勉強していて、ついウトウトしてしまった経験はありませんか。眠気をこらえて勉強しようとしてもなかなか集中できず、結果的に何も進まないまま時間だけが過ぎていくなんてことを経験した人も多いはずです。なかには、効率よく勉強できていないことが成績に響き、点数や偏差値が下がってしまった人もいるでしょう。
そこで今回は、勉強中に眠いと感じる理由や対処法を紹介します。効果的に仮眠を取って集中力を高める方法解説しますので、悩んでいる人は参考にしてみてください。
勉強中に眠いと感じる理由
まずは、勉強中に眠いと感じる理由を知りましょう。眠気が発生するメカニズムが分かれば、対処法を見つけやすくなります。
睡眠不足
そもそもの睡眠時間が足りておらず、慢性的な睡眠不足に陥っているケースです。
睡眠不足になると、勉強への集中力を維持するのが難しくなってしまいます。授業中に居眠りすることも増え、勉強についていけなくなってしまうでしょう。
そんな自分に焦りを感じ、なんとか遅れを取り戻そうと夜遅くまで勉強してまた寝不足になる、という「負のスパイラル」に陥ってしまうこともあります。
まずは、自分の睡眠時間が足りていないか、確認してみましょう。高校生の理想的な睡眠時間は7~8時間です。
栄養不足
カロリー不足・栄養バランスの偏りなど、栄養不足が起こると眠くなりやすくなります。
例えば、タンパク質や鉄分が不足すると貧血になりやすく、常時なんとなく眠いような感覚に襲われます。また、ナトリウム不足による低ナトリウム血症も、眠気を引き起こしやすいです。
まずは、栄養バランスを意識しながら3食しっかり食べましょう。眠いから、面倒だからと朝食を抜いている人や、ダイエット中で食事制限をしている人は、要注意です。
酸素不足
酸素不足により脳の動きが鈍くなり、眠いように錯覚することもあります。
ここでいう酸素不足とは、呼吸が苦しくなるような酸素不足ではありません。自分でも気づかないレベルで二酸化炭素の濃度が高まり、体の隅々まで十分な酸素が行き届かず、ぼーっとしたような感覚になる酸素不足のことだと捉えましょう。
解決策は、定期的に部屋の換気をすることが効果的です。新鮮な空気を入れ、気持ちもフレッシュにしながら勉強に臨みましょう。
刺激不足
同じような行動をずっと繰り返すと、どうしても眠くなってしまう人は多いものです。これは勉強に限らず、同じ映像を見続けたり、同じ音楽だけを聞き続けたりすることでも起こります。
刺激不足による眠気であるため、勉強の方法や場所を見直すことがおすすめです。
生体リズムによる影響
生体リズムによる影響で、どうしても眠くなりやすい時間帯が発生します。
就寝開始から15時間後が最も眠くなりやすいタイミングであり、24時に寝た場合は翌15時に眠気のピークがやってくるでしょう。
また、深夜2~4時も同様に、夜型生活の人でも眠くなりやすい時間帯として知られています。
まずは生体リズムを知り、自分が眠くなりやすい時間帯を見つけるのがよいでしょう。
その時間帯に勉強以外のことをして気晴らしすれば、前後の集中力が上がりそうです。
眠気を飛ばす9つの方法
次に、眠気を飛ばす方法を紹介します。勉強中に眠くなった人や、普段から眠くなりやすい人は、試してみましょう。
教科を変える
脳に刺激を与え続けるためにも、定期的に教科を変えるのがよいでしょう。
または、単語の暗記から長文問題に切り換える、計算問題から図形問題に切り替えるなど、科目内で変化をつけることもおすすめです。
長くても90分単位で教科を変え、飽きない工夫を凝らすことがポイントです。
場所を変える
勉強をする場所を変えることも、脳へ刺激を与える手段として効果的です。
家で勉強するだけでなく、学校・塾や予備校・図書館・公民館・カフェ・ファミレスなど、自分に合った場所を探していきましょう。
家・学校の近所やよく行くエリアでお気に入りの勉強場所を複数見つけておけば、どうしても集中できない日に取る選択肢が広がります。
ゲーム形式で勉強する
ゲーム形式で勉強することも、飽きずに長く続ける方法としておすすめです。
例えば、「10分以内で5問解き終える」「リスニングに含まれる単語をいくつ書き取れるか記録する」など、自分の限界に挑戦するような勉強をするのがよいでしょう。
また、ゲーム色の強いスマホアプリを使って勉強したり、友だちと正解数を競ったりする方法もあります。勉強に遊び要素を取り入れられれば、自然とモチベーションも上がりそうですね。
部屋の換気をする
定期的に部屋の換気をして、酸素を取り入れるようにしましょう。
