これまで勉強してきた成果を受験当日に最大限発揮するために、大切なのは前日の過ごし方です。せっかく塾や自習で実力をつけてきたとしても、受験当日に体調を崩してパフォーマンスを十分に発揮することができなければ誰しも悔いが残ってしまいます。
そこで今回は、受験前日の過ごし方や注意点、受験当日に気をつけるポイントなどを紹介します。ぜひ自分の実力を100%以上発揮できるように、ポイントを押さえてください。
受験前日の過ごし方
受験を翌日に控え、焦る気持ちや緊張感は誰しも高まるものです。しかし、だからといって受験前日にガツガツ勉強をしてもあまり意味がなく、むしろ逆効果となる場合があります。受験前日は次のようなポイントに注意しながら過ごしましょう。
持ち物などの準備を済ませておく
当日慌てないように、受験前日までに持ち物を用意します。受験に持って行く物は下記の通りです。
必須
- 受験票
- 筆記用具
- 飲み物
- 時計(腕時計)
- 生徒手帳
必要に応じて持っていく物
- スマホ
- 常備薬
- ハンカチ、ティッシュ
- お守り
- 参考書、ノート
- 飲み物、軽食
- カイロ
- 防寒着
服装は指定がない限り、制服・私服のどちらでも構いません。すぐに着替えられるよう準備しておきましょう。また、受験は寒いシーズンに行われることが多いので、カイロや薄手の上着など、調節できる防寒対策もしっかりとしておくことが大切です。
トラブル対処法を考えておく
受験当日を無事に迎える人がほとんどですが、なかには体調不良や忘れ物、電車の遅延など予期せぬトラブルに見舞われてしまうこともあります。
万が一の場合を想定し、「遅刻しそうな場合は受験会場や担任教師へ電話で連絡したり、駅で遅延証明書を受け取る」「受験票を忘れたら生徒手帳を見せて、会場で仮の受験票を発行してもらう」といったさまざまなシチュエーションへの対処法も考えておきましょう。
食事にも注意する
ゲン担ぎや応援の意味から、受験前日に「トンカツやお寿司などを食べさせてあげたい」という保護者もいます。しかし油分の多いものやナマモノは、当日お腹の調子を悪くしたり、胃もたれさせたりする可能性があります。また、前日は緊張してあまり食欲がわかないという人もいるでしょう。
受験前日は食事をしっかりとりたいところですが、豪華な食べ物よりも栄養バランスのよいものや、胃腸に負担のかからないものを選ぶのがベストです。ふだん通りの食事や好きな食べ物のほか、うどんや鍋など体の温まるものもよいでしょう。焼肉やお寿司などは、受験が終わってからのご褒美としてとっておいてください。
勉強をする場合はほどほどに
受験前日は最後の追い込みで勉強したいところですが、思うように進まなかったり、受験への不安が募ったりと逆効果になってしまうことがあります。受験前日には、次のような勉強をすると当日を安心して迎えられます。
- 公式や英単語など「暗記もの」の復習
- 自身でまとめたノートの見返し
- 模試やテストでミスした部分の復習
- 以前取り組んだことのある過去問に取り組む
前日は新しいことをしようとせず、あくまでもこれまでの振り返りや苦手部分の見直しに時間を使いましょう。過去問も新しいものではなく以前取り組んだことのあるものを再度解くことで、不安も生まれにくく試験当日を落ち着いて迎えられるでしょう。
もしあまり勉強をする気にならないのであれば、音楽を聴いたりテレビを観てゆったりと過ごすのもおすすめです。これまで頑張ってきた成果が1日で消えてなくなるわけではないので、自分に合った過ごし方を実践してみてください。
リラックスして早く寝る
高校生にとって受験は人生の大イベントです。前日は緊張してなかなか眠れないという人も少なくありません。しかし、夜更かしをすると寝不足による集中力の減退やケアレスミスを引き起こす可能性があるので、リラックスして早めに寝て睡眠時間を十分に確保することが大切です。個人差はありますが、できれば8時間以上、最低でも6時間は睡眠時間を確保しましょう。
寝つきが悪い場合も、布団でリラックスしていれば自然と眠りにつくことが多く、また横になっているだけでも疲労を回復できるので、夜更かしはせず早めに寝る態勢に入りましょう。
ホテルに宿泊する場合
遠方の大学を受験する場合、前日はホテルに宿泊することもあります。慣れない土地、慣れない場所で過ごす夜は何かと不安ですが、できるだけ自宅にいるときと同じルーティンで過ごしましょう。当然ですが、夜遅くに出歩くことは控えましょう。予期せぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
ホテルにいても大切なのはバランスよく食べ、しっかりと睡眠をとることです。また、ホテルの部屋は乾燥しやすく、受験当日に体調を崩してしまう可能性もあるので、加湿器を借りる、お風呂場にお湯を溜めた状態で寝るといった工夫もしてみてください。
緊張して眠れない!受験前日のリラックス方法
受験前日は早めに寝ることも大切だといいましたが、緊張や不安から眠れなくなってしまう人もいるでしょう。ここからは、質のよい睡眠で受験当日を万全な状態で迎えるための、リラックス方法・入眠方法を紹介します。
