キャリアとは何か?関連用語やキャリアデザインの基本を解説

Edv Magazine 編集部

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キャリアとは何か?関連用語やキャリアデザインの基本を解説

「キャリア」という言葉をよく耳にするけど、具体的にどういう意味なのかよくわからない、ということはありませんか?正しいキャリアデザインの設計・キャリア分析などを行うことは、仕事だけでなく人間力も養うことができます。

この記事ではキャリアとは何かや関連用語、キャリアの分析方法などを解説します。高校生のうちからキャリアについて深く知ることは、進路決定や今後の取り組み方、将来に役立ちますので、ぜひ読んで参考にしてみてください。

キャリアとは?関連用語も理解しよう

まずは「キャリア」という言葉についてしっかりと理解しましょう。キャリアに関連するさまざまな用語についても後述しますので、意味を理解し、キャリアに関する話についていけるようにしてください。

そもそもキャリアとは

厚生労働省が提唱するキャリアの概念は「過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すもの」。仕事やこれまでの経歴だけでなく、それに伴うその人の「生き方」もキャリアの1つだと定義づけられています。

つまり、本来の意味でのキャリアは「仕事への取り組みのなかで知識や技術を身に付けることに加え、プライベートや人間性を含めた生き方そのものを磨いていく」ということになります。

キャリアにはさまざまな意味がある

「キャリア」という言葉には前述のような定義がありますが、私たちが日常で使用する“キャリア”は本来とは異なる意味を含んでいることも多々あります。

たとえば就職や転職の際の“キャリア”は「仕事の経験や経歴」のことですし、“キャリアウーマン”は「バリバリ仕事ができる女性」、“キャリア官僚”は「幹部候補として採用された国家公務員」を指します。

キャリアは主に仕事に関する場面で使用され、その際は本来のキャリアが持つ「人間性」には触れず、職務経歴や持っている知識・技術・地位などに関するポジティブな印象を与えることが多いといえます。

キャリアの関連用語

仕事に関わる場面では「キャリア」という言葉単体ではなく、「キャリア〇〇」「〇〇キャリア」といった関連用語のほうがよく使用されます。

ここからは、キャリアの関連用語の意味を、例文と共に紹介します。

キャリアアップ

キャリアアップとは、報酬や地位、仕事内容が今よりもランクアップすることです。

例文①:Aさんはキャリアアップのために転職活動を始めた。

例文②:必死に勉強したおかげでキャリアアップし、同期より早く昇進できた。

キャリアデザイン(キャリア設計)

キャリアデザイン(キャリア設計)とは、仕事内容や働き方をはじめ、価値観やライフスタイルなど「理想の自分を設計」することです。

例文①:若いうちからキャリアデザインを設計することでよりよい人生を送れる。

例文②:キャリア設計の方法を学ぶセミナーに参加した。

キャリアモデル

キャリアモデルとは、理想的なキャリアやそのキャリアを歩んでいる人、モデルとなる職務経験や生き方のことです。

例文①:明確なキャリアモデルを持つことで、仕事のモチベーションが上がる。

例文②:あの社長の生き方は多くの人のキャリアモデルとなるはずだ。

キャリアプラン

キャリアプランとは、理想のキャリアを達成するための具体的なプラン(計画)のことです。キャリアデザインと似ていますが、キャリアプランは主に仕事に関するプランで、キャリアデザインよりも狭義的に使用されます。

