総合型選抜(旧AO入試)とは?出願条件や選考方法別の対策など

Edv Magazine 編集部

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総合型選抜(旧AO入試)とは?出願条件や選考方法別の対策など

2021年度からセンター試験に変わって「大学入学共通テスト」が実施されます。それに伴い推薦入試・AO入試の名称や内容が変わることを知っていましたか?

これまで推薦入試(指定校推薦・公募推薦)と呼ばれていた入試が「学校推薦型選抜」に、そしてAO入試が「総合型選抜」に名称が変更となりました。名称だけでなく日程や試験内容にも変更があります。

特に総合型選抜(旧AO入試)は、国立大学がこの5年で募集人員を1.6倍に増やすなど注目が集まっています。

今回は、総合型選抜の概要やスケジュール、選考方法と対策など幅広く紹介します。

総合型選抜とは

総合型選抜とは各大学・学部・学科が求める学生像(アドミッションポリシー)に合った学生を選抜する方法で、以前はAO入試とも呼ばれていました。

学力検査だけでは測れない意欲や関心を重視するための選考方法として調査書や小論文・プレゼンテーションなどが取り入れられています。

ただし、2021年度の入試からは総合型選抜においても独自の学力検査や小論文・口頭試問・大学入学共通テストなど、学力を見るための評価方法を必ず活用することが義務付けられました。

大学で何を学びたいのかじっくりと考えた上で出願できるので、学生の入学後の満足度が高いのも特徴です。

下記は、入試方法別に学生の「所属学部・学科の満足度」「学生生活の充実度」「授業等、成果教育全体満足度」について回答したものをまとめた表です(参照:私立大学学生生活白書2018)。表をご覧の通り、入学後の満足度は総合型選抜入学者が比較的高いことがわかります。

AO自己推薦入試(総合型選抜)推薦入試一般入試(センター併用含む)センター試験のみ
「所属学部・学科の満足度」で「よかった」と答えた割合69.2%68.3%67.5%60.0%
「学生生活の充実度」で「充実している」と答えた割合32.6%31.3%30.6%27.4%
「授業等、成果教育全体満足度」で「大変満足」と答えた割合9.7%8.0%5.9%5.3%

大学側としても意欲の高い学生を選抜できるため、総合型選抜は今後もますます重要視される選考方法といえるでしょう。

総合型選抜と学校推薦型選抜の違い

どちらの選考方法も高校生活での活動が評価され、「本人の学びたいこと」と「大学の求める学生像」がマッチしやすいという共通点があります。

違いとしては、自由に出願できるかどうかという点があります。

総合型選抜では出願資格を満たしていればどの高校からも出願できます。また高校ごとの定員も定められていません。

一方で、学校推薦型選抜の指定校推薦においては、大学が指定した高校の生徒でないと出願資格がありません。また、公募制の学校推薦型選抜の場合はどの高校からも出願が可能ですが、高校の推薦状が必要なケースや、高校ごとに定員が決められていることがほとんどです。

参考:学校推薦型選抜とは?国立・私立での違いや選考方法別の対策など

総合型選抜の出願条件

総合型選抜の出願条件は各大学・学部によりさまざまですが、「アドミッションポリシーに賛同できる」という条件が多くの大学に共通しています

アドミッションポリシーとは大学の理念などに基づきどのような学生に入学してもらいたいかを定めたものです。大学が自分に合っているか確認するためにも志望校選びの際には必ず確認しましょう。

その他にもさまざまな出願条件・要件があります。以下に一例を紹介します。

  • 現役生・既卒生(卒業して何年以内)の指定
  • 調査書の評点
  • 高等学校等で特定の科目を履修
  • 指定した検定を取得
  • コンクールでの入賞歴
  • 部活の大会の成績
  • 合格後入学を確約
  • オープンキャンパスへの参加

出願条件を見てみると総合型選抜では、主体的に活動できる能力入学後の学びへの意欲を評価している傾向にあることが分かります。

かなり厳しい条件を課す大学もあれば、比較的条件をクリアしやすい大学もあります。総合型選抜を希望する場合はまず出願条件を確認しましょう。アドミッションポリシーや出願条件は各大学のHPやパンフレットに記載されています。

参考:【全国65校】大学別アドミッションポリシーまとめ【大学選び・推薦対策】

(例)京都大学 総合型選抜の出願条件

国立大学の京都大学では2016年度の入試から「特色入試」という名称の総合型選抜を導入しています。京都大学のいくつかの学部について総合型選抜の出願条件(2020年度)を紹介します。※年度によって内容が変更になる可能性があるので、詳細は必ず公式サイトで確認してください。 

総合人間学部

総合人間学部では次の出願条件をすべて満たす必要があります。

  • 現役生または既卒生(1年以内)
  • 本学総合人間学部での学びを強く志望し、合格した場合は必ず入学することを確約
  • 調査書の全体の評定平均値4.3以上
  • 大学入学共通テストにおいて指定した教科・科目の受験

経済学部

経済学部では調査書の提出は必要ですが、評定平均の基準はありません。

  • 現役生または既卒生(1年以内)
  • 本学経済学部での学びを強く志望し、合格した場合は必ず入学することを確約
  • 大学入学共通テストにおいて指定した教科・科目の受験

