医学部を目指す学生にとって、学校ごとに偏差値や受験倍率を比較することは志望校選びにおいて欠かせません。受験だけではなく、卒業までにかかる学費や、国家試験の合格率、学生の男女比など総合的に比較し、自分の現実と理想のラインを探ることが大切です。
今回は、各項目別に大学の医学部をランキング形式で紹介します。
※データ参考:医学部受験マニュアル
医学部受験の傾向と対策
まずは、近年の医学部受験について、特徴的な傾向や対策について解説します。
全体の受験者数は減少している
全体の受験者数は、ここ2~3年にかけて減少傾向にあります。
2018年に話題になった医学部不正入試による影響が大きく、多浪生や女子学生に対する不透明な採点方法が問題となり、受験を避ける人が増えたのが原因です。
定員数も減少している
受験者数の減少に伴い、募集定員数も減少傾向にあります。
東北や九州など近年大規模な災害が発生した地域や、常に医師不足に悩まされている地方都市では定員を増やしている大学もあります。
しかし、首都圏や都心部にキャンパスを置く大学では、軒並み定員を減らしています。その分受験争いは熾烈を極め、人気校の倍率がどんどん上がっているのも特徴です。
偏差値は上昇している大学が多い
受験者数と定員数は減少しているものの、偏差値は上昇している大学が多いです。
不正入試のニュースに関わらず「医師を目指す」という強い夢を抱いている学生による受験が増えたことや、人気校の倍率が上がることでそれに対応する受験生の偏差値も上昇していることが理由として挙げられるでしょう。
人気校を目指すのであれば、学校ごとに独自の対策を練るのが不可欠です。
国公立大学医学部 偏差値ランキングTOP5
まずは国公立大学医学部の偏差値ランキングTOP5を紹介します。
1位:東京大学
東京大学理科三類(医学部)の偏差値は、74.8です。
世界的な指標のひとつである大学評価「QS世界大学ランキング」において、常に日本1位に輝く東京大学が、医学部の偏差値ランキングでも1位を獲得しています。
東京大学の場合、「医学部」を選択して入学するのではなく、「科類」を選択して入学します。文科一〜三類、理科一〜三類の中から選択し、前期課程終了後に専門分野をもう一度選択し直します。前期課程で学ぶ内容にも差があるため、医学を選考したい人のほとんどは理科三類を選択します。
2位:京都大学
京都大学医学部の偏差値は、74.2です。
関西の有名私立校や進学校の卒業者が多く集まっています。
2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授が在籍していることもあり、以降さらに注目が集まりました。4年次からの研究室配属後に海外研修に行く機会があるなど、世界の最先端医学に触れるチャンスを手にできます。
3位:大阪大学
大阪大学医学部の偏差値は、72.3です。
医学部に限らず、理学部や工学部など理系全般の評判が高い大阪大学。
他大学と比較して、臨床医ではなく研究医になる割合が高く、質の高い学びや研究の基礎となっています。また、歴史が長いため提携している病院の数も多く、実際の症例を目にしながら学べるのも大きなメリットです。
4位:九州大学
九州大学医学部の偏差値は、69.3です。
九州地方で最も規模の大きな大学であり、附属病院へのアクセスがよい大学です。
多くの大学と異なり1年次の間は徹底して基礎教養科目を行い、2年次から医学部ならではの専門科目がスタートします。また、4年次で一度休学して付属の大学院に進学することで、卒業時に学士と博士の両方の資格が得られるカリキュラムも用意されています。
5位:東北大学
東北大学医学部の偏差値は、69.1です。
「研究第一」の理念を掲げ、研究医を目指す人の受験が多いのが東北大学です。
キャンパスが仙台に位置しているということもあり、東日本大震災以降、特に「地域医療」の学びに力を入れるようになりました。専門に関わらず医学部生全員が受講する必須科目に据えられ、地域医療を担う根幹の要素や、被災地支援・海外支援についても理解を深めます。
私立大学医学部 偏差値ランキングTOP5
私立大学医学部の偏差値ランキングTOP5を紹介します。
1位:慶応義塾大学
慶應義塾大学医学部の偏差値は、71.8です。
毎年高い偏差値を誇り、公立進学校、私立中高一貫、浪人生など多様な学生が集まります。
都内に限らず日本全国に卒業生がいるため縦横のつながりが強く、研修や就職において有利になる場合があります。3年次から本格的に臨床医学や実習科目が一斉に始まるため、研究発表も重なって忙しくなることが予想されます。
2位:東京医科大学
