2022年に成年年齢引き下げ【20歳→18歳】何が変わって、何が変わらない?

Edv Magazine 編集部

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2022年に成年年齢引き下げ【20歳→18歳】何が変わって、何が変わらない?

2022年、成年年齢が20歳から18歳に引き下げになるのを知っていますか?今16歳の人はあと2年で、17歳の人は来年には、成人=大人として扱われることになります。

大人になれば、何でも自由にできるかというと、それはまた別の話。18歳でできるようになることと、これまで通り20歳以上にしか認められないことがあります。成年年齢の引き下げによって、変わることと変わらないことを知っておきましょう。

140年ぶりの成年年齢引き下げ

「成年」とは法律で定められた、単独で法律行為を行える年齢のことです。成人すると、親権者の同意なしで契約を締結できたり、親権に服することなく独立して生活を営んだりできるようになります。成年年齢は国によって異なりますが、2021年1月現在、日本では民法によって20歳とされています。

2022年の民法改正に伴い、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられることとなりました。成年年齢が変更となるのは、明治9年以来、約140年ぶりのことです。

新成人になるタイミング

改正民法が施行されるのは2022年4月1日。この日時点で18歳以上の人が成人と見なされます。

現在10代の皆さんは、誕生日によって成人となる日や成年年齢が異なります。誕生日別にまとめると下記の通りです。

生年月日成人となる日成年年齢
2002年4月1日以前20歳の誕生日20歳
2002年4月2日~2003年4月1日2022年4月1日19歳
2003年4月2日~2004年4月1日2022年4月1日18歳
2004年4月2日以降18歳の誕生日18歳

表を見て分かる通り、2022年4月1日に18歳・19歳・20歳の新成人が誕生するという珍しい現象が起きます。

なぜ成年年齢を引き下げるのか?

そもそも、なぜ成年年齢を引き下げることになったのでしょうか。

法務省によれば「18歳、19歳の若者が自らの判断によって人生を選択することができる環境を整備するとともに、その積極的な社会参加を促し、社会を活力あるものにするためとされています。

早い段階で社会の一員としての役割を果たしてもらうことで、大人としての自覚と責任を持ち、自立を促していこうという考えです。2015年に公職選挙法が改正され、選挙権が18歳から認められるようになったのも、こうしたねらいがあります。

より大きな背景としては、先進国の共通課題ともいえる少子高齢化があります。日本は総人口の4分の1以上(28.7%)が65歳の高齢者という超高齢社会です。企業の定年年齢や年金の支給年齢が引き上げとなる中、若年層の活躍にも期待がかかっています。長期スパンで優秀な人材を育成し、社会の中心として力を発揮してもらうためにも、成年年齢を引き下げという政策が実現したのです。

海外の国々を見てみても、18歳を成年年齢としている国が多く、国際的な流れともいえます。

成年年齢   
16歳ネパール
18歳アイスランド アイルランド アメリカ合衆国(※一部の州を除く) イギリス イスラエル イタリア イラン インド エチオピア オーストラリア オランダ キューバ ギリシャ サウジアラビア スイス スウェーデン スペイン 中華人民共和国 チリ デンマーク ドイツ ノルウェー パキスタン ハンガリー バングラデシュ フィリピン ブラジル フランス ブルガリア ベトナム ベルギー ポーランド ポルトガル マレーシア メキシコ モンゴル ルーマニア ルクセンブルク レバノン ロシア
20歳タイ 大韓民国 ニュージーランド モロッコ
21歳アルゼンチン インドネシア エジプト クウェート ケニア シンガポール バーレーン
(参照:外務省「諸外国における成年年齢等の調査結果」

18歳でできるようになること

現在未成年の皆さんには、法律で禁じられていることや一人では決められないことがたくさんありまが、成年年齢が18歳に引き下げられると、20歳を待たずにできるようになることがあります。

自分の意思で契約する

成年年齢が持つ大きな意味の一つに、「一人で契約できる年齢」があります。

現在未成年の皆さんは、保護者の承諾なしに一人暮らしの部屋を借りたり、高額商品を買うためにローンを組んだりすることはできません。毎日使うスマートフォンも、親名義で契約しているという人が多いのではないでしょうか。成年になるとこれらの契約行為を自分の意思で、保護者の同意なしに結ぶことができます