薬学部薬科学科

薬学部薬科学科では英語民間試験のスコアの基準があります。

  • 現役生
  • 本学薬学部薬科学科での学びを強く志望し、合格した場合は必ず入学することを確約
  • 調査書の全体の評定平均値4.3以上
  • TOEFL iBTで75点以上、IELTS(アカデミック・モジュール)でオーバーオールバンドスコア5.5以上、英検準1級以上合格のうち、いずれか一つ以上を満たすこと
  • 大学入学共通テストにおいて指定した教科・科目の受験

慶應義塾大学 総合型選抜の出願条件

私立大学の慶應義塾大学ではいくつかの学部で総合型選抜を行っています。ここでは3つの学部の出願要件(2021年度)を紹介します。※年度によって内容が変更になる可能性があるので、詳細は必ず公式サイトで確認してください。

文学部

文学部では「自主応募制による推薦入学者選考」という名称で総合型選抜を行っています。慶應義塾大学の文学部で学びたいという意欲を強く持った高校生に入学してもらうための選考方法です。

  • 本学文学部での勉学を強く志望し、本学文学部を第一志望として入学を希望する者
  • 現役生
  • 高等学校全期間(最終学年の第1学期まで、2期制の場合は前期まで)の調査書の「全体の学習成績の状況」が4.1 以上

法学部

法学部では「FIT入試」という名称で総合型選抜を行っています。「FIT入試」にはA方式(従来型)、B方式(地域ブロック枠)がありますがここではA方式の出願要件を紹介します。

  • 現役生または既卒生
  • 本学法学部(法律学科または政治学科)への志望理由、および入学後の目標と構想が明確であり、第一志望としていずれかの学科での勉学を強く希望する者
  • 学業を含めたさまざまな活動に積極的に取り組み、優れた実績をあげた者

理工学部

理工学部では「AO入試」という名称で総合型選抜を行っています。一定以上の学力があり、明確な志望動機を持った受験生のための選考方法です。

  • 現役生
  • 本学理工学部での勉学を強く志望し、明確な目標をもって、本学部を第一志望とする者
  • 高校在学時に国際数学オリンピック入賞・部活での全国大会出場など優れた実績を残し証明できる者
  • 調査書の欠席日数の合計が30日以内の者
  • 高等学校全期間(卒業見込みの者は、第3学年第1学期まで)に履修したすべての教科・科目の全体の学習成績の状況が4.1以上であること
  • 数学I・数学Ⅱ・数学Ⅲ・数学A・数学B、物理基礎・物理・化学基礎・化学をすべて履修し、すべての評定が4以上であること
  • 外国語については、コミュニケーション英語Ⅰ・コミュニケーション英語Ⅱを含み、合計14単位以上を修得していること。

総合型選抜のスケジュール

総合型選抜のスケジュールは文科省によって次のように決められています。

6~7月募集要項配布開始
7~8月願書配布
9月~出願・選考
11月~合格発表・入学手続き
1月大学入学共通テスト(※共通テストを課す場合のみ)

総合型選抜の選考方法と対策

総合型選抜では調査書などの書類選考を基本必須として、各大学がアドミッションポリシーをもとにいくつかの選考方法を取り入れています。

選考方法は各大学・学部の求める学生像によってさまざまですが、どの選考方法でも「入学を強く希望していること」「大学のアドミッションポリシーが自分に合っていること」をいかにアピールできるかがポイントです。

ここでは主な選考方法と対策を紹介します。

書類選考

どの大学の総合型選抜でも基本必須とされるのが書類選考です。高校での学業成績・内申点等が記載された「調査書」や、その大学・学部になぜ入学したいのかを書いた「志望理由書」、入学後具体的にどのように学習を進めていくのかを書いた「学習計画書」などが選考に利用されます。

書類選考の対策

書類選考で必ず評価としてみられる「調査書」は、勉学・部活・課外活動など高校生活の総合評価が記されたものです。日々の学業に力を入れるのはもちろん、学内の活動や興味関心のある分野に積極的に挑戦しましょう。

「志望理由書」や「学習計画書」を書く際は大学・学部のことを理解したうえで、自分の目標や夢を明確に述べ、いかにしてそれらを大学で成し遂げていくか論理的にアピールします。アドミッションポリシーに目を通すのはもちろん、最新の研究内容等もチェックしておきましょう。

小論文

与えられたテーマについて論述したり、課題文を読んで自分の意見や考えを論理的に述べる試験です。思考力や論理力・表現力があるかが問われます。課題の内容は大学・学部によって異なり、志望理由や一般的な時事問題に対する意見を求めるものから志望する学科の専門的な内容を論ずるものまでさまざまです。

小論文の対策

小論文は事前の練習が不可欠です。日頃から過去に出題されたテーマを調べて練習をしておきましょう。論文は結論ありきです。ただの感想文にならないよう、論拠や事例を添えて主張を展開することが大切です。

