工学部とは?学ぶ内容や学科の選び方、人気の進路について紹介

Edv Magazine 編集部

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工学部とは?学ぶ内容や学科の選び方、人気の進路について紹介

工学部と聞いて、具体的に学ぶことや就職先をイメージできますか?

工学部は、自ら学んだことを生かしてまだ世の中にないモノ・コトを生み出すことを目指す学部です。工学部には多くの学科があり、卒業後の進路もさまざまです。

この記事では、工学部で学ぶこと学科の種類人気の進路などについて紹介します。理系に進む人や、ものづくりに興味がある人はぜひ参考にしてみてください。

工学部で学ぶこと

工学部とは、社会のあらゆるモノや仕組みを作るために必要な技術や知識を学ぶ学問です。

数学や自然科学などのほか、人文科学・社会科学の知見を用いながら、実用的で公共の利益となるようなモノを研究します。

理学部と工学部の違い

理学部では、自然現象の解明や新たな可能性を切り開くための実験や理論証明を行います。それに対して、工学部ではすでにある理論を学び、応用して世の中の役に立つモノをつくる研究を行います。

工学部ではより実践に近い技術を学び、理学部ではより理論的な勉強をする傾向があります。理工学部という「理学」と「工学」の両方に重きを置いた学部を設置する大学も多いです。

工学部の主な学科

工学部は大きく分けて「情報工学」「機械工学」「電気工学」「応用化学」「建築学」の5つに分かれます。

情報工学

情報工学とは、コンピュータ関連のハードウェアとソフトウェアから、情報通信を数学的に考察する情報理論・通信技術・マルチメディア技術などを研究する学問です。

たとえば、コンピュータによる処理速度を改善するためのソフトウェア・ハードウェアの開発知識を学びます。そのほか生体機能の分析・測定を行い、脳科学や人工知能について学べる大学もあります。

機械工学

機械工学とは、エネルギーを変換してモノを動かす「力学」の仕組みから、生活・産業で活用できる新たな機械を創造する学問です。

たとえば、材料加工をテーマに研究する「材料工学」、機械の安全・安定性を研究する「計測・制御工学」、空気や水の中で働く力について研究する「流体力学」など研究分野はさまざまです。

そのほか「精密工学」「航空宇宙工学」など大学によってさまざまなことを学べます。

電気工学

電気工学とは、電気エネルギーや電気回路、電磁波の原理から、運輸・通信などでの活用方法を研究をする学問です。

たとえば、電気エネルギーの発生や、電気の安全・安定性を研究したり、新しいデバイスを作るための半導体や絶縁体、磁性体などの研究を行ったりします。

応用化学

応用化学とは、物質を構成する原子・分子を学び、生活・産業で役立つ新しい物質を開発・研究する学問です。食品・衣料・住宅など暮らしに関わるものから、医療・薬品・機械まであらゆる分野への貢献が期待されます。

たとえば、化学物質を制御し扱えるようにする「制御化学」、生物体の分子の構造や働きを応用する「生物化学」などがあります。

建築学

建築学とは、その名の通り建築について総合的に学ぶ学問です。主に建築学土木工学環境工学の3つの分野に分けられます。

たとえば、住宅・ビル、道路の構造や設計について学んだり、資材の研究・開発、災害時の安全対策・都市計画、歴史的建築物の保存・復元について研究します。そのほか、大学によっては歴史的建築物の保存・復元や、建築物を対象とした芸術的意義の評価について学べます。

工学部の授業内容

工学部の授業内容は学科によってさまざまです。

たとえば、情報工学系学科の場合は、低学年次に情報・数学・理科のほか、ハードウェアの基本構成とソフトウェアの基本要素を学びます。

高学年次になると、ハードウェアではコンピュータ設計やアーキテクチャ、ネットワーク理論、信号処理などを学び、ソフトウェアでは人工知能やパターン言語、言語理論、システム工学などを学びます。4年生になると自分の好きなテーマで卒業研究を行うことができます。

工学部の学費

工学部の学費は、国公立の場合は他学部と同様に年間約60万円前後です。

一方で私立の場合は、最低でも年間約100万円前後はかかるといわれています。

ちなみに他の理系学部(医療系を除く)の理学部(私立)や農・獣医畜産・水産学部も同様に、年間約100万円前後かかるのが一般的です。

工学部に向いている人

工学部に向いている人のタイプを3つ紹介します。

ものづくりに興味がある

工学部は座学よりも実験や実践的な授業が多いため、実験やパソコンなどの機械が好きで、何か新しいものを作ってみたいと思っている人のほうが向いています。

数学・理科が好き

工学を学ぶのに数学や物理が必要なので、数学や物理が好きな人はより楽しく研究できるでしょう。大学にもよりますが、工学部より理工学部のほうが数学・物理の難易度が高いことが多いです。

