明治大学は「明大(めいだい)」の相性で親しまれる都内の難関私立大学です。2020年7月に行われた「関東・東海・関西の志願したい大学ランキング」で4年ぶり総合1位を獲得するなど、近年特に高い人気を得ています(※)。
今回は明治大学の総合型選抜入試について、募集している学部やアドミッションポリシー、選抜要項など幅広く解説します。
明治大学の特徴
まずは、明治大学の基本的なデータや特徴を解説します。
特徴
「近代市民社会を担う聡明な若者を育成する」ことを目的とし、フランス法の自由民権思想を学んだ法律家たちが創設した大学です。
建学の精神として「権利自由、独立自治」を、大学の使命として「知の創造と人材の育成を通し、自由で平和、豊かな社会を実現する」というフレーズを掲げ、個を強くする都心型大学としての発展も目指しています。
生徒数
明治大学は、全学部合計で30,462人の生徒数を誇ります(学生・生徒現員、定員(入学定員・収容定員)数及び収容定員に対する比率)。日本の私立大学の学生数において、日本大学、早稲田大学、立命館大学、慶応義塾大学に次いで5番目に位置する学生数なので、規模の大きな大学だといえます。
キャンパス
明治大学のキャンパスについて解説します。
駿河台キャンパス
明治大学のメインキャンパスは、駿河台キャンパスです。「日本のカルチェ・ラタン」と呼ばれる程代表的な学生街である御茶ノ水駅を最寄りとし、法学部・商学部・政治経済学部・文学部・経営学部・情報コミュニケーション学部(各学部3・4年次)、大学院・法科大学院・専門職大学院など文系学部が学びを深めています。
2000年に国土交通省による都市景観大賞を受賞した大型高層ビル「リバティータワー」が象徴的なキャンパスです。
和泉キャンパス
和泉キャンパスでは、法学部・商学部・政治経済学部・文学部・経営学部・情報コミュニケーション学部(各学部1・2年次)、大学院の学生が学びます。
京王線、井の頭線各駅の「明大前」駅前に立地し、渋谷、新宿、吉祥寺、下北沢などからも抜群のアクセスを誇ります。
生田キャンパス
生田キャンパスでは、理工学部・農学部(1~4年次)、大学院の学生が学びます。
自然豊かな環境に17万平方メートルもの敷地を有し、最新鋭の設備や大規模な実験装置を整えることで理系学問の研鑽を可能としています。
中野キャンパス
中野キャンパスでは、国際日本学部・総合数理学部(1~4年次)、大学院の学生が学びます。
教室や研究室がある「高層棟」と、食堂や図書館がある「低層棟」とに分かれているのが特徴的で、自習やコミュニケーションを促進するためのフリーラウンジをキャンパス各所に設置しています。
明治大学の総合型選抜募集学部
明治大学で総合型選抜出願を受け付けている学部について解説します。
総合型選抜とは
明治大学の総合型選抜は、日本における既存の入学者選抜の枠組みに捉われず、各学部が求める能力やビジョンを有する学生を対象とする入学者選抜制度です。
参考:総合型選抜(旧AO入試)とは?出願条件や選考方法別の対策など
理工学部(アドミッションズ・オフィス入試)
理工学部は、理学と工学の融合を教育理念とし、ものごとの本質を探求すること、理学の結果を応用して人間の福利を実現することを目指す学部です。
学科の垣根を超えた無学科混合クラスと、学科専門科目を学ぶための学科クラスの、2つを用意しています。
農学部食料環境政策学科(地域農業振興特別入学試験)
農学部食料環境政策学科は、食料と環境をめぐる諸問題について、経済学、社会学、政策学、経営学、会計学、開発学などの観点から多角的に研究することを目指す学科です。
座学だけでなく、農場実習、ファームステイ実習、フィールドワーク実習、海外農業体験など、現場を体験しながら学べる科目を多く用意し、応用力・実践力を養うことを重視しています。
文学部(自己推薦特別入学試験)
文学部は、過去から現在まで多様に展開されてきた人間の営みのすべてに対して、さまざまな角度からの考察を試みながら、究極的には、生きた人間そのものを総合的に理解することを目指す学部です。
文学科、史学チリ学科、心理社会学科の3つに学科と、各種資格取得のための資格課程を用意しています。
商学部(大学入学共通テスト利用)
商学部は、ビジネスのプロフェッショナルを育てることを目的とし、「総合市場科学」の探求を目指す学部です。