例文①:10年後に独立するキャリアプランを立てた。

例文②:キャリアプランを修正し、弁護士を目指すことにした。

キャリアビジョン

キャリアビジョンとは、仕事をしていくなかで将来的にどうなりたいのかという目標を掲げることです。

例文①:明確なキャリアビジョンを持っていると成功に繋がりやすい。

例文②:今は一社員だが将来は起業するキャリアビジョンを描いている。

キャリアチェンジ

キャリアチェンジとは、これまで経験したことのない職種や業種に転職・異動することです。

例文①:営業から商品開発にキャリアチェンジした。

例文②:プログラミングを学びエンジニアにキャリアチェンジした。

キャリアショック

キャリアショックとは、環境や社会の変化で、積み上げてきたキャリアや思い描いてきたキャリアプランが狂うことです。

例文①:残業禁止のせいで住宅ローンが払えなくなるなんて、酷いキャリアショックだ。

例文②:震災は多くの人の仕事を奪うというキャリアショックを引き起こした。

キャリアパス

キャリアパスとは、仕事において目指す役職や職務に就くのに必要なスキル・経験・知識・資格など、具体的な道筋を描いたものです。

例文①:将来的に財務コンサルタントになるために、新卒では会計士になるキャリアパスを描いた。

例文②:社長になるためには、現場と管理の両サイドを経験するキャリアパスが必要だ。

ポートフォリオ・キャリア

複数の肩書き(キャリア)を持つことを、ポートフォリオ・キャリアといいます。「デザイナーをしながら週末はバーでアルバイトをする」ような副業的な肩書きではなく、「コンサルタントとして会社を経営しながら他社でも取締役を務める」といったメインの仕事が複数ある、というイメージです。

例文①:ライターで食えなくなっても、映像クリエイターとして生活できるポートフォリオ・キャリアを組んでいる。

例文②:〇〇氏はまさにポートフォリオ・キャリアの持ち主だといえる

スラッシュキャリア

スラッシュキャリアとは、複数のスキルやキャリアを持つことです。「映画ライター/コラムニスト/〇〇大学客員教授」のように肩書きをスラッシュで区切ることからそう呼ばれています。またスラッシュキャリアを持つ人を「スラッシャー」といいます。

ポートフォリオ・キャリアには含まれない副業や資格・スキルも、スラッシュキャリアには含まれます。

例文①:スラッシュキャリアは不確実性の時代を生き抜く上で欠かせない。

例文②:台湾のIT担当大臣は政治家とプログラマーというスラッシュキャリアを持つ。

高校生におすすめのキャリア分析方法

キャリアには仕事はもちろん、生き方の形成という意味もあると説明しましたが、高校生がキャリアを設計する意味や、具体的にキャリアを分析する方法にはどのようなものがあるのでしょうか。

高校生がキャリア分析をする意味

一般的に転職活動をする社会人や大学生が行うイメージが強いですが、高校生もキャリア分析を行う意味は大いにあります。ここでは高校生がキャリア分析を行うメリットを2つ説明します。

① 進路を選択しやすくなる

自分の知識やスキル、これまでの経験を分析することで進路選択がしやすくなります。得意分野を活かした就職はもちろん、大学の学部や専門学校の選択にも役立ちます。

たとえば「教育に興味がある」と思っている人は、得意分野だけでなく自分の性格や短所も分析することで「受験など明確な目標に向けた指導が得意そうだから、将来は塾の講師として活躍したい」「教えることは苦手だから、教材の編集などに関わっていきたい」といった、より具体的な進路や将来の計画を立てることができます。

② 将来のキャリアチェンジや転職に役立つ

将来、キャリアチェンジや転職する際にも、高校生のときに行ったキャリア分析が役立ちます。将来、あなたが転職を考えようと思ったときに「高校生の頃の自分はこんなキャリアを考えていたのか」「高校生までにこういったキャリアを積んでいた」など、過去の自分を分析する重要な資料になります。

また、大人になって振り返ってもわからない「学生当時の生の声」が将来に残るのも、高校生がキャリア分析を行う魅力の1つです。

過去・現在・未来で考える「キャリア分析」の方法

「過去・現在・未来」の3つの軸で取り組めば、基本的なキャリア分析を行うことができます。

① 過去の振り返り

まずは、過去の自分について振り返ります。

過去を振り返る作業は「自分史」作ることで簡単にできます。自分史を作成する場合に必要なのは、紙とペンだけです。今までの人生で印象的だった出来事を時系列に、歴史の年表のように書いていきましょう。

振り返りが苦手、テンプレが欲しいという人は下表のように、項目を分けておくと、書きやすいです。

(参考:厚生労働省『指導に活用できる ワークシート&知識』P.36)