どうして?と疑問に思ったら色々調べてしまう

実験や実習がメインの学部なので、好奇心旺盛で起こった事象に対して疑問を解決できるまで調べてしまう人が向いているでしょう。

情報工学系に人気の進路

情報工学系卒に人気の進路を3つ紹介します。

システムエンジニア

システムエンジニア(SE)とは、顧客の要求から仕様を洗い出し、ソフトウェアの設計をする仕事です。直接プログラムを触ることよりも、要件定義や設計、開発後のテストや運用が主な業務になります。

Webエンジニア

Webエンジニアとは、WebサイトやECサイトの設計・開発・運用・保守を行う仕事です。サイトの見た目や動作など目に見える部分を担当する「フロントエンドエンジニア」と、サーバやデータ処理などを担当する「バックエンドエンジニア」に分かれます。

インフラエンジニア

インフラエンジニアとは、IT関連のインフラストラクチャを設計・構築し、運用やメンテナンスなどの保守を行う仕事です。サーバや、回線交換を行うスイッチ、ネットワークを中継するルーターなどを取り扱います。

機械工学系に人気の進路

機械工学系卒に人気の進路を3つ紹介します。

機械設計

機械設計とは、 機械が動くメカニズムを設計する仕事です。たとえば、新製品のコンセプトに基づき、製品の構造や仕様、材料などを決めていきます。

品質・生産管理

品質・生産管理とは、機械の原価管理や発注先選定から、生産計画、原材料・製品の製造管理まで一気通貫で管理する仕事です。

整備士(自動車・鉄道整備・航空など)

整備士とは、機械に不具合がないかを点検したり、必要に応じて整備や分解、組み立てなどを行い調整・修理をする仕事です。機械の故障や事故を防止する重要な役割を担っています。

電気工学系に人気の進路

電気工学系卒に人気の進路を2つ紹介します。

電子設計(電子回路・電気設備など)

電子設計とは、電気回路や電子機器のほか、機械・家具などの工業製品の企画・設計、開発と検証を行う仕事です。

施工管理

電気の施工管理とは、さまざまな電気設備(照明・送電設備・信号・配線など)の電気工事現場で、施工管理を行う仕事です。業務内容は、工事の進捗管理から予算管理、業者の手配など多岐に渡ります。 

応用化学系に人気の進路

応用化学系卒に人気の進路を紹介します。

メーカー企業の研究・開発職(医薬品・アパレル・化粧品メーカーなど)

工学の専門分野の知識を活かして、品質向上および新製品の開発、新技術の開発を目指すのがメーカーの研究・開発職です。たとえば化粧品メーカーでは、「基礎研究」「処方開発」「安全性研究」など部署ごとに研究を進めます。

建築学系に人気の進路

建築学系卒に人気の進路を2つ紹介します。

建築士

建築士とは、法律に基づいてさまざまな建築物の設計や工事の監修をする仕事です。住宅やマンション、ビルなどの建物を設計し、建築現場で指揮・監督などを行います。

建築士には 「木造建築士」「二級建築士」「一級建築士」などがあり、資格によって扱える建築物の規模や種類が異なります。

土木設計士

土木設計士とは、橋やトンネル、ダムなどの設計を行う仕事です。人々が生活していくうえで欠かせないものを設計する社会貢献度の高い職業です。

まとめ

今回は、工学部で学ぶ内容や学科の種類、人気の進路について解説しました。

要点として

  • 工学部には、大きく分けて「情報工学」「機械工学」「電気工学」「応用化学」「建築学」の5つの学科がある
  • 大学で学んだことが、就職先・進路に直結しやすい
  • ものづくりに興味がある人数学・理科が好きな人探究心の強い人が向いている

ということを押さえておきましょう。

将来、ものづくりに携わってみたい人や理系科目が好きな人はぜひ工学部も進学先として検討してみてください。

そのほかものづくりの仕事について解説した記事を参考にしたり、「他の進路についても気になる」「進路に悩んでいる」という方は進路の参考になる記事をこちらから探してみてください

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