学校推薦型選抜とは?国立・私立での違いや選考方法別の対策など

Edv Magazine 編集部

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学校推薦型選抜とは?国立・私立での違いや選考方法別の対策など

推薦入試による大学入学者は年々増加の傾向にあり、2016年度には全体の34.8%、2017年度には35.2%、2018年度には35.5%の人が推薦入試によって進路を決定しています(※)。

2021年度には大学入試制度が改革され、これまでの推薦入試は「学校推薦型選抜」と名を改めて行われることになりました。

今回は、学校推薦型選抜の概要やスケジュール、選考方法別の対策など幅広く紹介します。

※参考:平成30年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要|文部科学省

2021年度の入試制度は大きく変わる!

2021年度の入試制度は、これまでと大きく変わります。文部科学省が定めた、「知識と技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働生」の3要素を評価する方針へと変わり、これまでの学力試験偏重型入試が見直されるようになりました。

ここではまず2021年度の入試がどう変わっていくのか、解説します。

「推薦入試」が「学校推薦型選抜」に変わる

これまで「推薦入試」と呼ばれていた入学試験方法が「学校推薦型選抜」という名称に変わります。制度内容そのものに大きな変化はなく、指定校推薦と公募制推薦に分かれていて、学校の推薦を必要とする入試形態です。

評価基準は学校によって多岐に渡り、学力、生活態度、スポーツ、文化活動、資格などさまざまな分野に特化した評価が行われる傾向にあります。

「センター試験」が「大学入学共通テスト」に変わる

これまで「大学入試センター試験」と呼ばれていた大学の共通入学試験が「大学入学共通テスト」に変わります。これまでは知識や技能を問うような問題が多く出題されていましたが、これからは思考力や判断力、表現力を問う出題形式に変わっていきます。

具体的には、英語におけるリスニングテストとリーディングテストの割合が半々になったり、国語における文章問題が図表やグラフも用いながら正しく情報を読み取る能力を試される形式になったり、随所に変化が見られるようになりました。出題範囲や知識レベルは同等であっても、より「自ら考える力」が問われるようになっています。

ただし、2021年度の大学入学共通テストは通常予定していた1日程+特例追加試験で行われるのではなく、2日程+特別追加試験という合計3日程で行われるようになりましたので、注意しましょう。新型コロナウイルス感染症に伴う勉強の遅れに配慮された特別枠ですので、当初公表されていた日程と異なります。

「一般入試」が「一般選抜」に変わる

これまで「一般入試」と呼ばれていた入学試験方法が「一般選抜」という名称に変わります。全国統一で行われる大学入学共通テストに対し、一般選抜は大学ごとに異なる独自の試験が課されますので、志望校が決定し次第、出題傾向を詳しく調べて対策していきます。

選抜や評価の方法もさまざまで、全学部統一で出願できる「全学部統一入試」、自分の得意科目や学部ごとに特に重視したい科目の点数を高く評価する「得意科目重視型(科目選択型)入試」、3月に2次募集される「後期日程入試」など、大学により異なります。こちらも併せてチェックしておきましょう。

「AO入試」が「総合型選抜」に変わる

これまで「AO入試」と呼ばれていた入学試験方法が「総合型選抜」という名称に変わります。Admissions Office(入学事務局)による選考としての意味合いが強く、大学が定めるアドミッションポリシーや求める学生像に合った学生を優先的に合格させる入試形態です。

面接や小論文を中心として合否を決定するスタイルは継続しますが、人柄だけではなく学力についても同等の比率で評価されるようになったため、「総合型選抜」という名がつけられました。

参考:総合型選抜(旧AO入試)とは?出願条件や選考方法別の対策など

学校推薦型選抜とは

学校推薦型選抜とは、高校の推薦を得て出願をする入試制度のことです。学校推薦型選抜には大きく分けて「指定校推薦」と「公募制推薦」の2種類があります。それぞれの仕組みについて解説します。

指定校推薦

指定校推薦とは、大学が指定した高校に所属する生徒にのみ出願資格がある入試制度です。これまで大学側が受け入れてきた学生たちが優秀な成績を残した場合に、母校である高校に推薦枠が用意されるというのが一般的で、単願でその大学を目指す現役生のみチャレンジできます。

1人~3人程度の少人数の枠で募集されていることが多く、人気大学はあらかじめ高校の学内選考でふるいにかけられることになるため、高校1年生から十分な学業成績を残していく必要があります。