手書きでの自分史作成も良いですし、パソコンを使ってエクセルやワードなどにまとめるのも見やすく、データとして残るのでおすすめです。

  • 自分や身の回りに起きたこと
  • 何かを始めたり、変わったりすることになった転機
  • 将来の夢や短期的な目標など、当時目指していたもの
  • そのときの気持ち
  • 世の中の出来事

などを自分史にまとめることで、人生の振り返りができると同時に、自分の強みや弱み、能力、人間性なども整理できます。

② 現在の自分を他者目線で知る

分析というと「自分だけで」完結してしまいがちですが、同時に他己分析を行うことも重要です。自分では見えない長所や短所、特性について第三者からの意見を聞くことで、客観的に自分を見つめ直せます

自分の短所を指摘されるのが嫌な場合もあると思いますが、周囲の評価を将来を考えるうえで必要な材料だと自分に言い聞かせ、ぜひ厳しい評価にも真摯に耳を傾けてみてください。

他己分析の簡単なやり方は、他己分析シートを渡して、記入してもらう方法です。以下のようなシートを作成し、他己分析してもらいたい相手に記入してもらいましょう。

質問項目回答
私と出会ったときの第一印象を教えてください。また、その印象は現在どう変化しましたか           
私の長所だと思うところを教えてください。どのようなときに、そう感じましたか?
私の短所だと思うところを教えてください。どのようなときに、そう感じましたか?
今の私が改善するとよい部分を教えてください。なぜそう思いますか?

各質問項目でわかるのは以下のような事柄です。

質問項目この質問でわかること
私と出会ったときの第一印象を教えてください。また、その印象は現在どう変化しましたか初対面の人が抱くイメージと、実際の自分(自己認識)とのギャップ
私の長所だと思うところを教えてください。どのようなときに、そう感じましたか?自分では気づけない長所。どういうシチュエーションでその長所が発揮されるのか
私の短所だと思うところを教えてください。どのようなときに、そう感じましたか?自分では気づけない短所。短所が出やすい場面を理解し、改善に努めることができる。
今の私が改善するとよい部分を教えてください。なぜそう思いますか?客観的な指摘を受けることで、より改善のための努力をしようという意欲が持てる。

(参考:進路決定に役立つ自己分析|簡単なやり方やおすすめサービスを紹介

インタビュー形式ではなく他己分析シートを利用することには、次のようなメリットがあります。

  • 相手が厳しい意見も言いやすくなる
  • 短所などあまり聞きたくないことも、書面なら感情的にならず受け入れやすい
  • 紙に書いた情報は聞き手の主観が入らず正確に残る

また、他己分析を依頼する相手は、誰でもよいというわけではありません。ある程度付き合いがあり、自分のことをよく理解してくれる人、そして自分に厳しい意見も言ってくれる人にお願いしましょう。

具体的には、

  • 恩師
  • 学校や習い事の先輩
  • アルバイト先の店長や社員さん
  • 家族

などがおすすめです。

幼馴染や親友に他己分析してもらうのは避けたほうがよいです。「相手が短所を指摘しにくい」「短所を言われたことで不快になり関係性にひびが入る」といった可能性があります。

他己分析の結果を踏まえ、改めて自分史を見てみると、新たな発見があるかもしれません。

③ 未来のビジョンを明らかにする

過去・現在の自分についてわかったら、最後に行うのは未来のビジョンを明らかにすることです。

5年後・10年後・20年後、もっと先の自分について、具体的な将来像を描いてみてください。単に頭に思い描くのではなく、紙やパソコン・タブレットなどに文字や図などで示してみましょう。

以下のようなシートを使うと、将来の計画やそのための目標、仕事はもちろん、生き方としての年齢ごとの自分のプランが明確になります。

(参考:厚生労働省『指導に活用できる ワークシート&知識』P.42)
(参考:厚生労働省『指導に活用できる ワークシート&知識』P.43)