商学科一学科制を採用していますが、3年次からは「アプライド・エコノミークラスコース」「マーケティングコース」「ファイナンス&インシュアランスコース」「グローバル・ビジネスコース」「マネジメントコース」「アカウンティングコース」「クリエイティブ・ビジネスコース」の7コースを用意し、理論と実学のバランスを取っています。
農学部(自己推薦特別入学試験)
農学部は、人間が生きるために欠かすことのできない農業を対象に、生物学、化学、物理学、経済学、社会学、生命科学などを駆使して総合的に研究することを目指す学部です。
農学科、農芸化学科、生命科学科、食料環境政策学科を用意しています。
総合数理学部(自己推薦特別入学試験)
総合数理学部は、「モノや構造を支配する原理」を発見し、多くの課題を解決することを目指す学部です。
現象数理学科、先端メディアサイエンス学科、ネットワークデザイン学科の3学科を用意しています。
政治経済学部(グローバル型特別入学試験)
政治経済学部は、「教養豊か」な人材を育てることを目的とし、外国文学、日本語文章論、民俗学、社会心理学、マスメディア論など人文社会学、政治学、経済学、地域行政学など幅広い分野で学びを深めることを目指す学部です。
政治学科、経済学科、地域行政学科の3学科を用意しています。
その他
ほかにも、明治大学では複数の総合型選抜出願を受け付けています。
全国商業高等学校長協会会員校を対象とした「商学部公募制特別入学試験」、海外修学者を対象とした「法学部海外就学者特別入学試験」、社会人を対象とした「文学部社会人特別入学試験」「法学部社会人特別入学試験」、編入学希望者を対象とした「編入学・学士入学試験」などがあり、幅広い人材に対して学問の機会を提供していることが分かります。
理工学部の総合型選抜募集要項
理工学部の総合型選抜募集要項について詳しく解説します。
電気電子生命学科
電気電子生命学科の募集要項について解説します。
アドミッションポリシー
電気電子生命学科では、理工学部入学者の受入方針(AP)で掲げる人物像に加え、生命、環境、エネルギーを持続させるための技術革新が期待されている新時代において、技術の最前線で活躍したいと強く希望する意欲ある人物を求めています。
また、目的意識を持って積極的に勉学し、友人から信頼される自主自立した明朗でバイタリティのある人材が望まれます。数学、理科、外国語については、高等学校段階の基礎的な知識と応用問題にも適応できる十分な学習能力を身に付けている学生を求めます。
出願資格
次に掲げる2つの条件を全て満たす者
- 本学部での勉学を強く希望し、入学後その意志を貫く決意のある者
- 次に掲げるア~ウのいずれかを満たしていること
ア 高等学校(特別支援学校の高等部を含む)若しくは中等教育学校を卒業した者及び2021年3月卒業見込みの者
イ 高等専門学校の第3学年を修了した者及び2021年3月31日までに修了見込みの者
ウ 高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者及び2021年3月31日までにこれに該当する見込みの者
選考方法
書類審査、学力考査、面接試問が行われます。学力考査では、数学(特に微分積分、ベクトル、複素数、三角関数)と英語の基礎学力を確認します。
機械情報工学科
機械情報工学科の募集要項について解説します。
アドミッションポリシー
現代社会が直面する問題を解決し、未来にわたって心豊かに生活できる社会を実現するためには、これまでの機械工学にとらわれない幅広い技術と、それを担う若いエンジニアの力が必要です。
機械情報工学科では、ハードウェア技術の基盤となる機械工学に加え、ソフトウェア技術についても幅広く学べる環境を備え、豊かなアイデアを自ら形にできる技術イノベーションを目指すエンジニアを育成することを学科の教育理念としています。すなわち、新しい視点で、革新的な技術を開発し、広く社会に貢献できる機械技術者・研究者を育成します。
出願資格
以下の条件を満たす者。
高等学校第3学年1学期または前期までの数学・理科・英語3教科の全履修科目の学習成績の状況が3.8以上の者。なお、数学・理科・英語の履修条件科目・単位数は以下のとおり。
数学:16単位以上