外の空気を感じたり部屋の温度を変えることも、刺激になるためおすすめです。
こまめに時間を計りながら換気するのが面倒な場合、風通しのよい場所で勉強したり、窓を開けた状態のまま勉強するのも効果的です。湿度にも気を配れれば、より快適な勉強空間となるでしょう。
ストレッチをする
集中力が落ちている、疲れていると感じたときには、ストレッチをして気分を入れ替えましょう。
ずっと座っていると血行が悪くなりやすいため、脳に酸素が行き届かず、眠気を誘う原因となります。その場で背伸びをする、肩をぐるぐる回す、足をぶらぶらさせるなど、数分でできるもので問題ありません。
体を動かして交感神経を刺激できるよう丁寧にストレッチすれば、眠気覚ましとして最適です。
運動・散歩しながら勉強する
特に眠気が強くなりやすい時間帯には、運動や散歩をしながら勉強することも検討しましょう。
例えば、散歩しながら英単語を聞いたり、ストレッチしながら歴史の解説動画を見る方法があります。
同時に複数のことをするとひとつの事柄に割く集中力が下がるように感じられますが、眠気に負けて中途半端な状態で勉強するよりも、目の前のことに意識を向けやすくなるのです。
洗顔する・シャワーを浴びる
洗顔したりシャワーを浴びたりして、リフレッシュする方法です。水温を少し冷たくすれば交感神経を刺激しやすく、集中力の高い状態を維持できます。
ずっと座りっぱなしになりやすい勉強中に、立ち上がって洗面所に行くだけでも少しリフレッシュになるため、試してみましょう。
人と会話する
人と会話しながら勉強し、眠気を感じる暇をなくす方法です。友だちと通話を繋いだ状態にしてお互い鼓舞しあったり、定期的に先生に進捗状況を報告したり、誰かとコミュニケーションを取るのがよいでしょう。
ただし、会話に夢中にならないよう注意する必要があります。最初は勉強の話をしていても、いつの間にか趣味や部活の話ばかりに夢中になってしまう場合、狙い通りの効果は得られません。
短い仮眠を取る
脳の疲労回復や思考整理のため、思い切って仮眠をする方法です。眠い気持ちを抑えて無理矢理勉強するよりも、気持ち的な満足も得やすくなるでしょう。
また、寝ている間に思考が整理され、次に何の勉強をするべきかはっきりすることもあります。「勉強中に寝てはいけない」という前提を一度見直し、効果的な仮眠を挟むこともおすすめです。
効果的な仮眠を取る方法
最後に、効果的な仮眠を取る方法を紹介します。うっかり寝すぎてスケジュール通りに勉強が進まなくなったり、夜眠れなくなるくらい生活リズムを乱したりすることのないよう、対策していきましょう。
仮眠時間は15分程度
長く寝すぎてしまうと、却ってより眠気が増してしまうことがあります。脳が「睡眠を邪魔された」と感じてしまわないよう、短時間の睡眠に留めておくことが大切です。
目安として、15分程度で仮眠するよう意識してみましょう。短時間集中型で仮眠できるよう、アラームをセットしてから寝ることがポイントです。
布団やベッドで仮眠しない
意図せず熟睡することを避けるため、布団やベッドには入らないようにします。机のうえで突っ伏す、椅子やソファーにもたれかかるなど、体を起こした状態で仮眠しましょう。
起きてから次の動きをするまでのハードルが低くなり、スムーズな目覚めを体感できます。また、仮眠後にストレッチなどをすれば、より意識が明瞭になります。
光を遮断する
短時間集中して仮眠するために、光は遮断しておきます。部屋の明かりを消す、カーテンを閉める、アイマスクを使うなど、明るい光を目にしないよう意識してみましょう。
外にいるときは、周りの迷惑にならない範囲で突っ伏したり顔を伏せたりするのが効果的です。
少しだけ雑音を取り入れる
完全な無音状態より、少しだけ雑音を取り入れるのがおすすめです。音を拾おうとする脳の働きを抑えられるため、疲労回復に貢献してくれます。
あまりにも周りの雑音が大きすぎて眠れないようでは問題ですが、窓を開けて外の音を取り入れる程度であれば、問題ありません。イヤホンや耳栓をして勉強している場合、外してから仮眠に臨みましょう。
まとめ
頭では勉強したいと思っていても、体が眠りたがっていると、ギャップに悩まされてしまう人も少なくありません。「寝たくないのに寝てしまった」「また予定通りの勉強ができなかった」と自己嫌悪に陥ってしまい、不必要な焦りを感じることもあるでしょう。まずは自分の眠りの原因が何にあるのか、見極めることが重要です。
そのうえで仮眠を含めた眠気対策をおこない、集中力を高める取り組みをしていきましょう。