イギリス留学の費用・奨学金・おすすめ大学を解説

Edv Magazine 編集部

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イギリス留学の費用・奨学金・おすすめ大学を解説

ハリー・ポッターやビートルズでおなじみのイギリスは観光地として人気ですが、伝統的な教育先進国としていまなお高い教育水準を誇ることから留学先としても世界中から支持されています。

今回はイギリスの大学留学について、特徴や費用、奨学金、おすすめの大学などを紹介します。

イギリス留学の特徴

ここではイギリス留学の特徴や魅力について紹介します。

イギリス英語が身に付く

英語にはさまざまな種類があるのを知っていますか?主に次のような種類があります。

  • アメリカ英語
  • イギリス英語
  • オーストラリア英語
  • ニュージーランド英語

日本の学校では基本的にアメリカ英語を学習しますが、2021年に始まる大学入学共通テストの英語リスニングではイギリス英語も使用されることとなり話題となりました。

同じ英語でもイギリス英語と他の英語では一部の発音と単語の意味が異なってきます。「can」をアメリカ英語では「キャン」、イギリス英語では「カン」と発音するといった具合です。アメリカ英語よりも文字の見た目通りの発音が多く、馴染みやすいでしょう。

イギリスに留学することで英語のルーツとも呼ばれる美しいイギリス英語の習得を期待できます。これはほかの英語圏への留学では得られない大きなメリットです。

高い水準の教育を受けられる

古来から教育に力を入れ続け、現在も教育水準の高いイギリスには世界に名を轟かす伝統ある大学が数多くあります。世界大学ランキングでは、1位にケンブリッジ大学、3位にオックスフォード大学が名を連ね、上位100校のうち12校がイギリスの大学です。

イギリスでは政府や教育団体が作った厳しい基準をクリアすることが教育機関に求められています。つまり一定の質に達していない教育機関はおのずと淘汰されているため、留学先の学校がどこであれ質の高い教育を安心して受けられます。

ヨーロッパ各国に足を伸ばしやすい

日本からヨーロッパを訪れようとすると時間もお金も大きくかかりますが、イギリスからであれば気軽にヨーロッパ各国を旅することができます。特にフランスとは海峡トンネルでつながっているため鉄道で2時間前後で行くことができます。そのため多くのイギリス滞在留学生が休日に日帰りフランス旅行を楽しんでいます

他のヨーロッパの国々へも飛行機を使えば1~2時間で行くことができます。時間があればのんびりと列車やバスの旅をするのおすすめです。

イギリス留学の種類

イギリス留学にはいくつかの種類があります。留学の目的を明確にしてどのような留学をするべきか選びましょう。

語学留学

英語の習得を目的とした留学です。イギリスの語学留学では英語を学ぶとともに、現地での生活を通してネイティブとの英語コミュニケーション能力を培うことができます。

留学前時点の英語能力については高いに越したことはないですが、語学学校では入門レベルから上級レベルまでクラスが別れていることがほとんどなので、それほど心配しなくても大丈夫です。

短期留学

春休みや夏休みなど長期休暇を利用して1週間〜数ヶ月ほど滞在する留学です。短期留学は時間やお金を多くかけることができない方におすすめします。往復航空券・宿泊・語学学校などすべてパッケージされたプランが豊富にあるので、手間をかけず気軽に行くことができます。

ファウンデーションコース

ファウンデーションコースとは、大学進学準備コースのことです。高校卒業後すぐにイギリスの大学に入学を希望するならば、まずはファウンデーションコースを選択しましょう。コースを無事修了するとイギリスの大学入学資格を得ることができます。

イギリスの大学入学を前提としているので、ファウンデーションコースへ入学するにはIELTSスコア4.5以上(英検準2級〜2級レベル相当)の英語力が必要です。英語力に自信がない場合は語学学校でスキルアップしてからファウンデーションコースに入学する方法もあります。

イギリスの各大学はその大学の専門分野にあったファウンデーションコースを用意していることが多いです。ファウンデーションコースでは専門科目の下地になる科目や一般教養科目を履修するので、ある程度大学で学ぶ分野を決めてから入学しましょう。

大学留学

イギリスの高校では「Aレベル(一般教育修了上級レベル)」「GCSE(中等教育修了一般資格)」といった大学入学資格を取得できます。イギリス以外からイギリスの大学に入学するためにもこれらの資格が必要になります。

日本の高校からイギリスの大学に入学するには一部の資格(国際バカロレアなど)を取得した場合を除いて、ファウンデーションコースに通って大学入学資格を得ることが必要になります。オックスフォード大学やケンブリッジ大学に入学するためには「Aレベル」が必要だといわれているので、志望校に合わせて資格を取得しましょう。