理科:高等学校新学習指導要領に基づく教育課程履修者は、物理基礎・物理・化学基礎・化学のうち3科目を履修していること。旧学習指導要領に基づく教育課程履修者は、物理Ⅰ・物理Ⅱ・化学Ⅰ・化学Ⅱのうち3科目を履修していること。
英語:16単位以上
選考方法
エントリーシート審査、学力調査、面接試問が行われます。面接試問は、簡単なテーマの実験についてのプレゼンテーションを行い、それに対する質疑応答を行います。実験のテーマは受験票の発送と同時に通達されます。
建築学科
建築学科の募集要項について解説します。
アドミッションポリシー
建築学科では、建築およびその関連分野に強い興味と熱意を持ち、明朗で将来性のある学生、ともに学ぶ仲間たちを自発的にリードしていける積極性と行動力のある学生を求めています。
そして将来は、建物だけではなく広く環境デザイン分野の最前線や国際的舞台で活躍できる、技術に関する知識や優れたデザイン能力を有する人材、分野横断的な視点を持ち様々な問題に柔軟に対応できる人材、国際感覚に優れた人材を育成したいと考えています。
建築学科では、留学生や帰国子女を含め多様な背景を持つ学生を受け入れていますが、建築学科での学びをより充実したものにするために、入学までに以下のような能力を身に付けていることを期待します。
- 建築や都市を社会や文化との関連の中で考えるために必要な広い視野と教養
- 多くの人々と協働するために必要なコミュニケーション能力と基礎的語学力
- 建築技術に関する専門的知識を習得するために必要な工学に関する基礎的学力
- 空間デザイン力を習得するために必要な基礎的なデザイン力・造形力・表現力
出願資格
高等学校第3学年1学期または前期までの数学・理科・英語3教科の全履修科目の学習成績の状況が3.8以上の者。
なお、数学・理科・英語の履修条件科目・単位数は以下のとおり。
数学:16単位以上
理科:高等学校新学習指導要領に基づく教育課程履修者は、物理基礎・物理・化学基礎・化学のうち2科目を履修していること。旧学習指導要領に基づく教育課程履修者は、物理Ⅰ・物理Ⅱ・化学Ⅰ・化学Ⅱのうち2科目を履修していること。
英語:16単位以上
選考方法
デッサン、スケッチ、立体造形等のデザインセンス、造形力、表現力を問う「造形により試験」を実施します。また、自己の「デザインセンス・造形力・表現力」「国際的な経験や語学力」「自ら課題を設定して主体的に探究する力」を証明し得る成果物等を持参し、プレゼンテーションと面接試問を行います。
応用化学科
応用化学科の募集要項について解説します。
アドミッションポリシー
自然科学分野のみならず、あらゆる分野でグローバリゼーションが進んでいます。今後、世界で力を発揮するためには「自ら考え行動する力」が必須です。
入学者には、「フラスコからコンピューターまで操れる研究者・技術者の育成」を目標に編成された応用化学科のカリキュラムを通して、幅広い教養と専門能力を兼ね備えた人物に成長することを期待します。学生一人ひとりが自立し、化学で未来を切り拓き、世界をリードできる能力を身につけることを教育目標としています。
上記の教育目標を達成するため、応用化学科では次のような学生を求めています。
- 「記憶する力」だけではなく、「自ら考え行動する力」を身につける意欲のある学生。
- 科学の分野で重要な「問題発見能力」および「問題解決能力」を体得する熱意のある学生。
- 思考力と実験遂行能力を培う気概をもち、化学を楽しむことができる学生。
出願資格
次に掲げる2つの条件を全て満たす者
- 本学部での勉学を強く希望し、入学後その意志を貫く決意のある者
- 次に掲げるア~ウのいずれかを満たしていること
ア 高等学校(特別支援学校の高等部を含む)若しくは中等教育学校を卒業した者及び2021年3月卒業見込みの者
イ 高等専門学校の第3学年を修了した者及び2021年3月31日までに修了見込みの者
ウ 高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者及び2021年3月31日までにこれに該当する見込みの者
選考方法
面接及び筆記試験を行います。筆記試験では、化学に関する基礎学力の確認を行います。
行っておきたい対策
理工学部の総合型選抜は、学科によって特色が異なります。自分が希望する学科を早めに定めた上で、学力試験やプレゼンテーションの対策を行いましょう。
