高校生は多感な時期のため、青春という言葉で表現されることが多いです。しかしその分傷ついたり悩んだりすることも思春期には多くあると思います。高校生活において恋愛や部活に悩みを持っていたり、勉強に対してやる気が出ないときに助け船となってくれるのが本です。この記事では高校生におすすめの本を高校生活での恋愛・勉強・部活・友情・海外編に分けて紹介します。
【恋愛編】
まず初めに、恋愛に対して前向きな気持ちにさせてくれたり、恋愛のストーリーを通して自分の人生にやる気を与えてくれるような本を紹介します。
君の膵臓を食べたい
2017年に実写映画化、2018年にアニメ映画化された人気の青春小説です。実写映画では浜辺美波や北村匠海などの人気俳優が主演を務め話題となったため、タイトルを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
主人公である「僕」は、クラスメイトである山内桜良(やまうちさくら)の秘密の日記帳を拾ったことをきっかけに彼女が膵臓の病気であり余命が長くないことを知ります。「『山内桜良』の死ぬ前にやりたいこと」に付き合うことになり、正反対の性格の2人が互いに自分には欠けている部分に惹かれ、心を通わせていく物語です。
読み終えた後には今を大切に生きようと思わせてくれる本となっています。
ぼくは勉強ができない
学校で成績が悪いけれど女性にはよくモテる「ぼく」は、ショット・バーで働く年上の桃子さんと恋愛中。学校がどうしても居心地悪く感じる「ぼく」にとって大切なものは学校の外にあり、そんなクールな「ぼく」がときには悩みつつ活躍する高校生青春小説です。
学校が退屈だと感じていたり、学歴を重視する社会に疑問を抱いている高校生にぜひ読んでほしいです。
僕らのごはんは明日で待ってる
兄の死以来、人が死ぬ小説ばかりを読んで過ごす亮太は高校最後の体育祭をきっかけに小春と付き合うことになります。2人はやがて家族になり、食卓を囲うに至るまでの長編作品です。
読み終えた後はこれまで以上に好きな人を大切にしようと思うことができます。
【勉強編】
高校生になると大学や専門学校の受験を考え、勉強に悩む方も多いのではないでしょうか。高校での偏差値は中学での偏差値よりも10低くなると一般的にはいわれているため、中学の頃と同じような勉強では成績は伸びません。ここでは具体的な勉強法を教えてくれる本や実話をもとにした大学受験でのサクセスストーリーについて紹介します。
高校の勉強のトリセツ
高校の勉強での常識や、勉強方法を具体的にイラスト付きでガイドしてくれています。「正しい勉強方法」「ホントに使える参考書」「大学入試の基礎知識」「進路の考え方」「やる気の保ち方」など、受験勉強する上で悩みやすいポイントをおさえることができるでしょう。
予備校に通っていなくて勉強法が分からない高校生や、今の勉強法で思うように成績が伸びないと悩んでいる高校生におすすめです。
勉強大全 ひとりひとりにフィットする1からの勉強法
東大生クイズ王の伊沢拓司が、高校時代下から数える方が早かった成績から東大受験突破に至るまでに実践した勉強法を紹介しています。
「なぜ受験勉強をするのか」「各教科の勉強法」「クイズ王の暗記術」「ノートの取り方」などについて解説されているため、勉強の作法について徹底的に学ぶことができます。
学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話
偏差値30のギャル「さやか」が1人の塾講師「坪田先生」と出会って慶應義塾大学に現役合格するまでの奇跡を綴った本です。
2015年にはビリギャルというタイトルで実写映画化され、主演は人気女優の有村架純が務めました。
坪田先生以外にもさやかの背中を押してくれる友達や、どんなときもさやかを認めてくれていたお母さんなど魅力的な登場人物がたくさん出てきます。逆に弟ばかりに手をかけ、いつもさやかを落ちこぼれ扱いしていたお父さんとの関係にも注目です。
読み終わえた後には「絶対無理」だと思っていたことにも挑戦してみたいと思い、勇気をもらうことができます。
【部活編】
部活動に対して悩みを持つ高校生も多いと思います。同期・先輩・後輩との喧嘩、チーム全体での揉め事は毎日一緒に目標に向かって頑張っているからこそよく起こります。ここではそんな葛藤を描いて、部活を経験した人なら誰もが共感できるような作品を紹介します。
弱くても勝てます 開成高校野球部のセオリー
