ものづくりの仕事とは?業種・職種を解説

Edv Magazine 編集部

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ものづくりの仕事とは?業種・職種を解説

将来はものづくりの職業に就きたい。しかしどんな仕事があるか分からないし、どういう進路を歩めばいいのだろうと悩む人は多いのではないでしょうか。近年、日本のものづくりは品質が高く安心して買えると海外から評価を受けています。今回はそんな世界から注目を浴びているものづくりの仕事の種類や、それぞれの仕事に就くための進路のパターンについて紹介します。

ものづくりの仕事は5業種に分かれる

ものづくりと一口に言っても仕事は多種多様です。例えば家電だけでも、研究・開発・設計・品質管理・マーケティング・営業…と多岐にわたります。ここではものづくりの仕事を業界軸で5つに分けて紹介します。

製造系

製造業は材料や部品を加工し、組み立てることで製品を製造する仕事です。自動車メーカー・医療機器メーカー・食品メーカー・家電メーカーなどが挙げられます。

自動車では世界シェア2位のTOYOTA、家電では世界シェア3位のパナソニックなど、世界的にシェアを広げている企業がたくさんあります。

主に次のような職種があります。

  • ライン製造:工場の生産ラインに沿って、ベルトコンベアなどで流れてくる製品に部品の取り付けや加工を行う作業
  • 生産管理:製品の生産数を計画し、計画に沿った製造ができているか管理する仕事
  • 品質管理:不良品や事故を防ぐために、問題の改善や予防に取り組む仕事
  • マーケティング:市場を調査・分析し販売促進の戦略を立てたり、新商品の企画をする仕事
  • 営業:商品を顧客に売り込んだり、新規顧客を開拓する仕事

建設系

建設業は住宅やビルなどの建物、道路やダムなどのインフラを建設する仕事です。

主に次のような職種があります。

  • 施工:設計に基づき建築物の工事を実施する仕事
  • 施工管理:施工が計画・図面通り進捗しているか管理する仕事
  • 設計:顧客の要望に基づき、建築物の図面を制作する仕事
  • 安全管理:施工現場の事故を防止するための予防対策を立て実行する仕事
  • 営業:顧客に物件を売り込んだり、顧客の要望に応え受注する仕事

職人系

職人は一定の技術をもって日用品や芸術品、食品などを作る仕事です。

主に次のような職種があります。

  • 伝統工芸:数世代に渡って受け継がれる伝統的な技法と匠の技によって工芸品を作る仕事
  • 彫刻:木・石・金属などを彫り刻んで作品を作る仕事
  • 陶芸:土や石の粉から食器や芸術品など焼き物を作る仕事
  • 食品:パティシエや和菓子職人など

クリエイティブ系

クリエイティブ系は商品・サービスのデザインや企画をする仕事です。

主に次のような職種があります。

  • デザイナー:商品のパッケージや広告をデザインする仕事
  • 企画:商品のアイデアを考えたり、サービスを企画する仕事

IT系

ITにおけるWEBサービスやアプリ、システムの設計・開発も「デジタルのものづくり」として考えることができます。

主に次のような職種があります。

  • システムエンジニア:顧客からの要望に沿ったシステムを設計する仕事
  • プログラマー:システムエンジニアやディレクターが設計した仕様書に沿って、システムやアプリなどをプログラミングする仕事
  • 営業:サイトやシステムの開発案件を新規に獲得したり、開発したサービスを顧客に売り込む仕事

代表的なものづくりの職種と進路のパターン

ここまで、ものづくりの仕事を製造・建設・職人・クリエイティブ・ITに分けて紹介しました。

ここからはもっとも「ものづくり」のイメージに近い製造業の仕事について、金属加工・機械設計・食品製造・木造加工・日用品製造に分けて詳しく解説します。

金属加工

金属加工は鉄やアルミ、ステンレスなどの金属材料を機械で加工する仕事です。

金属を高熱で溶かしたり刃物で切断したりと常に危険が伴うため、安全第一で丁寧かつ正確な作業を行える人が求められます。ここでは3つの業務について紹介します。

溶接工

溶接工は複数種の金属を溶かして接着させる仕事です。

溶接の作業は機械化が進んでいますが、人間の手作業が必要な部分もまだまだ多くあります。

進路のパターンとしては、工業系大学や専門学校・職業訓練校で溶接の基礎を学んでから、建設・造船・自動車などのメーカーや製造業に就職するのが一般的です。

就職に有利な資格としては「ガス溶接技能者」が挙げられます。国家資格であり、可燃性ガスを使用するための資格です。

プレス工

プレス工は金属板などを加工・整形し自動車部品や小型精密部品などを作る仕事です。

プレス工になるために必要な資格はありません。学校卒業後にプレス機器を扱う会社に就職することが望ましいでしょう。

実務経験を5年積めば「プレス機械作業主任者」の資格を取ることができます。プレス機械の保守や現場の安全を管理する責任者になるために必要な資格です。

NC旋盤工

NC旋盤工は旋盤を使って人の手では難しい金属加工を行う仕事です。

NC旋盤工の仕事は「プログラミング」と「オペレーション」の2つに分けられます。「プログラミング」はNC旋盤を動かすプログラムを建築し、コンピュータに入力していく仕事です。一方「オペレーション」はNC旋盤の操作や製品のチェックを行います。