学力試験の出題範囲は年度ごとに異なりますので、受験要項のチェックが欠かせません。
農学部食料環境政策学科の総合型選抜募集要項
農学部食料環境政策学科の総合型選抜募集要項について詳しく解説します。
アドミッションポリシー
農学部は、人類の福祉と健康に関わる課題の解決に向けて「食料・環境・生命」という21世紀を象徴する3つのキーワードを軸に、新時代に対応した特色ある教育・研究を行っています。新時代を担う専門的知識と技術を身に付けた人間性豊かな人材の育成に努めています。
そのため農学の役割と魅力を理解し、幅広い教養を身に付けた志願者を期待します。
食料環境政策学科においては、人類の生存基盤と福祉に関わる食料・農業問題と環境・資源問題について、社会科学の観点から、個人、地域から地球規模までを広く視野に入れ、問題解決への道筋を考究し、行動できるような専門性と総合性を兼ね備えた人材となることを目指す学生を求めます。
出願資格
次の①~③の全てに該当する者
①地域農業振興に深い関心を持ち、将来、地域の農業振興を担うリーダーとして活躍する事を志す者。
②明治大学農学部食料環境政策学科を専願とし、合格の場合、入学が確約できる者。
③次に掲げるア~オのいずれかを満たす者。
ア 2021年3月31日までに高等学校(特別支援学校の高等部を含む。)若しくは中等教育学校を卒業または卒業見込みの者。
イ 2021年3月31日までに高等専門学校の第3学年を修了または修了見込みの者。
ウ 2021年3月31日までに文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程又は相当する課程を有するものとして認定又は指定した在外教育施設の当該課程を修了または修了見込みの者。
エ 専修学校の高等課程(修業年限が3年以上であること、その他の文部科学大臣が定める基準を満たすものに限る。)で文部科学大臣が別に指定するものを文部科学大臣が定める日以後に修了した者または2021年3月31日までに修了見込みの者。
オ 高等学校卒業程度認定試験(旧大検)を2021年3月31日までに合格または合格見込みの者で、2021年3月31日までに18歳に達する者。
選考方法
書類選考を行い、通過した者のみ二次選考に進みます。二次選考では、プレゼンテーション10分、面接試問30分を行います。2021年度のプレゼンテーションテーマは「地域農業振興における私のプランと学生生活」です。
行っておきたい対策
2021年度の二次選考は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況や感染防止を鑑み、Zoomによるオンライン総合面接に切り替わります。PowerPointを使用したプレゼンテーションが必要なので、早めに準備しておきましょう。
また、学生生活と志望動機をリンクさせたアプローチが必要となるシーンも多いため、日頃からアドミッションポリシーで記載されている学生像をイメージしながら生活することも重要です。
文学部の総合型選抜募集要項
文学部の総合型選抜募集要項について詳しく解説します。
アドミッションポリシー
文学部の教育目標は、過去から現在まで多様に展開されてきた人間の営みのすべてに対して、さまざまな角度からの考察を試みながら、究極的には、人間そのものを普遍的かつ総合的に理解することです。
その目的を達成するため、充分な専門的知識を身につけた幅広い教養人の育成を教育方針としています。なお、文学部では専攻単位に志願者を募集します。当該専攻分野に対する明確な問題意識や目的意識、強い学習意欲を持つ志願者を期待します。
以上のような教育目標、教育方針に基づき、文学部では、次のような学生を求めます。
- 本学の建学の精神「権利自由・独立自治」を理解し、世界での活躍を見据えながら、他者や異文化を受容しつつ、確かな「個」の確立に意欲のある学生
- 人と人のつながり、人と社会のつながりに関心をもち、人間の創作物や人類の過去、社会事象等のアプローチから人間学の探究に挑戦する意欲のある学生
- 他者との関わりの中で、独創的な生き方を模索し、新しい概念や価値観の創出を追究したい学生
- 専攻する専門領域において明確な問題意識や目的意識、強い学習意欲を持つ学生
また、各学科では、次のような学生を求めます。