また国内の大学に通う学生は交換留学の制度を活用したり、休学して長期留学したりすることによってイギリスの大学に留学することもできます。日本の高校を卒業してイギリスの大学に入学するよりも比較的簡単かつコストを抑えられるので、国内の大学に一度入ってから留学する方法を検討するのもよいでしょう。

アート&デザイン留学

イギリスは大航海時代を経て世界的な貿易の中心地として発展してきました。その結果、世界各国から美術品や美術家たちが集まるようになり、現在もイギリス国民はアートへの関心が高く、街には美術館やギャラリーなどが数多くあります。今話題のバンクシーもイギリス出身です。

アートやデザインを学ぶためにイギリスに留学する学生はとても多く、その分野もアートや建築、ファッション、ヘアメイクなど多岐にわたります。大学のアートやデザインに関する学部で学ぶ方法もありますし、専門のカレッジに通う方法もあります。

イギリス留学にかかる費用

イギリス留学にかかる費用は、学校やプログラムによって幅があります。ここでは、出発前にかかるものと留学中にかかるものとに項目を分けたうえで解説していきます。

【出発前】往復渡航費

日本とイギリスの往復にかかる費用です。イギリスへの往復渡航費は5万円~20万円と変動幅が大きいです。航空運賃は時期や直行便or経由便で変わってきます。費用を安く抑えるためには6月~9月のハイシーズンを避け、経由便を選びましょう。

【出発前】海外留学保険料・健康診断料

海外留学保険は、留学先で怪我や病気をしたときの治療費や、人の物を壊してしまったときの賠償費、スマートフォンやカメラなど高額なものを破損紛失してしまって修理費が必要になったときなどに役立ちます。万が一のトラブルに備え、必ず加入しておきましょう。

保険料の目安は月1万~3万円です。補償内容によって保険料が変わってくるので必要な補償を吟味して加入しましょう。また、滞在が6ヶ月を超える場合は「NHS(National Health Service)」という国民健康保険への加入が義務付けられます。NHSの保険料は年間で約2.2万円です。

また留学先の学校によっては健康診断書の提出を求められます。内容によって費用は異なりますが、1万~2万円が相場です。

【出発前】パスポート・ビザ申請費

渡航に必要なパスポートやビザを取得するための費用です。12歳以上の人が5年間有効なパスポートを取得する場合は11,000円、20歳以上の人が10年間有効なパスポートを取得する場合は16,000円必要です。

旅行目的の場合はビザ不要ですが、留学を目的としてイギリスに渡航する場合は「学生ビザ」が必要になります。学生ビザは次の3種類です。

■短期プログラムや英語コース(11ヵ月以内)で留学する場合

  • 未成年ビジター・ビザ
    17歳以下かつ6ヵ月未満の留学(アカデミック・ビジター同伴の場合は12ヵ月未満)において申請できます。費用は95ポンド(約13,000円)。
  • 学生ビジター・ビザ
    18歳以上かつ6ヵ月未満の留学において申請できます。英語コース留学に限り、11ヵ月まで滞在可能な「extended student visitor visa(学生ビジター延長ビザ)」を申請可能です。費用は6ヶ月未満の場合97ポンド(約13,000円)、11ヶ月の場合186ポンド(約25,000円)。

■長期留学の場合(大学の交換留学など)

  • Tier 4 未成年学生ビザ
    4歳〜17歳の留学生が申請可能。4歳〜15歳の場合は、私立の小中高校に通わなければなりません。費用は348ポンド(約46,000円)。
  • Tier 4 成人学生ビザ 

大学や専門学校など、16歳以降の教育課程に留学する場合に申請します。費用は348ポンド(約46,000円)。

【出発前】学費

現地の学校に支払う学費です。教科書やタブレットなど教材にかかる費用のほか、ゼミや実地研修に参加する際にかかる費用などさまざまです。現地の学校への入学金や、日本の大学の休学費が必要になるケースもあります。

学費は学校や専攻によって大きく異なります。イギリスの大学はほとんどが公立なのでアメリカに比べると学費が安い傾向にあります。ただし医学部は学費が高く300万円以上かかることもありますので注意が必要です。

各学校の学費(年間)の目安は下記の通りです。

  • 語学学校:80万~200万円
  • ファウンデーションコース:100万~280万円
  • 大学(文系):120万~240万円
  • 理系(理系):150万~300万円

【留学中】居住費・滞在費

留学中の居住費ですが、留学先として人気なロンドンは特に物価が高いです。アパートを借りると月10万~20万円かかります。

居住費を抑えるためにはシェアハウス(月5~10万円)やホームステイ(月10万円前後)を利用するといいでしょう。ホームステイでは食事が提供され、生活費の出費も抑えられます。

【留学中】生活費

生活スタイルや地域によって大きく異なりますが、月10万~15万円が相場です。首都ロンドンは物価が高いのでもう少しかかると考えておきましょう。イギリスはレストランやバーなど外食費が高くつくため、節約したい場合は自炊がおすすめです。スーパーで購入する食品の価格は日本とそれほど変わりません。 