東京医科大学医学部の偏差値は、71.7です。
医学科と看護学科しか置かない「医科単科大学」として知られているのが、東京医科大学です。
新宿駅からほど近い抜群の立地や、6年間の学費が私立大学医学部のなかでは10番目に安いことから、一定の人気があります。
3位:東京慈恵会医科大学
東京慈恵会医科大学医学部の偏差値は、69.3です。
自由な校風が特徴で、詰め込み教育や上下関係をなるべく排除した学びの場を提供しているのが特徴です。
国家試験の合格率は例年高く、都心一等地に立つキャンパスも特徴で、のびのびと学びを深めたい学生から毎年安定した人気があります。
4位:順天堂大学
順天堂大学医学部の偏差値は、69.2です。
医学部、スポーツ健康科学部、医療看護学部、保健看護学部、国際教養学部、保健医療学部を置いており、医科単科で学べます。
1年次は全員、千葉県酒々井駅近くの寮で生活することが義務づけられており、2年次から御茶ノ水駅近くの本郷キャンパスに移ります。指導教員からの手厚い教育指針が個別に示されるのも特徴的で、進級や国家試験合格に向けて二人三脚で進めます。
5位:国際医療福祉大学
国際医療福祉大学医学部の偏差値は、66.0です。
栃木県にある医科単科大学で、保健医療学部、医療福祉学部、薬学部、医学部などを置いています。
2016年に医学部が新規開設されたばかりで、海外からの留学生も積極的に受け入れているのが特徴です。海外での就職、青年海外協力隊、日本赤十字社などへの就職も視野に入れており、語学を身に付けながら医学の道に進みたい人におすすめです。
倍率が高い国公立大学医学部(前期)ランキングTOP5
倍率が高い国公立医学部(前期)のランキングTOP5を紹介します。
1位:旭川医科大学
旭川医科大学医学部(前期)の倍率は、8.1倍です。
北海道旭川市にあり、医学部のある大学で日本最北端に位置しています。
入学者の半数近くが北海道出身者であり、道内を進学先に見据えている学生による人気が高いため、倍率が高くなっています。
2位:奈良県立医科大学
奈良県立医科大学医学部(前期)の倍率は、8.0倍です。
奈良県唯一の医学部があり、医学部医学科と医学部看護学科だけを置いています。
医師不足や基幹病院の整備遅れに悩む奈良県にとって若手医師を育てることは急務であるという意識のもと、社会人入試を行わず、県内高校の卒業生や県内在住者を対象とした入学枠を設けるなど独特の方針から、倍率が高くなっています。
3位:岐阜大学
岐阜大学医学部(前期)の倍率は、7.2倍です。
総合大学でありながら通年同じキャンパスに通えることと、名古屋駅から近いという利便性が評価され、倍率が高くなっています。
他大学と比較して救急実習が充実しており、地震・台風・大規模や火事や事故を想定した訓練やD-MAT教育を行っているのも特徴です。
4位:弘前大学
弘前大学医学部(前期)の倍率は、7.0倍です。
原子力発電所やその関連施設との連携が強く、放射線科を専攻したい学生から人気が高いです。
また滑り止め校としても人気が高い一方、入学後の実習や研究の評価基準が厳しく設けられ、きちんと対策していないと留年するリスクもあります。
5位:福島県立医科大学
福島県立医科大学医学部(前期)の倍率は、6.8倍です。
6年間同じカリキュラムや基本となる知識・技術について複数回学ぶ機会が設けられ、実践力重視の教育を行っています。
医学部と看護学部のみの医科単科大学であるため設備が充実していますが、最寄り駅からのバスがなく、福島駅からバスで30分という立地であることも影響して、ほとんどの学生は大学近くのアパートで一人暮らしする必要があります。
倍率が高い国公立医学部(後期)ランキングTOP5
同じく、倍率が高い国公立医学部(後期)のランキングTOP5を紹介します。
1位:広島大学
広島大学医学部(後期)の倍率は、11.2倍です。
パソコンやタブレットを駆使した教育が特徴的で、デジタル端末購入の際には補助が得られたり貸与を受けられたりします。
最先端の医学に触れるための、ITを活用する能力の育成に注力しており、受験生からの人気を博しています。
2位:佐賀大学
佐賀大学医学部(後期)の倍率は、9.3倍です。
西日本において最も偏差値が低く、滑り止めや第二志望としての人気が高いです。
一方、全国の国公立医学部のなかで最も女子学生の比率が高く、法医学や循環器内科の分野に詳しい指導教員が多いことでも有名です。家賃相場や物価も比較的安めなので、入学後の生活もしやすいでしょう。
3位:旭川医科大学
旭川医科大学医学部(後期)の倍率は、8.6倍です。