公募制推薦

公募制推薦は、大学が求める条件をクリアした上で高校の推薦をもらうことにより出願資格を獲得できる入試制度です。全国の高校から幅広く出願可能で、大学によっては浪人生からの出願も受け付けています。

公募制一般選抜

成績に基準を設けて行われることが多く、他の推薦入試と比較して募集定員が多いのが特徴です。高校での学業成績が優れている人や、苦手科目が少ない人に向いています。

公募制特別選抜

成績以外にも、スポーツや文化活動の分野で秀でた成績を残してきた人を評価する方式です。具体的には、全国や県大会レベルでの入賞を条件とした「スポーツ推薦」、コンクールやコンテストでの上位入賞を条件とした「文化活動推薦」、英語や簿記など指定の資格を取得しているか取得する熱意が非常に高い学生であることを条件とした「取得資格推薦」、生徒会やクラブ活動でのリーダーシップ経験を積んできたことを条件とした「課外活動推薦」、ボランティア活動や地域活動での実績を条件とした「社会活動推薦」、上記に当てはまらないような得意分野や優れた能力を持っていることを条件とした「一芸一能推薦」など、種類は多岐に渡ります。

高校3年間で特に優れた成績を残してきた人や、他の人にはない光る一面を持っている人は、特別推薦にチャレンジしてみるのもよいでしょう。

学校推薦型選抜における国立と私立の違い

学校推薦型選抜は、国立大学でも私立大学でも採用されています。ここでは、それぞれの違いについて解説します。

国立大学における学校推薦型選抜

私立と比較して、非常に定員枠が少ないのが特徴です。また、指定校推薦を採用している国立大学はなく、公募制推薦による募集のみ実施されています。

「高校3年間における評定平均が4.0以上」「高校3年間における英語の評定平均が4.5以上、それ以外の科目については4.0以上」など厳しい成績基準を設けている大学が多く、最低でもオール4以上の学力を維持しておく必要があります。また、1つの高校からの推薦人数に限りを設けている場合もあり、その際は私立大学における指定校推薦同様、学内選抜が行われます。

試験内容は私立大学以上に幅広く、通常の書類選考や面接に加え、小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、科目テストなどを追加で行う大学も少なくありません。

地方国立大学では、その地域出身の学生を優先的に入学させる「地域枠」や、医科歯科系大学において卒業後にその地域で就職することを条件に入学させる「就職枠」なども用意されていることがあります。

私立大学における学校推薦型選抜

国立大学と比較して、定員枠が多く、全体の40%が学校推薦型選抜による入学者で占められている大学もあります。成績基準を国立大学同等のレベルで厳しく設けている大学もあれば、成績ではなくこれまでの活動や人柄を評価する大学もあり、バリエーションに富んでいます。

試験内容は、調査書やエントリーシートなどの書類選考、面接、小論文、科目テストなどが設けられています。スポーツ推薦や文化活動推薦の場合は、面接も兼ねて実技試験がある可能性もあります。

学校推薦型選抜の出願資格

学校推薦型選抜の出願資格は、大学や推薦形式によって大きく異なります。指定校推薦や公募制一般推薦であれば高校在学中の学力、公募制特別推薦であれば大会やコンクールでの実績、生徒会やボランティア活動における表彰など、活動実績が一目で分かるものが求められる傾向にあります。

志望する学部によっては語学検定のスコアが求められる可能性もあるので、志望校を決める段階でチェックしておきましょう。

(例)早稲田大学人間科学部 公募制一般選抜の出願資格

例として、早稲田大学人間科学部の公募制一般選抜の出願資格をみていきましょう。以下、1~4のすべて、および5または6のいずれかの要件を満たしていることが必須とされています。