文学科では、様々な文化のあり方を学ぶことに積極的で、それに謙虚な理解を示すことが出来る学生、また自らの専門性の確立によって自分の「個」を形成する意欲のある学生を求めます。
史学地理学科では、自然と人間世界のあり方に幅広い興味を持つ学生、ものごとを歴史的地理的に探究したい学生、文献の読解・分析能力やフィールド調査能力を身につけて職業に活かしたい学生、幅広い歴史・文化の知識を活かして国際的に活動したい学生を求めます。
心理社会学科では、個人や集団に対する援助的姿勢を持ち,自立的思考のできる社会人となるための多角的視野を持つ学生を求めます。
出願資格
①本学部の各専攻で勉学を強く希望し、第一志望として入学を志す者。
②次のいずれかを満たす者。
ア 高等学校または中等教育学校を2021年3月までに卒業見込みの者。
イ 高等専門学校第3学年を2021年3月までに修了見込みの者。
ウ 文部科学大臣が認定または指定した在外教育施設の当該課程を2020年4月1日から2021年3月31日までに修了または修了見込みの者。
エ 本学において、個別の入学資格審査により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者。
③第3学年1学期末まで、または前期末までの全体の学習成績の状況が3.5以上の者。さらに、史学地理学科の下記4専攻を志願する場合は、次の要件も満たすこと。
日本史学専攻:日本史Bあるいは世界史B、またはそれに準じる科目を含む4単位以上履修している者。
アジア史専攻:世界史B、またはそれに準じる科目を含む4単位以上履修している者。
西洋史学専攻:世界史B、またはそれに準じる科目を含む4単位以上履修し、かつ英語の
評定平均値が4.0以上の者。
地理学専攻:地理B、またはそれに準じる科目を含む4単位以上履修している者。
④学内外の特定分野に優れた能力を発揮した者。自己アピールできるものを持っており、それを第三者に説明し、説得できる能力を有していること。
選抜方法
書類選考を行い、通過した者のみ二次選考に進みます。二次選考では、事前提出の小論文、オンラインでの面接試問が行われます。
行っておきたい対策
小論文対策を十分行いましょう。自分の考えを伝える小論文、ニュースや時事問題を扱う小論文、過去に触れた本や芸術作品に触れながら展開する小論文など、複数のテーマを用いて慣れておきます。
商学部の総合型選抜募集要項
商学部の総合型選抜募集要項について詳しく解説します。
アドミッションポリシー
商学部は1904年に日本の私立大学初の商科として創設され、「明治の商科」としての伝統を受け継ぎながら、社会経済環境の急速な変化に主体的に対応できる次世代のリーダーの育成を目指しています。言い換えると、商学部はビジネスのプロフェッショナルを育てることを目標としているのです。
そのため、商学部では、ビジネス活動のあらゆる局面が集約される場である「市場」について、さまざまな角度から総合的に学ぶことになります。
商学部では、1学科制の下で7つの専門コースに分かれるカリキュラムにより、市場とそれを取り巻く社会環境について広く学んだ上で、特定の専門分野でのスペシャリストとしての知識を養うことができます。また、ビジネスパーソンとして必要な広く深い教養も学べます。商学部は、専門性と教養教育の融合を可能にしているのです。
商学の専門知識と深い人間理解力とを備えた人間の育成を目指し、演習形式で行われる少人数教育を充実させ、商学専門分野と総合学際分野という二系統のゼミナールを同時に履修できるようにしています。さらには、地域・産学連携による自主・自立型実践教育、海外協定校との国際交流、多言語4年間一貫教育など、特色ある教育を提供しています。
こうした教育を十分に達成するため、商学部は、以下のような学生を求めています。
(1)商学部の特色ある教育に積極的に取り組みたいと思う者
(2)商学に関する専門知識と高度な教養を身につけたい者
(3)身につけた新しい価値観や世界観を通して、ビジネスの現実の様々な局面で、総合的な判断ができるようになりたい者
出願資格
【商業】
(1)高等学校(特別支援学校の高等部を含む)もしくは中等教育学校を2020年4月1日から2021年3月31日までに卒業または卒業見込みの者
(2)高等学校の商業に関する学科または総合学科で商業に関する科目を20単位以上履修している者