北海道旭川市にあり、医学部のある大学で日本最北端に位置しています。
入学者の半数近くが北海道出身者であり、道内を進学先に見据えている学生による人気が高いため、倍率が高くなっています。
4位:香川大学
香川大学医学部(後期)の倍率は、7.4倍です。
社会人入試や留学生の受け入れも積極的に行っており、多様な学生が集まっています。
海外の姉妹校や提携大学が多く、短期留学の機会も多く設けられており、世界の医学を学べる環境が整っています。そのため、将来海外で働きたい学生からの人気が安定して高い傾向にあります。
5位:鳥取大学
鳥取大学医学部(後期)の倍率は、7.1倍です。
医学の知識や実技を身に付けることのみにこだわらず、障害のある人や高齢者、幼児に至るまでさまざまな人とコミュニケーションを取れる医師の育成を目指しています。
手話や筆談、年齢による特徴などを細かく抑えることで、現場で患者と密に意思疎通を図れるようカリキュラムが組まれており、毎年高い倍率になっています。
倍率が高い私立大学(一般)ランキングTOP5
次に、倍率が高い私立大学(一般)のランキングTOP5を紹介します。
2021年1月からはセンター試験に代わって「大学入学共通テスト」が行われますが、センター試験同様、大学入学共通テストでの点数を入学の基準として設けている大学は少なくありません。参考指標の一つとしてみてください。
1位:金沢医科大学
金沢医科大学医学部(一般)の倍率は、108.2倍です。
医療シミュレーターや症例画像を豊富に提供するメディアセンターなど医療系設備に加え、図書館の蔵書数やいつでも混雑なく使える自習室など、教育設備も豊富に整っています。
非常に高い学費でも有名で、6年間で4,000万円近くかかります。
2位:久留米大学
久留米大学医学部(一般)の倍率は、71.1倍です。
1年次後半から専門科目を学べるため、国家試験までの勉強時間が確保しやすく人気を得ています。
福岡にありながら一部東京での受験も可能であるため併願しやすいという特徴があります。一方、十分に知識と技術を備えた人のみを輩出したいという意向が強く、成績が芳しくない学生に対しては国家試験の受験を1年先送りにするケースもあります。
3位:関西医科大学
関西医科大学医学部(一般)の倍率は、67.0倍です。
講義資料をデジタル配布したりシミュレーションセンターを備えたりするなど、ITを活用した教育で注目を浴びています。
都心からの好アクセスと新しい校舎から学生の人気が高く、付属病院への移動や学生生活をするうえでも非常に便利なのが特徴です。
4位:近畿大学
近畿大学医学部(一般)の倍率は、56.1倍です。
1年次から医学専門教育を行い、比較的早く臨床実験や体験実習ができます。
2年次以降に専門科目が始まることの多い他大学に比べて、国家試験の日まで十分な学習時間を確保できます。一方、進級試験が他大学と比較してかなり厳しいといわれています。
5位:日本医科大学
日本医科大学医学部(一般)の倍率は、49.2倍です。
慶応義塾大学、東京慈恵会医科大学と並ぶ、私立医大の「御三家」と呼ばれています。
「臨床医の育成を目指す」ことを理念に掲げ、ICTを積極的に活用し使った最先端の教育を行い、現場で役立つ実学中心の学びを深めていきます。
倍率が高い私立大学(センター利用)ランキングTOP5
同じく、倍率が高い私立大学(センター利用)のランキングTOP5を紹介します。
1位:帝京大学
帝京大学医学部(センター利用)の倍率は、103.7倍です。
救急医療教育が充実しており、提携病院に全科の医師が常駐しているという環境に恵まれています。
医学を極めるに十分な環境や設備が用意されている一方で、進級試験は非常に厳しく、2年連続同じ学年で留年してしまうと、「放校」(退学や除籍と同等)と呼ばれる処置を取られることもあります。
2位:東海大学
東海大学医学部(センター利用)の倍率は、81.7倍です。
総合大学ならではの強みを活かし、学部横断型の授業を展開することで、医学のみに偏重しない学びを深められます。
複数学部の学生が集まりゼミや研究室を構成することで広い視野が身に付けられ、医療分野に関してはユニット単位での研究を奨励するなど、広く深く学べる環境が整っています。
3位:順天堂大学
順天堂大学医学部(センター利用)の倍率は、46.2倍です。
偏差値ランキングでも毎年上位に食い込み、学校の名前がブランドとして確立されています。
スポーツで有名なこともあり、陸上競技や体操をはじめとしてさまざまな運動ができる設備が整っています。勉強のみならず部活と両立したい学生からも人気があります。
4位:日本医科大学