  1. 学校長が推薦する者で、当学部への入学を第一志望とし、合格した場合は入学を確約できる者
  1. 2020年3月に高等学校または中等教育学校を卒業見込みの者。ただし、文部科学省の認める在外教育施設(日本の高等学校に相当する)を2019年4月1日以降に卒業した者、および2020年3月に卒業見込みの者も含む
    (※在学教育施設とは、海外において主に日本人を対象に日本の教育制度を実施している文部科学省大臣認定在外教育姿勢を指します。日本の教育制度に基づく高等学校または中等教育学校からの志願者で、在学中の留学により卒業期が繰り下がり、2019年度内の卒業となったものを含みます。)
  1. 高等学校または中等教育学校後期課程の1年1学期または前期から3年(4年制定時制は4年)1学期または前期までの調査書記載の「全体の評定平均値」が3.9以上(小数点以下第2位を四捨五入)の者で、「理科」および「国語」のそれぞれ3科目以上を履修し、「理科」および「国語」で履修したすべての科目を合わせた評定平均値が4.3以上(小数点以下第2位を四捨五入)の者
    (※所属している学校のカリキュラムにおいて、「理科」や「国語」に相当する科目を独自の科目名称により履修している場合など、調査書記載の科目数が「『理科』および『国語』のそれぞれ3科目以上」に不足することがあります。)
    (※スーパーサイエンスハイスクール(SSH)やスーパーグローバルハイスクール(SGH)など、独自の理数系科目に重点をおいたカリキュラムにおいて、数学および理科の内容に相当する、またはそれ以上高度な内容をカリキュラム独自の科目名称により履修している場合や、「理系数学」「理系物理」「理系化学」「理系生物」など発展的な内容を履修している場合は、その科目を数学・理科に振り替えても支障ありません。)
  1. 高等学校または中等教育学校後期課程の1年1学期または前期から3年(4年制定時制は4年)1学期または前期までの調査書記載の「欠席日数」が40日以内である者 

以下5または6のいずれかを満たすこと

  1. 学部の指定する外国語資格・検定試験のいずれか1つのスコア、結果を提出できる者
  1. 国際バカロレア資格を取得見込みの者
    (※出願時にはIB Predicted Scoreを提出してください。)
    (※学校教育法の第1条に規定されているIBプログラムを実施している教育施設在籍者を対象とします。)

学校推薦型選抜のスケジュール

学校推薦型選抜は、冬に行われる大学入学共通テストや一般選抜と大きくスケジュールが異なります。指定校推薦お公募制推薦のスケジュールについて、それぞれ紹介します。

指定校推薦のスケジュール

6月~募集要項配布開始
7~10月校内選考
11月~出願
11~12月選考
12月~合格発表・入学手続

公募制推薦のスケジュール

6月~募集要項配布開始
8~10月願書配布
11月~出願
11~12月選考
12月~合格発表・入学手続

学校推薦型選抜の選考方法と対策

学校推薦型選抜の選考方法は、推薦の形式や大学ごとによって大きく変わります。ここでは、主な選考方法と今から始められる対策について解説します。

書類選考

学校推薦型選抜における書類選考は、調査書や推薦書による評価と、事前に提出する志望書やエントリーシートによる評価の2種類に分けられます。どんな推薦方式であっても必ず書類選考は行われますので、十分対策しておきましょう。

調査書は主に高校の学業成績ついて記されることが多く、推薦書では日々の生活態度や部活動での頑張りなど、数字として現れないアピールポイントについて記されます。志望書やエントリーシートでは志望動機や入学後のビジョン、将来の展望について問われるのが一般的です。

書類選考の対策

まずは日々の授業を主体的に臨み、高い成績を維持するようにしましょう。万全の対策をして定期テストに臨むのはもちろん、ノートやレポートなどの提出物、体育や音楽などでの実技試験にも手を抜くことはできません。学校推薦型選抜における調査書には全科目の成績で計算した評定平均が記されますので、苦手科目を作らないことも大切です。

エントリーシートを作成する際は、進路指導の教師、保護者、友人など客観的な視点を借りながら丁寧に自己分析していきましょう。なぜその大学に入りたいのか、どんな点に惹かれたのか、どんな力を身に付けて、どんな形で社会に貢献し、自己実現したいのかを考えるのがポイントです。

小論文

小論文のテーマは幅広く、自分の考えを述べるようなものから、与えられた図表やグラフの分析を行って分かりやすく解説するようなものまでさまざまです。

学習院大学の史学科において「あなたが今までに読んだ歴史にかかわる書物を1冊(またはそれ以上)取り上げ、その書物の著者の言いたいことを説明し、そのことについてあなたの考えを述べなさい」というような読書歴を問うような形式が出題されたり、東京成徳大学の応用心理学科において「社会や組織の中では、多くの人々が認める「正論」であってもその通りにならない事柄がよくある。なぜこのようなことになってしまうのか、あなたの考えを述べなさい」という考え方の根幹を問うような形式が出題されたり、大学や学部による差も大きくなります。