【留学】
(1)高等学校(特別支援学校の高等部を含む)もしくは中等教育学校を2020年4月1日から2021年3月31日までに卒業または卒業見込みの者
(2)高等学校在学中に留学経験があり、30単位以上の単位を高等学校において認定されている者
【TOEFL利用】
(1)高等学校(特別支援学校の高等部を含む)もしくは中等教育学校を2020年4月1日から2021年3月31日までに卒業または卒業見込みの者
(2)出願開始日から遡って2年以内に受験したTOEFLiBT®テストスコアの証明書を出願期間までに提出できる者
【国際バカロレア認定】
(1)高等学校(特別支援学校の高等部を含む)もしくは中等教育学校を2020年4月1日から2021年3月31日までに卒業または卒業見込みの者
(2)学校教育法第1条に規定されている学校で「国際バカロレア(IB)」認定校を2020年4月1日から2021年3月31日までに卒業または卒業見込みの者で、ディプロマ・プログラム(DP)のカリキュラムを学習している者
選抜方法
【商業】・【留学】・【TOEFL利用】・【国際バカロレア認定】全てのコース共通で、大学入学共通テストの点数を参照し合否を決定します。
【商業】は、国語、英語、簿記・会計もしくは情報関係基礎の3科目の受験が必要です
【留学】【TOEFL利用】【国際バカロレア認定】は、国語、外国語(英語、ドイツ語、フランス語から1科目)、社会もしくは数学(世界史B、日本史B、地理B、現代社会、倫理、政治・経済、数学ⅠA、数学ⅡBから1科目)の受験が必要です。
行っておきたい対策
大学入学共通テスト対策を十分に行っておきましょう。複数科目を受験する場合は、高得点を取得した科目の成績を合否判定に利用できます。
面接試問や書類選考による加点がありませんので、基礎から徹底的に学習し、高い得点を目指すことが重要です。
農学部の総合型選抜募集要項
農学部の総合型選抜募集要項について詳しく解説します。
アドミッションポリシー
農学部は、人類の福祉と健康に関わる課題の解決に向けて「食料・環境・生命」という21世紀を象徴する3つのキーワードを軸に、新時代に対応した特色ある教育・研究を行っています。新時代を担う専門的知識と技術を身に付けた人間性豊かな人材の育成に努めています。
そのため農学の役割と魅力を理解し、幅広い教養を身に付けた志願者を期待します。
各学科では、具体的に次のような学生を求めています。
農学科:人類の生存にとって最も重要な食料生産や環境の保全に関わる分野で活躍できるよう、地球的視野・幅広い科学的素養と農学に関連する基礎的技術体系を総合的に身に付けた、問題解決能力の高い人材となることを目指す学生
農芸化学科:農芸化学分野に関する事柄を的確に評価判断するために必要な幅広い専門知識と確かな実験技術を習得し、生物機能を応用したバイオテクノロジーと最新のサイエンスを融合した手法を用い、人間生活に関わる食品・環境、微生物、化学・生物の各分野で日本のみならず国際社会に貢献することを目指す学生
生命科学科:あらゆる生物の生命現象を分子レベルで解析・解明し、生物個体の多様な生命現象のメカニズムや生物間の相互関係などを探り、生命全般や地球的な環境の問題の解決に貢献することを目指す学生
食料環境政策学科:人類の生存基盤と福祉に関わる食料・農業問題と環境・資源問題について、社会科学の観点から、個人、地域から地球規模までを広く視野に入れ、問題解決への道筋を考究し、行動できるような専門性と総合性を兼ね備えた人材となることを目指す学生
出願資格
次に掲げるア~エのいずれかを満たし、かつ、各学科の要件①または②の条件を満たす者。
ア 2020年4月1日から2021年3月31日までに高等学校(特別支援学校の高等部を含む。)若しくは中等教育学校を卒業または卒業見込みの者。
イ 2020年4月1日から2021年3月31日までに高等専門学校の第3学年を修了または修了見込みの者。
ウ 2020年4月1日から2021年3月31日までに文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程又は相当する課程を有するものとして認定又は指定した在外教育施設の当該課程を修了または修了見込みの者。