日本医科大学医学部(センター利用)の倍率は、38.2倍です。
一般入試同様、センター利用入試のランキングにも入っています。
持ち出しや授業時間外の閲覧が厳しく制限されることの多い患者カルテを学生用にアレンジすることで、時間や場所に左右されない自主的な学びを後押ししています。「勉強しやすい環境」が評価され、人気が高まっている大学です。
5位:国際医療福祉大学
国際医療福祉大学医学部(センター利用)の倍率は、29.3倍です。
2016年に新設されたばかりの医学部として注目を浴び、人気を得ています。
入学直後から専門科目を学ぶことができ、医師を目指すモチベーションの高い学生や、早い段階で医療に関する知識を学びたいと考える学生から評判が高いです。
学費が安い私立大学医学部ランキングTOP5
次に、学費が安い私立大学医学部のランキングTOP5を紹介します。
1位:国際医療福祉大学
国際医療福祉大学医学部の学費(6年間)は、約1,910万円です。
「医学部=高い学費が必要」と考える学生の助けとなっており、海外から学びにくる留学生も多く、各種奨学金も豊富に用意されているのが特徴です。
2位:順天堂大学
順天堂大学医学部の学費(6年間)は、約2,080万円です。
十分な教育設備や提携病院があり、偏差値も学生人気も高いです。
1年間は寮生活が必須ですが、その分一人暮らしする際の生活費や食費を抑えられるというメリットもあります。都心部で暮らす家賃を節約したいと考える学生からの人気も高いことが分かります。
3位:日本医科大学
日本医科大学医学部の学費(6年間)は、約2,200万円です。
提携病院に就職し一定年数働くことで奨学金の一部について返済を免除してもらえるシステムも整っており、将来まで見据えて医学部を選択する学生にとっては大きなメリットとなっています。
4位:慶応義塾大学
慶應義塾大学医学部の学費(6年間)は、約2,206万円です。
医学部に関わらず各学部ともに高い偏差値を誇り、毎年多くの学生が入学するからこそ学費を抑えられているのが慶応義塾大学です。
卒業生や保護者からの寄付も多く、教育設備や医療施設に十分な投資ができるだけの余裕があるため、安めの学費であっても不足ない教育環境が整っています。
5位:東京慈恵会医科大学
東京慈恵会医科大学医学部の学費(6年間)は、約2,286万円です。
各種補助金や支援金を上手く活用することで、学生にかかる負担を軽減しています。
卒業生との縦の繋がりが強く、学びの環境だけではなく研究・開発に関する十分な設備を保有しています。そのため研究発表や学術論文作成の機会も多く、奨学金や貸与金のチャンスも豊富です。
国家試験合格率が高い医学部ランキングTOP5
次に、国家試験合格率のランキングTOP5を紹介します。
1位:自治医科大学
自治医科大学医学部の国家試験合格率は、100.0%です。
各都道府県が協賛しあって設立したという背景から、各県から数名しか合格枠を設けていないという特殊な選抜方法を採用しています。
卒業後最低でも9年間は出身都道府県の公務員として病院勤務をする必要があり、就職先を自由に選びにくい一方、高い国家試験合格率と安定した就職を望めるのが強みです。
1位:大阪医科大学
大阪医科大学医学部の国家試験合格率は、100.0%です。
希望すれば1年次から医学研究室に入り、教員や院生と共に学べます。
先輩と縦のつながりが強いため国家試験に関する情報を得やすく、関西の他大医学部との横連携も取れているため、さまざまな情報を得やすいのが特徴です。
1位:産業医科大学
産業医科大学医学部の国家試験合格率は、100.0%です。
国家試験対策講座や過去問分析講座が多く開かれています。
1年次から6年次までの全学年において産業医学に関する講座を受けられるうえ、企業専属で働く産業医のもとで研修できるのも特徴です。
4位:順天堂大学
順天堂大学医学部の国家試験合格率は、99.2%です。
高い偏差値に見合った国家試験合格率を出しています。
国家試験の過去問や模範解答に対する徹底した指導があるのも特徴で、教員や事務員による徹底したサポートのもとで医師を目指せます。
5位:東京医科歯科大学
東京医科歯科大学医学部の国家試験合格率は、98.2%です。
「エビデンス教育」に力を入れており、臨床統計や過去の症例データを分析しながら最新の医療を学んでいきます。
また、世界的に話題になっているトピックスを取り上げながら議論形式で行う講義も多く、自発的に考える思考能力も育めます。
男子率が高い医学部ランキングTOP5
次に、男子率が高い医学部ランキングTOP5を紹介します。
1位:山梨大学
