が集中しています。

べルビューカレッジ(ワシントン州)

ベルビューカレッジのあるワシントン州ベルビューは、都市シアトルにも車で10分ほどの治安の良い環境です。州内でも編入率の高いコミカレとして知られる大学で、多くの学生が編入を目指す環境はモチベーションの維持向上につながるでしょう。

サンタバーバラシティカレッジ(カリフォルニア州)

サンタバーバラシティカレッジのあるカリフォルニア州サンタバーバラ市は、リゾート地として有名です。大学から一望できる海岸線は素晴らしく、学業の疲れを癒やしてくれます。州内にはカリフォルニア大学やロサンゼルス(UCLA)、サザンカリフォルニア大学(USC)など有名大学があり、編入のいいモチベーションになるでしょう。

デアンザカレッジ(カリフォルニア州)

デアンザカレッジがあるシリコンバレーのクパティーノは、アップル本社がある都市として有名です。周辺地域にはYahoo、Google、Facebookなど有名IT企業の本社があり、IT業界に憧れのある人にはぴったりの場所でしょう。

おすすめの留学相談サービス

留学の進路相談ができる高校の先生は日本にはまだ少なく、個人での情報収集には限界があります。また、高校の勉強もしっかりしながら、情報収集や留学準備、並行して英語の準備を進めるのは大変なので、留学エージェントを活用することをおすすめします。

留学ジャーナル

留学を考えたことがある人なら一度は読んだことがある『留学ジャーナル』を発行している留学エージェントです。45年以上の歴史がありアジア最優秀留学エージェントに何度も選ばれている、信頼性の高い留学エージェントです。留学前後の英会話研修もあるので英語力に自信がない人におすすめです。

公式サイト:https://www.ryugaku.co.jp/

アメリカ留学.US

最大規模のアメリカ専門留学エージェントです。現地エージェントと提携していてオフィスは東京、大阪、ロサンゼルス、ニューヨーク、サンディエゴ、ハワイにあり、アメリカでの就職先の紹介も行っています。

公式サイト:https://www.america-ryugaku.us/

ISS留学ライフ

数週間の短期留学から大学に入学する正規留学まで幅広い留学を扱う留学エージェントです。東京横浜をはじめ、五大都市などで留学相談会やセミナーを開催しています。

公式サイト:https://www.iss-ryugakulife.com/

まとめ

アメリカの4年制大学進学は費用や英語力などハードルが高いですが、コミカレをステップにすることであなたの夢は叶うかもしれません。一人で悩まず、コミカレ進学も視野に入れて周りの人と相談しながら納得のいく留学先を選択してください。

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