年齢によってやりたいこと、なりたい自分ができあがったら、「なぜそうなりたいか、そこを目指すのか」を考えてみてください。

将来像には過去・現在の経験や思い、尊敬する人からの助言といったさまざまなものが影響しています。将来について考えることは、過去・現在の自分についてより知ることにもなりますし、10年後・20年後の自分のキャリアを実現するための進学先や就職先を決定することはもちろん、そのために今、どんな高校生活を送ればよいのかを明確にする機会にもなります。

キャリアアップのためには何をすべきか

キャリア分析を行ったらそれで満足してはいけません。将来の実現、さらなるキャリアアップのためには、高校生のうちから具体的にどのようなことをしていけばよいのでしょうか。

キャリアデザインの形成

まずはキャリアデザインを明確にしましょう。前述の通り、仕事面だけでなく価値観やライフスタイルといった生き方に関する幅広い計画を立てることが、キャリアデザインです。

高校生のうちから正しいキャリアデザインを形成することで、現在はもちろん、将来のキャリアアップにも繋がります。

2年後・5年後の自分を明らかにする

キャリア分析の際に、10年後、20年後、もっと先の将来像も描いているとは思いますが、キャリアアップのためには2年~5年後、高校1年生ならば成人するくらいまで、高校3年生であれば大学を卒業するくらいまでの数年間の具体的なキャリアデザインを行いましょう。

2年先の自分がどう成長しているか、3年後、4年後、5年後にはそれがさらにどうなっているのか、そのために何をすべきかを学習面はもちろん、生活についてもより詳しく設計することで、仕事だけでなく人間的にも理想の自分に近づくことができます。

キャリアアップのための努力をする

キャリア分析をしてキャリアデザインを設計しても、そのための努力をしなければ意味がありません。勉強はもちろん、部活や習い事、人間関係などさまざまなことに真剣に向き合い、常に努力をすることで、知識やスキル、人間性は磨かれていきます

キャリアデザインの実現のため、自分自身のキャリア(人間力)アップのためにも、ぜひさまざまなことに対する努力を怠らないようにしましょう。

何事にも積極的に挑戦する

得意を伸ばす、生活のなかでできる努力をすることはもちろん大切ですが、加えて何事にも積極的に挑戦する気持ち、そして実際に挑戦することも忘れないようにしてください。

「苦手なことはしない」「失敗したくないから挑戦しない」という気持ちでは、得意分野でそれなりに成功することはできても、真のキャリアデザインの実現にはつながりません。

「とにかくやってみよう」「まずは挑戦してみよう」という積極的な気持ちは、キャリアアップに欠かせない要素の1つなのです。

キャリアの8割は「偶然」によるもの

アメリカのスタンフォード大学教授、J・D・クランボルツ氏によると「キャリアの8割は予期せぬ偶発的な要素によって決まる」そうです。つまり若いころから明確な目標や具体的なキャリアデザインを描いていても、それが叶うのは一握り。予期せぬところに天職との出会いが転がっている可能性は非常に高いのです。

もちろん、高校生のうちから自分のキャリアについて分析し、キャリアデザインを行うことは重要です。しかし、そこばかりに囚われ得意なことを磨くことばかりに注力するのではなく、多くのことに挑戦・努力することこそが、本当のキャリア形成だといえるのです。

突如訪れる偶然を掴むためにも、チャレンジ精神を持ち、コツコツ取り組むこと、スキルアップだけでなく人間力を高めることを忘れないようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか。今回は、キャリアとは何か、キャリアの分析・設計方法について解説しました。

この記事の要点は、

  • キャリアとは仕事における経験やスキルだけでなく、生き方そのもの
  • 高校生もキャリア分析を行うことで進路やその先の将来に役立てることができる
  • 偶然が生むキャリアも多いので、さまざまなことに挑戦・努力することが重要

です。

勉強や部活動で日々忙しい人も多いかもしれませんが、ぜひこの機会に一度自分自身と向き合って将来について考えてみてください。

そのほか「進路決定に役立つ自己分析|簡単なやり方やおすすめサービスを紹介」や「高校生の進路選択でよくある7つの悩み【解決策付き】」などでも、進路に関する悩み解決に役立つ知識を紹介しているので参考にしてみてください。

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