エ 専修学校の高等課程(修業年限が3年以上であること、その他の文部科学大臣が定める基準を満たすものに限る。)で文部科学大臣が別に指定するものを、2020年4月1日から2021年3月31日の間かつ文部科学大臣が定める日以後に、修了または修了見込みの者。
農学科
①全体の評定平均値(学習成績の状況)が4.0以上の者
②在学中に学業以外に優れた活動歴がある者で、全体の評定平均値(学習成績の状況)が3.5以上の者
農芸化学科
①全体の評定平均値(学習成績の状況)が4.3以上の者
②在学中に学業以外に優れた活動歴がある者で、全体の評定平均値(学習成績の状況)が4.0以上の者
生命科学科
①全体の評定平均値(学習成績の状況)が4.0以上の者
②在学中に学業以外に優れた活動歴がある者で、全体の評定平均値(学習成績の状況)が3.5以上の者
※学業以外の優れた活動歴では特に研究発表・懸賞論文分野の実績のある者を重視します。
食料環境政策学科
①全体の評定平均値(学習成績の状況)が4.0以上の者
②在学中に学業以外に優れた活動歴がある者で、全体の評定平均値(学習成績の状況)が3.5以上の者
選抜方法
書類選考を行い、通過した者のみ二次選考に進みます。二次選考では、オンラインでの特別講義動画を受講し、その内容に関するレポート提出及びオンライン個別面接試問を行います。
行っておきたい対策
まずは、各学科の出願資格を満たせるよう、評定平均の向上に努めましょう。学校での学びに重点を置き、定期テキスト対策、提出物、授業態度などさまざまな要因に気を配りながら全体の評定平均値を最低でも4.0にしておくことが大切です。
総合数理学部の総合型選抜募集要項
総合数理学部の総合型選抜募集要項について詳しく解説します。
アドミッションポリシー
直感では理解できない複雑性に富んだ問題を抱える現代社会において、“モノや構造を支配する原理”を見出す数理科学を用いて、自然や社会、人間に対して新たな価値を生み出し、大きな変化(イノベーション)をもたらすことができる人材が求められています。
総合数理学部は、「社会に貢献する数理科学の創造・展開・発信」を理念に掲げ、幅広い好奇心と健全な社会常識をそなえ、普遍的かつ強力なツールである数理と情報についての知識と技術をもって現代社会の諸問題に対処し、国際的に活躍できる人材の育成を目標にしています。このような理念と目標を実現するため、次のような学生を求めています。
- 本学の建学の精神「権利自由、独立自治」に基づき、世界を見据えて自らの使命、役割を自覚し、他者との連携・共生をはかりながら、自らの「個」を確立できる学生
- 社会や自然における事象に広く関心を有し、数理科学の探究に挑戦する意欲を持つ活力にあふれる学生
- 人とのかかわりに積極的な姿勢を有し、人と社会に豊かさをもたらす新しい概念・価値観を生み出していこうとする意欲のある学生
出願資格
次の(1)~(3)の全てに該当する者
(1)本学部現象数理学科、先端メディアサイエンス学科での勉学を強く希望し、第一志望として入学を志す者
(2)次に掲げるア~ウのいずれかに該当する者
ア 高等学校又は中等教育学校を卒業した者及び2021年3月卒業見込みの者
イ 通常の課程による12年の学校教育を修了した者及び2021年3月修了見込みの者
ウ 文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程又は相当する課程を有するものとして認定又は指定した在外教育施設の当該課程を修了した者及び2021年3月修了見込みの者
(3)出願する学科が定める次の条件を全て満たす者
【現象数理学科】
ア 高等学校新教育課程履修者は、新教育課程における「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」「数学Ⅲ」「数学A」「数学B」又はこれらに相当する科目を履修している又は履修見込みであること。
イ 高等学校等における数学の学習成績の状況が4.0以上で、かつ、理科の学習成績の状況が3.8以上であること。
もしくは、在学中の学業成績以外で、数学又は理科に関する特筆すべき活動歴があること。
【先端メディアサイエンス学科】
ア 独自に考えたコンピュータプログラムを作成したことがあり、その内容を第三者に説明できること。
選抜方法
書類選考を行い、通過した者のみ二次選考に進みます。二次選考は、学科によって実施内容が異なります。