山梨大学医学部の男女比率は、79:21です。
後期日程しか一般入試の枠を設けておらず、滑り止め校として人気が高いことから倍率も高くなっています。
筆記試験の結果を最重視するため浪人生や社会人など再受験生にとってもチャンスが大きく、多浪してでも医学部に合格したいと考える男子学生による出願が多いのが特徴です。
2位:東京大学
東京大学理科三類(医学部)の男女比率は、78:22です。
医学部最高峰として名を知られ、東京大学にこだわって受験する人も多数います。
滑り止め校をほぼ受験せず単願で受験する学生も多く、浪人することも少なからずあるため、男子学生からの人気が高いといえるでしょう。
2位:金沢大学
金沢大学医学部の男女比率は、78:22です。
1年次の段階で「メディカルリサーチトレーニングプログラム」を採用しており、医学研究に精通した教員陣から直接研究医としての知識や技能を学べます。ストレートで卒業する学生も多く、研究医を志す学生が多く集まります。
4位:東北医科薬科大学
東北医科薬科大学医学部の男女比率は、76:24です。
医学部と薬学部のみを置き、もともとは薬学専門学校として設立されました。
医学部は2016年に新設されたばかりで、特に東日本大震災で疲弊した東北地方の医療を担う人材の育成を目的としています。そのため、東北地方での就職を条件にした独自の修学資金制度があるのも特徴で、東北で働くことを目指す学生から高い人気があります。
4位:大阪市立大学
大阪市立大学医学部の男女比率は、76:24です。
2019年に大阪府立大学と統合し、どちらのキャンパスも活用できる医学部として知られています。
臨床実技のシミュレーター設備がある数少ない国公立大学でもあり、現場に出る前に十分な練習を積める大学として注目を浴びています。また、希望すれば海外の大学病院で実習を受けることもでき、多くのチャンスに恵まれています。
女子率が高い医学部ランキングTOP5
最後に、女子率が高い医学部ランキングTOP5を紹介します。
1位:東京女子医科大学
東京女子医科大学医学部の男女比率は、0:100です。
世界的にも珍しい女子医科単科であり、受験生を女性に限定しています。
女性教育の先駆者としての立ち位置を明確にすると共に、女性医師のキャリア確立の先駆けに貢献しています。また、臨床と研究どちらについてもバランスよく学べる環境が整っており、自分が希望する進路や成績に合わせて自由に学びを広げられるという特色があります。
2位:岩手医科大学
岩手医科大学医学部の男女比率は、50:50です。
男女比がちょうど半々くらいであり、地域医療に根差した学習を根幹としています。
地方大学にしては珍しく出身地域を指定しない推薦枠を盛んに確保しているほか、首都圏や主要都市で入試を全て完結できる制度を取っており、併願しやすいのが特徴です。また、早期からPBL(問題解決学習)を採用しており、カリキュラムの枠に縛られない自由で柔軟な学びができる風土が整っています。
3位:佐賀大学
佐賀大学医学部の男女比率は、56:44です。
国公立医学部のなかではもっとも女子学生の比率が高いです。
生活習慣病に関する研究が盛んに行われており、「病気を治す」ためだけではなく「病気に罹らない」ための医療知識を培えます。高齢化社会が進むことで健康寿命が注目されるようになった昨今、特に注目を浴びている大学です。
4位:旭川医科大学
旭川医科大学医学部の男女比率は、57:43です。
北海道や東北出身の学生からの人気が根強く、あまり実家から遠く離れない範囲で進学したいと考える女子人気が高いです。
各学年に1名の教員が生活サポート担当としてついてくれるのが特徴的であり、学業以外の相談にも気軽に応じてくれます。また、キャリアや就職について相談できる臨床系教員もおり、手厚いサポートを受けられるのが特徴です。
5位:北里大学
北里大学医学部の男女比率は、58:42です。
細菌学者として有名な北里柴三郎の名を取って創設されました。
医療系総合大学として有名であり、医学のみならず、薬学、医療衛生学、看護学、獣医学、をはじめとし、理学や化学の道を極めたい学生が多く集まります。その特色を活かしチーム医療を学ぶ機会も置く、実践的な勉強ができます。
まとめ
医学部入試には毎年多くの学生がチャレンジすることもあり、高い偏差値、高い倍率が壁となって涙を流す人も少なくありません。早期のうちから志望校をある程度絞り込み、入試を見据えた対策を練っていくことが欠かせないでしょう。
1年生のうちからオープンキャンパスや体験講義に参加してみるなど自分なりの行動を行い、少しずつ受験に向けてモチベーションを高めていくことも大切です。