独創的な監督と下手でも生真面目に野球に取り組む超進学校の選手たちが、東東京予選ベスト16に勝ち進んだ実話を描いた本です。
2014年には「弱くても勝てます〜青志先生とへっぽこ高校球児の野望」というタイトルでドラマ化され、主演は嵐の二宮和也が務めました。
部活でなにか成績を残したいと考えている高校生におすすめです。
幕が上がる
ひとりの教師の言葉をきっかけに全国大会を目指すことになった高校演劇部で、恋や勉強そっちのけに演劇を頑張る高校生たちの物語です。
2015年には人気アイドルももいろクローバーZが主演となり、映画化・舞台化されました。
演劇強豪校からの転入生との人間関係に悩んだり、1つの台詞に葛藤してきた彼女たちだからこそ、幕が上がると同時に目が離せなくなります。
読み終わった後には部活動に対してやる気を持つことができ、「青春っていいなあ」と思えるでしょう。
一瞬の風になれ
高校生になった新二はそれまで続けてきたサッカーを辞めて、陸上を始めました。一流のサッカー選手である兄への複雑な思いや短距離走者として才能のある親友への憧れなど部活動でよくある悩みを描いた心地よい爽快感が味わえる青春スポーツ小説となっています。
スポーツ系の部活をやっている高校生は読み終わった後練習に励みたくなることでしょう。
【友情編】
夜のピクニック
全校生徒が夜通し80キロ歩き通すという高校生活最後のイベント「歩行祭」を通して、甲田貴子は親友にも言えなかった秘密を精算していた。第二回本屋大賞を受賞した青春小説です。
高校時代は甘酸っぱくかけがえのないものであり、そのときの友達は大切な存在であるということを確認させてくれるような作品です。
ハリネズミは月を見上げる
引っ込み思案な高校生・鈴美が凛とした雰囲気を持つ同級生の比呂と出会い、2人の少女が悩みながら成長する姿を描いた青春小説です。
同年代の感想として「登場人物が不器用ながらも懸命に自分のことを話す場面に目頭が熱くなった」「言葉の暴力が問題になっている現代に向けた本」「鈴美と比呂ような関係の友達を作りたい」という声があげられていました。
桐島、部活やめるってよ
学校一の人気者である生徒・桐島が部活を辞めたことから校内の人間関係に少しずつ波紋が広がっていき、全く関係のないはずのだれかの日常までもを変えていく青春群青劇です。
2012年には実写映画化され、主演は人気俳優の神木隆之介が務めました。
スクールカーストや全校集会のざわめき、女子グループの因縁など誰もが感じたことのあるもやっとした瞬間を丁寧に描いています。
高校生なら共感せざる負えない作品ですし、「学校の中で自分の地位を築くことだけが幸せではない」という気持ちになれる一冊です。
【海外編】
最後に海外の小説も紹介します。海外で同世代の若者たちがどう生きていたのかを知るためにもぜひ読んでみてください。
ライ麦畑でつかまえて
主人公である16歳のホールデンが、クリスマス前のニューヨークをめぐって、社会に対する不満や無垢なものへの憧れを吐き、その狭間で揺れる青春物語です。
1951年に発表され、累計発行部数は6000万超。日本でも4人の翻訳者によって翻訳され続けている不屈の名作です。
レビューの中には「自分も主人公のように大人に対してなんでも反発した時期があってかなり共感した」という声もありました。
わたしを離さないで
イギリスで「提供者」たちの世話をする31歳の介護人であるキャシーは自分の育った施設・ヘルシーシャムで暮らした奇妙な少女時代や卒業後を回想し、自分たちの秘密を紐解いていくSF小説です。
2006年には全米で12歳から18歳までに薦めたい大人の本10冊であるアレックス賞を受賞しました。また2010年に映画化、2014年に舞台化、2016年にドラマ化されています。
悲しい話ではあるのですが、その中でも主人公と主人公の友人たち2人が、理不尽さに苦しみながらも最後まで生き抜く様子がまぶしい青春小説です。
風をつかまえた少年
世界最貧国のマラウイで少年が図書館に通い詰め物理とエネルギーの法則を学び、自宅に風力発電装置を作る話です。
読み終えた後には努力や探求することの素晴らしさを感じ、なにかに打ち込みたくなるでしょう。
まとめ
この記事では高校生におすすめの本を恋愛編・勉強編・部活編・友情編・海外編にわけて紹介しました。本を読むことで共感できたり価値観を広げることができ、その結果悩みが解決できたり勇気を持つことができます。今回おすすめした本を読むことで高校生の人の悩みが少しでも解決され、なにかへのやる気に繋がれば幸いです。