早めに寝床に入る
受験前日はとにかく早めに寝床に入りましょう。眠れないからといっていつまでも体を起こしていては、余計に眼が冴えてしまうし体も休まりません。
「まだ眠れる気がしないな」「早すぎるな」と思っても、21時頃には就寝準備を整え、横になるようにしましょう。翌日の出発時間や朝食時間から逆算して何時までに寝るべきかは予め確認しておいてください。21時に寝るのは無理でも、遅くとも22時半頃までには寝床に入ることを意識しましょう。
スマホやテレビを見ない
眠れなくて暇だからといつまでもスマホで友だちとやり取りしたりテレビを見たりしていると、余計に眼が冴えて寝付けなくなってしまいます。寝不足は当日のパフォーマンスを低下させ、体調不良にもつながりうるので注意が必要です。
寝床に入ったらスマホを触らない、テレビをつけないようにし、体だけでなく目や頭が休まる環境も整えるようにしましょう。
リラックスできる飲み物を飲む
横になって目をつぶっていてもなかなか眠れない場合は、温かい牛乳やココア、ジャスミンティー、カモミールティーなどを飲むと寝つきがよくなります。体を芯から温め、気持ちも穏やかにしてくれるので、温かい飲み物をゆっくりと飲んでから横になると自然と眠りにつくことができるのではないでしょうか。
いつも飲んでいる、好きな飲み物だからといって冷たい飲み物やコーヒーなどを選ぶと、逆に眼が冴えてしまったりお腹を壊してしまったりする可能性があるので、避けたほうが無難です。
好きな音楽を聴く
音楽を聴くのが好きな人は、いつも聴いている音楽で気持ちを落ち着かせることで、心地よい睡眠をとることができる可能性があります。
YouTubeなどにはリラックスできる音楽集もたくさんあるので、日頃から安眠できる音楽リストを探しておくと、受験前日に役立つかもしれません。
*おすすめの検索ワード:「睡眠 BGM」「リラックス BGM」
お風呂にゆっくり入る
お風呂に入ると体温が上がり、そこから体温が下がるときに眠気が訪れます。お風呂にゆっくり浸かることで心身ともにリラックスするので、スムーズな入眠を促すことができます。
一般的には、寝る2時間前に38℃の湯に30分ほど浸かるのがよいです。受験前日にはぜひお気に入りの入浴剤で、ゆったり湯船に浸かってみてください。
食事は就寝予定の3時間前までに
寝る時間ギリギリに食事をすると消化に悪く、眠りにくくなることもあります。食事は就寝予定の3時間前までに済ませておくと、睡眠に影響しないといわれています。
たとえば22時に寝る予定ならば、19時までには食事を終えているのがベストです。受験前日のスケジュールを考える際は、食事や入浴の時間も考えて組み込むようにしましょう。
受験当日の注意点4つ
受験前日をリラックスして過ごし、しっかりと睡眠をとることができたら、いよいよ受験当日です。試験を無事終えられるよう、次の4点に注意して行動するようにしましょう。
①時間に余裕を持って行動する
万が一忘れ物をしたり交通機関が遅延したりしても試験に間に合うよう、当日は時間に余裕を持って行動します。
早起きして余裕を持って準備することはもちろん、電車やバスも時間ギリギリのものではなく2〜3本早めのものに乗ることを意識してください。
②朝食をとる
受験当日は緊張して食欲が出ないかもしれませんが、頭を働かせる意味も含め、朝食は必ずとるようにしてください。とはいえ、試験中に腹痛になったり移動中に気分が悪くなったりするような量は控え、自分にとってベストな量を食べるようにしましょう。
朝食を摂る習慣がない、朝からあまり食べられない、という人はフルーツやヨーグルトだけでも口にすれば頭に糖分を与えられ、受験に臨めます。
③試験直前に勉強をしすぎない
試験前や休憩時間には最後の見直しをする人も多いですが、あまり勉強をしすぎると不安が膨らむ、得意分野で力を最大限に発揮できなくなるということにもなりかねません。
試験直前の勉強は見直し程度でほどほどにしましょう。勉強をすることで心配が大きくなるという人は、休憩時間はトイレに行ったり席に座って静かに過ごしたりして、勉強からは離れるのも1つの選択肢です。
④落ち着いた行動を心がける
受験当日は緊張感から平常心でいられないことも多いですが、慌てたり焦ったりしてもよいことはありません。普段と違うテンションでいると、忘れ物をしたり電車を間違えたりといったミスをしてしまう可能性もあります。
受験でのミスはもちろん、移動中のケガやトラブルを避けるためにも、いつも以上に落ち着いた行動を心がけてください。
まとめ
今回は、受験前日の過ごし方やリラックス方法、そして当日の行動で注意したいポイントを紹介しました。受験前日は緊張感から落ち着かないこともありますが、静かにリラックスして過ごすことで、当日最大限の力を発揮しやすくなります。また、当日もトラブル回避のために落ち着いて行動することが大切です。
受験前日は食事の内容や時間、入浴時間などにも気を遣うことで質のよい睡眠をとることもできます。受験当日を万全のコンディションで迎えるためにも、ぜひ受験勉強と同時に、前日の過ごし方についても考えてみてください。