進路のパターンとしては、職業訓練校や工業高校を経てメーカーに就職することが多いですが、工業の知識がなくても旋盤工として就職できます。その場合は見習いとして現場で知識を学ぶことになります。

旋盤工になるために必須の資格はありません。しかし旋盤による加工技術を認定する「機械加工技能士」の資格があれば早くから昇進を期待することができます。

機械設計・製造

機械設計・製造は自動車や航空機、産業用機器や医療機器などさまざまな機械を設計・製造する仕事です。

製品の具体的な寸法や材質を設計する段階から実際に組み立てる部分まで関わるため、0から1を作り上げたい人におすすめです。

機械組立工

機械組立工は工場で部品を使って自動車などの機械を組み立てる仕事です。

機械組立工が活躍する職場は次のようなものが挙げられます。

  • 精密機器メーカー(時計・カメラ・パソコン・スマートフォン)
  • 自動車メーカー
  • 医療機器メーカー
  • 農業用機械メーカー
  • 建設工業メーカー

進路のパターンとしては工業系の大学や専門学校で機械工学を学び製造メーカーに就職するのが主流です。

機械組立技術者になるために必要な資格はありませんが、「仕上げ技能士」という機械の仕上げを担当し部品をきれいにする技術の資格を持っておくと業務の幅が広がるでしょう。

精密機械技術者

精密機械技術者は精密機器の設計・開発・製造を行う仕事です。精密機器とはカメラや顕微鏡、時計などの細かな部品が集まった製品を指します。

進路のパターンとしては大学や専門学校で機械工学を学び、その後精密機器メーカーに就職することが一般的です。

働く上で有利になる資格としては「技術士」「機械設計技術者」が挙げられます。

食品製造

食品製造は原材料を工場で加工し食料製品を生産する仕事です。

食を通して人に喜んでもらいたい人や、安全なものを提供したいという思いがある人に向いています。

缶詰・びん詰め

原料の選別・調理・詰め込み・検査・出荷の工程に関わる仕事です。

缶詰・びん詰めの仕事に就くために特別必要な資格はありません。しかし「食品衛生責任者」など食品の衛生面に関する知識の資格を所得しておくと、業務の幅は広がるでしょう。

パン・お弁当

パン工場でのパンの成形や包装、お弁当工場での食材調理や盛り付け、包装を行う仕事です。

こちらも仕事に就くために必要な資格はありません。しかし「食品衛生責任者」「フォークリフト免許」などの資格は就職した後に持っておくと業務の幅が広がるでしょう。

木造加工

木造加工は木材を加工し製品を作る仕事です。丁寧にものづくりができる人に向いています。

家具工場

家具を作る仕事です。設計図やオーダーをもとに木材の切断・加工・塗装を行います。

家具工場で働くために必須な資格はありません。しかし工業高校や職業訓練校で機械の操作法や図面の見方など、木材加工に関する知識を習得しておくと、働く上で有利になります。

進路のパターンとしては家具の製造会社に入社したり、中規模の工房や木工所で働くことが挙げられます。

その後現場で経験を積みながら、現場責任者を担うことができる「家具制作技能士」という国家資格を取得するといいでしょう。

日用品製造

日用品製造は一般消費者が日々の生活で使う製品を作る仕事です。

自分の作ったものが消費者の手に渡り、普段の生活で使われるため、身近なものに関わりたい人におすすめです。

プラスチック製品成形

金型に合成樹脂(プラスチック)を流し込み冷却することで、ペットボトルや文具、おもちゃなどの製品を作る仕事です。製造以外にもプラスチック製品の検査や梱包作業などを行います。

未経験から始められますが、おすすめの資格としては「プラスチック成形技能士」があります。必須の資格ではありませんが、厚生労働省認定の国家資格で働く上で有利になる場合があります。3級・2級・1級・特急があり、3級は実務経験がなくても取得できます。

漆器製造工

漆の樹液を加工処理して箸やお椀などの漆器工芸品を製造する仕事です。

漆器製造工にもさまざまな役割があり、素地製造工・下地工・漆塗工などがあります。

漆器製造工になるために必要な資格はありません。漆器製造業では子弟を育成する産地もあり、その場合は親方(師匠)のもとで4〜5年の修行を積みます。

まとめ

ものづくりの仕事は種類がたくさんあり、資格がなくても現場で経験を積んでいくものが多いです。0から1を生み出すことが好きだったり、丁寧な作業が好きな人はものづくりでの仕事を考えてみてはいかがでしょうか。

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