10年有効のパスポートを作る

海外渡航に必須のパスポートは、有効期限が5年のものと10年のものがあります。現在のところ未成年者は10年有効のパスポートは作れず、有効期限5年間の紺色のパスポートしか作れません。これは、年齢が若ければ若いほど見た目が変化しやすく、入国手続きの際に同一人物か瞬時に確認しにくいためといわれています。

しかし、成年年齢に達すると10年有効のパスポートを作成できます。パスポートを新規で申請すると、手元に届くまでに数週間かかるので、頻繁に海外旅行に行く人や留学の予定がある人は、10年有効のパスポートを作成するとよいでしょう。

国家資格をとる

現在、18歳で取得できる国家資格といえば普通自動車運転免許くらいですが、成年年齢が引き下げになると、18歳で取得できる専門資格がぐっと増えます。例えば、公認会計士司法書士医師免許薬剤師免許などです。

ただし、医師免許に関しては大学の医学部卒業が国家試験の受験条件なので、飛び級など特別なケースを除いては、18歳で取得するのは現実的ではありません。

また、公認会計士や司法書士は、試験合格後に一定期間の研修を受けることが必要となるため、18歳で可能となるのはあくまでも資格取得であり、実務として経験を積むのはもう少し先になります。

結婚可能年齢が男女とも18歳に

2021年現在、結婚できるのは男性が18歳以上、女性は16歳以上と定められています。また、未成年が結婚する場合は男女ともに親権者の同意が必要とされているため、男性18歳・女性16歳のカップルであっても勝手に結婚することはできません。

男性18歳・女性16歳という年齢は戦後間もない1947年に決められたもので、「男性に比べて女性の方が、心身ともに早く成熟する」という説や、経済力、教育の差など、当時の社会情勢に基づいたものです。しかし、現在では社会的な成熟度に男女の差はなく、国際機関からも男女不平等な規定であるとして改正が求められていました。

民法改正後は、結婚可能年齢が男女ともに18歳となります。さらに成人であるため、親権者の同意なしで結婚できるようになります。

性別取り扱いの変更審判

近年ではジェンダーフリーの考え方やトランスジェンダーの存在が身近となり、生まれた時の生物学的性別と、成長過程での社会的性別が異なる場合、一定の条件を満たせば法律に基づいて戸籍上の性別を変更できるようになりました。この法律は「性同一性障害者特例法」と呼ばれるもので、日本では2003年に成立しました。

性別変更の申し立てには、これまで20歳以上という年齢制限がありましたが、成年年齢引き下げ後はこれも18歳以上となります。

ただし、現状では審判を受けるための条件として、「生殖能力を欠く状態であること」「変更後の性別に近い外観を備えていること」が含まれています。つまり、不妊手術や性転換手術を受けていないと、戸籍上の性別変更を申請できないのです。この点については、関連団体や医学会などからも疑問の声があがっており、今後検討の余地があるとされています。

20歳にならないとできないこと

これまで通り、20歳にならないとできないこともまだまだあります。皆さんの身体的成長や社会的責任を考慮した上での決まりなので、引き続きルールを守っていきましょう。

飲酒

「お酒は20歳になってから」。これは成年年齢引き下げ後も変わらない合言葉です。

成長期にある10代の飲酒は、脳の発達をはじめとする身体的な影響、アルコール依存症になるリスク、犯罪に巻き込まれるリスクなど、さまざまな悪影響があります。

受験を控えている場合、勉強の能率低下や成績不振など、将来に関わることもあるでしょう。周りの大人や先輩に勧められても、決して飲んではいけません。

喫煙

言うまでもないことですが、タバコは「百害あって一利なし」。食道がんや肺がん、心筋梗塞の危険性が高まる、肌が荒れやすい、歯に色がつく、服や髪にニオイがつくなど、高校生としては避けたいものばかりです。