おすすめの給付型奨学金

イギリス留学にかかる費用について紹介してきましたが、やはりある程度大きな出費を覚悟しなければなりません。ただ「こんなに費用を捻出できない」と留学を諦める前に、給付型奨学金を検討することをおすすめします。実際多くの学生が奨学金を利用してイギリスに留学しています。

ここではイギリス留学で利用できるおすすめの給付型奨学金を3つ紹介します。給付型は返還不要の奨学金です。ぜひ参考にしてください。

トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム

日本人が世界で活躍することを支援するために設けられた官民共同の奨学金です。給付金額は留学準備金15万~25万円、奨学金6万~16万円、授業料30万円となっています。

留学期間は28日以上1年以内で、留学中にインターンシップやボランティアなど実践的な活動をすることが求められます。また給付要件として日本の短大や大学等に在籍している必要があります。

公式サイト:トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム

IELTS奨学金

英語検定のIELTSでおなじみのブリティッシュカウンシルが主催している奨学金です。IELTSの成績を入学要件としている大学へ留学する日本在住の学生が対象となります。成績要件はIELTSオーバーオールスコアで6.0以上です。選考に合格すると学費補助として30万円が支給されます。

公式サイト:IELTS奨学金

BCJA奨学金

ブリティッシュカウンシルの日本支社BCJAによる奨学金です。18歳以上の日本在住者のイギリス留学を支援しています。

イギリスの大学や大学院・研究機関などに3か月以上滞在する人が対象で、15万円の奨学金とBCJAの奨学生であることの証明書が授与されます。この証明書があると他の奨学金も受けやすいという特典があります。

公式サイト:BCJA奨学金

イギリス留学におすすめの大学5選

イギリスには教育レベルの高い大学が数多くあります。そのなかでも日本人が留学するのにおすすめの大学を5校紹介します。

オックスフォード大学

世界大学ランキングでも常に上位に入る世界的な名門校です。日本の皇室ともゆかりが深く天皇陛下、皇后陛下、秋篠宮親王が留学をしていたことでもよく知られています。

オックスフォード大学の一番の特徴はチュートリアルです。1~3人の学生に1人の教員が付き個別指導を受けることができます。このチュートリアルを受けるためには週に10冊もの本を読みエッセイを書かなければなりません。とてもハードですがその分幅広く深い知識を得ることができます。

入学難易度はとても高く「Aレベル」や「国際バカロレア」等の資格のほかにIELTSなら最低7.0以上の語学力や面接でのアピール力も必要になります。

公式サイト:オックスフォード大学

ロンドン大学バークベック校

ロンドン大学のカレッジの一つである、ロンドン大学バークベック校。ロンドンの中心部にあり、カフェ・図書館・美術館・映画館に囲まれた都会的な環境でキャンパスライフを送ることができます。夜間コースもあるため、昼間働いて夜大学に通うことも可能です。

公式サイト:ロンドン大学バークベック校

インペリアル・カレッジ・ロンドン

インペリアル・カレッジ・ロンドンは理系に特化した大学で、留学生が全学生の40%を占めています。学生寮が完備されており、24時間オープンしている図書館やカフェがあるなど快適な大学生活が送れます。

キャリア教育にも力を入れているうえ、産業界とのつながりが深く就職率が良いところも多くの人に支持されています。

公式サイト:インペリアル・カレッジ・ロンドン

デ・モントフォート大学

イギリスにある最も大規模な大学の一つです。イングランド中部のレスターにあり、物価が比較的安く生活しやすいことからとても人気があります。

デザインやファッション、建築といった芸術系のコースが比較的人気ですが、日本人は国際関係や英語教育を専攻することも多いようです。また留学生の受け入れに積極的で、学生寮も多数あります。

公式サイト:デ・モントフォート大学

ゴールドスミスカレッジ

ゴールドスミスカレッジは芸術分野に力を入れた大学で、アート界のオックスブリッジ(※)ともいわれています。※名門校であるオックスフォード大学とケンブリッジ大学を指す言葉

特にデザイン分野の評価が高く、卒業生にはマリー・クワントやマーガレット・ハウエルなど著名なデザイナーがいます。ロンドンの南東にキャンパスがあり、ロンドンにしては物価が安いため留学生も多く在籍しています。

公式サイト:ゴールドスミスカレッジ

まとめ

イギリス留学では質の高い教育機関に通えることと、古い歴史を持つイギリスで生活できるという素晴らしい経験をすることができます。学校によって学べる分野と必要な語学力が異なってくるので事前にしっかり下調べをして準備をしましょう。日本の大学によってはイギリスの大学と交換留学をしている場合もあります。イギリス留学がしやすい日本の大学を選ぶというのも選択肢の一つとしておすすめです。

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