現象数理学科では、数学の学力試験90分、面接試問20分が実施されます。
先端メディアサイエンス学科では、自身が作成したコンピュータープログラムのプレゼンテーション5分、口頭試問25分が実施されます。
行っておきたい対策
現象数学学科を志望する場合は、数学と理科の学業成績を向上させておきましょう。どちらも評定平均を一定水準保持しておく必要がありますので、受験勉強だけではなく高校の定期テスト対策を行います。
先端メディアサイエンス学科では、自身で独自に考えたコンピュータープログラムを作成した経験が欠かせません。どんな目的で、どう作成し、どう役立てていきたいツールなのか、目的と理念をはっきりさせた上で作成を薦めましょう。
政治経済学部の総合型選抜募集要項
政治経済学部の総合型選抜募集要項について詳しく解説します。
アドミッションポリシー
政治経済学部は、「政治を解せずして経済を分からず、経済を分からずして政治を解せず」を理念として創立されました。
この理念は、急速にグローバル化の進む今日においても、複雑な社会を読み解くための基本方針となっています。その上で、教育目標として「教養豊かな専門人の育成」を標榜し、政治・経済・行政に加えて、社会・文化を有機的に学べるよう、カリキュラムが組まれています。
こうした教育目標を十分に達成するため、広い教養(政治学、行政学、経済学、社会学、歴史・思想・文化論、地域論までを含む多様で広範な学問)に裏打ちされた、闊達な国際人を目指す学生を求めます。
出願資格
(1)本学部での勉学を強く希望する者
(2)次のア~クのいずれかを満たす者
ア 高等学校(特別支援学校の高等部を含む)もしくは中等教育学校を2019年4月1日から2021年3月31日までに卒業(修了)又は卒業(修了)見込みの者。
イ 通常の教育課程による12年の学校教育を2019年4月1日から2021年3月31日までに修了又は修了見込みの者。
ウ 外国において、学校教育における12年の課程を2019年4月1日から2021年3月31日までに修了又は修了見込みの者。
エ 文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程又は相当する課程を有するものとして認定又は指定した在外教育施設の当該課程を2019年4月1日から2021年3月31日までに修了又は修了見込みの者。
オ 専修学校の高等課程(修業年限が3年以上であること、その他の文部科学大臣が定める基準を満たす者に限る。)で文部科学大臣が別に指定するものを文部科学大臣が定める日以降に、2019年4月1日から2021年3月31日までに修了又は修了見込みの者。
カ 文部科学大臣が指定した者
キ 高等学校卒業程度認定試験に2019年4月1日から2021年3月31日までに合格又は合格見込みで、2021年3月31日までに18歳に達する者。
ク 本学において、個別の入学資格審査により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で2021年3月31日までに18歳に達する者。
(3)外国語検定試験の基準を満たす者
選抜方法
総合試験と面接試問の2つを行います。総合試験においては、評論、随筆、グラフ、票、データなど与えられた資料を元に、日本語で解答・記述を行う総合問題が出題されます。
行っておきたい対策
まずは、出願資格にもなってる外国語検定試験の基準を満たしましょう。TOEFL、TOEIC、TEAP、DELF、HSKなど複数の外国語試験が用意されていますので、願書提出期限から遡って2年以内に基準を満たす必要があります。
その上で、総合試験対策を行います。複数の資料を参照の上解答する形式ですので、データを活用しながら自身の考えを伝える小論文対策や、科目ごとの記述問題対策に力を入れるのが理想です。
まとめ
明治大学の総合型選抜入試は、多くの学部学科に対して門戸が開かれている一方、それぞれの特色に合わせた自由な出願資格、選抜方法を設けているのが特徴的です。自分がどんな学びを深めたいかを固め、早い段階から準備に取りかかる必要があります。
選考当日は自分の考えや知見を広く分かりやすく伝える技術も問われますので、普段から自分オリジナルの考えを持つよう意識しておくことが重要です。