法律で20歳未満の喫煙を禁じているのには、ほかにも理由があります。まず、未成年で喫煙を始めた場合、成人後に吸い始めた場合に比べて、がんや心疾患の危険性が高まります。

厚生労働省の発表によれば、19歳までにタバコを吸い始めた人は、吸わない人に比べて死亡率が5.5倍というデータがあります。次に、依存度の高さです。10代で喫煙が習慣化した人がニコチン依存症になる確率は62%といわれています。

10代の皆さんの体は、まだ生育途上です。進んで健康を害することをせず、充実した毎日や将来のために時間を使いましょう。

ギャンブル

成年年齢が引き下げられても、競馬や競輪、競艇などの公営ギャンブルは20歳以上のままです。ギャンブルは直接健康を害するものではありませんが、アルコールやニコチン同様、依存性があるためです。大人に馬券を買ってもらうなども禁止です。代理で馬券を購入した側も刑事罰の対象となります。

養子を迎える

結婚は18歳からできるようになりますが、養子を迎えることは20歳にならないとできません。大人として見なされはしても、養親として十分な責任を果たすことは難しいとされています。

大型・中型の運転免許

一般的な運転免許(普通自動車運転免許)は現在でも18歳から取得できますが、大型・中型はこの限りではありません。

大型(11.0トン以上)は21歳以上で免許期間3年以上中型(11.0トン未満)は20歳以上で免許期間2年以上と、年齢制限のほかに普通免許を取得後一定の期間が経っていることが条件となります。

契約の際は注意が必要

成年年齢が引き下げられると、自分の意思で契約ができるようになります。住宅の賃貸住宅やローン契約、クレジットカードを作ることもできます。ただし、契約ができるということは、契約に基づく責任を負うことにもなります。

未成年者取消権とは

民法では「未成年者取消権」といって、未成年者が親権者の同意なしで締結した契約に関しては、未成年者の消費者被害を防ぐため、取り消すことができます

ただし、成年年齢引き下げ後は18歳であっても未成年ではなく成年となるため、未成年者取消権は適用されません。

契約を決めるのも自分ですが、その責任を負うのも自分です。安易に契約を交わすとトラブルに巻き込まれかねないので、十分に注意しましょう。

トラブルに巻き込まれてしまったら

消費者トラブルのリスクを避けるためには、契約に関する知識を学び、その契約が自分にとって本当に必要なものかどうか、冷静に判断する力を身につけることが大切です

それでも万が一、契約をめぐるトラブルに巻き込まれてしまったら、周囲の大人に相談してください。全国共通の消費者ホットライン「188」という電話相談窓口も用意されています。「188=いやや!」と覚えてくださいね。

成人式はどうなる?

成年年齢引き下げで気になるのが、成人式です。2021年の成人式は、新型コロナウイルスの影響で多くの自治体が開催を見送りましたが、2022年以降についてはまったく白紙の状態です。

引き下げ後、初の成人式は2022年度(2023年1月)となりますが、18歳、19歳、20歳の3学年をまとめて開催するのか、別々に行うのかなどの議論が交わされています。

養育費はどうなる?

両親の離婚などで、一方が養育費を支払う例もあります。多くの場合は離婚の際の取り決めで「子どもが成年に達するまで月々いくらを支払う」となっています。

この場合、成年年齢が引き下げられたからといって18歳までしか支払わなくてよいということではなく、従来通り20歳まで支払義務を負うことになります。

養育費は、経済的に未成熟で自立が難しい子どもに対して支払うものです。大学に進学する場合は、卒業までの養育費を支払うケースが多いです。今後新たに養育費に関する取り決めを交わす場合、大学卒業年に当たる22歳の3月までとすると、実態に即していて望ましいといえます。

まとめ

140年ぶりの成年年齢引き下げに伴い、18歳でもできるようになることが増えます。ただしこれは単純に自由にできることが増えたというだけではなく、同等の責任が発生するという意味でもあります。賃貸やローンの契約はもちろんですが、資格取得や結婚も大人としての責任をもって行うことです。できること、できないこととその理由をしっかりと理解し、大人として自覚をもって過ごしてください。

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