小論文の対策

普段から志望大学の情報を収集し、大学がどんな学生を求めているのかを理解するよう努めましょう。学部ごとのアドミッションポリシーを読み解けば、さらに理解度は深まります。

また、日常的に時事ニュースに触れ、世の中のトレンドやホットワードにアンテナを高く張っておきましょう。友人や家族らとそれらを話題にして自分の意見を述べられるようになるとさらに効果的です。

面接

選考方法の組み合わせは学校ごとに異なりますが、9割以上の大学が面接による選考を採用しています。ほぼ必ず通らなければいけない道ですので、十分な対策をしておきましょう。

面接の対策

面接で判断されるのは、マナー、態度、志望意欲の高さなどです。エントリーシートを通じて志望動機や入学後のビジョンは伝えられるので、まずはマナーや態度をきちんとできるよう練習しておきましょう。入退室時の作法や、椅子への座り方、受け答え時の敬語表現などについて勉強していくのが近道です。

緊張してしまうのは仕方ないですが、頭が真っ白になって言おうと思っていたことが言えなくなるような事態を避けるために、先生に協力してもらって模擬面接を重ねましょう

プレゼンテーション

与えられたテーマや自由課題について発表資料をまとめ、制限時間内にプレゼンします。プレゼンテーションにおいて、わかりやすさはもちろん、何を伝えるか、どう表現するか、聞く人をどれだけ納得・共感させられるかがポイントとなります。

プレゼンテーションの対策

いきなり資料を作り始めるのではなく、まずどういうテーマで何を伝えたいかを明確にします。それからそれを伝えるためにどんな材料(根拠、例示、データ、図表等)が必要か整理したうえで、資料の作成にとりかかります。はじめから完璧を求めすぎず、50〜60%程度の完成度でいいので作成しましょう。

一旦作成したら先生や家族に発表を見てもらいましょう。そして率直な評価・感想をもらい、資料を改善していきます。作成→発表→改善→発表……とプロセスを繰り返すことで、プレゼンの完成度が上がるだけでなく、テーマに対する理解度が深まり、発表を行ううえでの自信も培われます。

また声の大きさ、視線の位置、姿勢、表情も重要となります。プレゼンの様子をスマホで録画し、振り返るのもおすすめです。発表内容を台本を見ず、そらで言えるようになるまで練習を繰り返しましょう。

学力試験

学校推薦型選抜であっても、学力の定着度合いを確認するために学力試験を設ける大学が多くなってきています。

学力試験の対策

一般選抜の過去問に一通り取り組み、満点が取れるようになるまで繰り返しチャレンジしましょう。志望学部ごとに偏重評価する科目が異なるケースもあるので、評価ポイントをチェックした上で特定科目を重点的に対策するのもおすすめです。

大学入学共通テスト

学力試験同様、受験生の学力を大学入学共通テストで評価する大学も増えています。

大学入学共通テストの対策

学校推薦型選抜だからと気を緩めることなく、他の受験生同様に大学入学共通テストへの対策をしていきます。予備校の模試で判定欄に志望校を記入して受験し、最低C判定以上の結果が出るまで勉強あるのみです。

実技試験

公募制特別推薦など、特定の能力を評価して選考される場合は、実技試験が伴います。音楽系の実技試験であれば課題曲と5分以内の自由曲、美術系の実技試験であれば時間内でのデッサン、スポーツ系の実技試験であれば指定種目のパフォーマンスなど、大学や学部によって多様です。

実技試験の対策

まずは志望大学・学部がどういう人物を求めているのかを、アドミッションポリシーや研究内容に目を通して理解します。実技試験においても「求める人物像」に関連した点が評価ポイントとなる傾向にあるからです。

あとは過去の試験内容から傾向を把握しつつ、日頃の能力を最大限発揮できるように練習を重ねていきます。実技試験において一定の条件(材料や場所など)が課されることがあらかじめ分かっている場合は、練習も試験と同一条件下で行うとよいでしょう。

まとめ

2021年度から入試制度改革が行われるに伴い、学校推薦型選抜においても変化が見られるようになりました。これをしておけば絶対合格!といった“チート”はいつの時代のどんな試験にも存在しませんので、小手先のテクニックにとらわれず、目標を定めたうえで日々の勉学や部活動に励んでいきましょう。

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