また独学でスキルアップするのは難しいので学校や塾の先生に添削をお願いしましょう。小論文の模擬試験を活用するのも効果的です。

面接・プレゼンテーション

面接は面接官の質問に答える形で、志望理由や高校生活で力を入れてきたことなどを伝える試験です。形式は一対一や集団面接、グループでディスカッションすることもあります。

プレゼンテーションはテーマに沿って発表を行います。口頭での発表だけでなく資料を事前に用意したり、ホワイトボードを利用したりすることもあります。コミュニケーション能力や表現力をみる試験方法として昨今多くの大学で取り入れられています。

面接・プレゼンテーションの対策

面接の対策としては模擬面接があります。先生や保護者に面接官の役割をしてもらい、実際の面接と同じような形式で練習をしましょう。「志望動機」や「大学で学びたいこと」といった定番の質問だけでなく、過去の質問事項や傾向を調査し、想定しうる質問に答えられるよう準備をしておくことが大切です。

プレゼンテーションでは、いきなり資料を作り始めるのではなく、まずどういうテーマで何を伝えたいかを明確にします。それからそれを伝えるためにどんな材料(根拠、例示、データ、図表等)が必要か整理したうえで、資料の作成にとりかかります。はじめから完璧を求めすぎず、50〜60%程度の完成度でいいので作成しましょう。

一旦作成したら先生や家族に発表を見てもらいましょう。そして率直な評価・感想をもらい、資料を改善していきます。作成→発表→改善→発表……とプロセスを繰り返すことで、プレゼンの完成度が上がるだけでなく、テーマに対する理解度が深まり、発表を行ううえでの自信も培われます。

また声の大きさ、視線の位置、姿勢、表情も重要となります。プレゼンの様子をスマホで録画し、振り返るのもおすすめです。発表内容を台本を見ず、そらで言えるようになるまで練習を繰り返しましょう。

模擬授業・セミナー

模擬授業やセミナーは、実際に大学の講義を受けて、グループディスカッションをしたりレポートをまとめたりする選考方法です。オープンキャンパスで行われる模擬授業(セミナー)に参加することが出願資格となっている大学もあります。

模擬授業・セミナーの対策

模擬授業やセミナー入試で問われることは、受講態度や講義のポイントを捉える力、レポートをまとめる力等です。日頃の学校の授業をしっかり受けることが一番の対策になります。また、参加型の模擬授業では意見を述べたり、グループの意見をまとめたりするなど積極的な姿勢も見せましょう。

学力試験

2021年度から文部科学省の規定により、総合型選抜において書類選考だけでなく、小論文や面接などの各大学が実施する評価方法、もしくは大学入学共通テストの活用が必須化されました。そのため大学独自の筆記試験や大学入学共通テストを課す大学が増えています。

学力試験の対策

一般入試を受けるつもりで日頃から学習をしておくことが大切です。大学入学共通テストには過去問がありませんが、共通テスト対策問題集などで対策ができます。共通テスト対策模試も各予備校で実施されているので積極的に利用しましょう。

実技試験

体育系や芸術系に力を入れる大学・学部では実技試験を行うことがあります。高校生活でその分野の活動をやってきたことを示すとともに、技術の習熟度をみせることができます。

実技試験の一例は下記のとおりです。

  • バレーボール・マット運動など(体育系)
  • ピアノ・声楽など(芸術系)
  • デッサン(美術系・建築科)

実技試験の対策

実技試験の内容は大学・学部により異なるのでまずどのような実技試験が課されるのか確認しましょう。専門的な内容であるケースもあり、専門の塾に通い練習をする必要があることもしばしばあります。

あとは過去の試験内容から傾向を把握しつつ、日頃の能力を最大限発揮できるように練習を重ねていきます。実技試験において一定の条件(材料や場所など)が課されることがあらかじめ分かっている場合は、練習も試験と同一条件下で行うとよいでしょう。

総合型選抜が向いている人

ここでは総合型選抜が向いている人について詳しく解説します。

力を入れて活動している分野がある人

高校生活の中で特に力を入れて活動している分野がある人は、特定の能力や主体性があることをアピールポイントにできるので総合選抜に向いているといえます。

例としては次のような活動があります。

  • 地域のボランティア活動
  • 部活動で全国大会に出場
  • コンテストで優秀な成績を収める
  • 英検1級など検定・資格試験を取得
  • 海外留学

具体的な将来の夢を持っている人

総合型選抜では、ただ優秀な生徒ではなく、明確な目標をもって主体的に活動している生徒を求めている傾向にあります。そのため、具体的な将来の夢を持ち、その夢を叶えるために大学でどんなことを行っていきたいかプランを持っている人は向いています。

自分の考えを的確に表現できる人

夢や能力を持っていたとしても、それをきちんと表現できる人でなければ総合型選抜ではなかなか選ばれません。実際、アドミッションポリシーで表現力や発信力に重きを置いている大学も多くあります。

まとめ

2021年度の入試改革にともない従来のAO入試は総合型選抜に変更となり、これまであまり重視されなかった「学力」にも一定の比重が置かれるような動きになっています。総合型選抜を目指す人は学業にもこれまで通り力を入れつつ、志望校対策を行っていきましょう。

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