進路希望調査が配られて困った経験がありませんか?進学か就職か、まだ決まっていなくて何を書いたら良いか分からない高校生も多いと思います。将来の目標に向かってすでに頑張り始めている友達を見て焦ることもあるかもしれません。
この記事では、進路の種類や進路の決め方について詳しく解説します。具体的な方法も紹介しますので進路に悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
進路が決まってない?焦らなくても大丈夫
晴れて高校に入学!これから始まる高校生活にワクワクと胸を躍らせていたら「進路希望調査」が配られて戸惑ったというのはよくある話です。なかには入学式に配布される学校もあるようです。
高校2年生・3年生と学年が上がってもはっきりと進路が決まらず、「もしかして進路が決まっていないのは自分だけ……?」と心配になる高校生もいるかもしれません。しかし、決して焦る必要はありませんよ。
進路が決まらなくて悩んでいる人も多い
一般的に高校生はいつ頃進路を決定しているのでしょうか?
大半の生徒が大学進学を目指す高校でも、3年生の4月に志望校が決まっているのは3分の1だといわれています(※)。つまり、7割近くは志望校が決まりきっておらず、ましてや1・2年生で進路を決定している人は少数派であることが分かります。
多くの高校生がみなさんと同じように進路をどうしようか悩んでいます。高校生活は勉強、部活、アルバイト、友人関係、恋愛とさまざまな経験ができる時間です。高校生でしかできない経験を大切にしつつ、焦らず進路を見つけていきましょう。
※参照:高校生が志望大を決めた時期はいつぐらい?|ベネッセ教育情報サイト
どんな進路があるの?
進路を早く決めようと焦る必要はありませんが、のんびり過ごしているとあっという間に卒業が目前になってしまうことも事実です。そこで早い時期からどんな進路があるかを知っておくといいでしょう。
ここでは高校卒業後の進路を6つ紹介します。今まで考えたこともなかった選択肢が見つかるかもしれませんのでぜひ参考にしてください。
進学
高校生が一番多く選ぶ進路は「進学」です。大学・短大・専門学校を合わせるとおよそ7割の高校生が卒業後進学をします(※)。
- 大学・短大:学問を深めることができ、学部学科によって資格(医師・薬剤師・教員免許など)を取ることもできます。
- 専門職大学:実習などを通して実践的な職業教育を受けることができます。4年制で卒業すると学士(専門職)がとれます。
- 専門学校:職業に直結するような専門性のあるカリキュラムで学ぶことができます。実習が多いことも特徴です。
※参照:2019年度 大学・短大「現役進学率」は54.8%|旺文社教育情報センター
就職
進学には及びませんが「就職」も高校卒業後の進路として多くの高校生が選ぶ進路です。2019年卒で就職を希望した高校生の就職率は98%(※1)にのぼります。働きたい意欲があるなら高校卒業後就職することも良い選択です。
就職先は時代によって変化がありますが近年の人気職種は以下のとおりです(※2)。
- 公務員
- 建設・建築業
- IT系
- 製造系
- 飲食系
※1 参照:毎日新聞 2019年5月18日 東京朝刊「就職率98.2% 高校生争奪に大手参入 企業側「解禁破り」も」
※2 参照:【高卒の就職先ランキング】それぞれの内定獲得のコツも解説!|二新卒エージェントNeo
留学
グローバル化が推し進められるなか、「留学」という進路にも注目が集まっています。代表的な留学としては
- 海外の大学に進学する
- 海外の語学学校に進学する
の2つが挙げられます。
海外の大学に入学するには高い語学力が求められるので、高校生活のなかで語学を習得しておく必要があります。国により入学時期や選考方法もさまざまなので先生とよく相談しましょう。
海外の語学学校に入学した場合は、大学入学に必要な資格(英語であればIELTSなど)の取得を目指すこともできます。
起業
思い切って「起業する」という進路もあります。15歳以上であれば起業は可能なので、卒業後でなく高校在学中でもビジネスプランをもとに起業することができます。
高卒の起業家に人気のあるビジネス領域は以下のとおりです。情報感度の高さや、高校生であることを強みに成功を収めている若手起業家が多くいます。
- アプリ開発
- Webサイト制作
- Webマーケティング
- イベント企画・制作
フリーランス
会社に雇用されず、個人で仕事を直接請け負う「フリーランス」も人気が出てきています。スキルさえあれば学歴は関係ないため高卒でも活躍できます。
フリーランスの職種として代表的なものは以下のとおりです。
- エンジニア
- イラストレーター
- ライター
- カメラマン
- デザイナー
フリーランスは何よりもスキルと経験が問われますので、仕事をしながら勉強を重ねスキルアップすることも求められます。
ワーキングホリデー
「ワーキングホリデー」は、海外を旅したり語学学校に通ったりしながら仕事ができる制度です。海外の文化に触れる貴重な体験ができるだけでなく、滞在費を稼ぎながら語学力も磨けるため若者に人気があります。
ワーキングホリデーに行ける国は、日本と協定を結んだ次の26か国です。
- カナダ
- イギリス
- オーストラリア
- ニュージーランド
- ドイツ
- フランス
- アイルランド
- デンマーク
- ノルウェー
- 香港
- 台湾
- 韓国
- ポーランド
- ポルトガル
- スロバキア
- オーストリア
- ハンガリー
- スペイン
- チェコ
- アルゼンチン
- チリ
- アイスランド
- リトアニア
- スウェーデン
- エストニア
- オランダ
ワーキングホリデー終了後は語学力を生かして海外の大学に入学したり、海外で就職したりする人もいます。詳しくは日本ワーキング・ホリデー協会のWebサイトをチェックしてみてください。
進路を決めるための5つのアクション
ここまではどのような進路があるかを紹介してきました。
しかし、実際に進路を決めるのは簡単ではありません。そこで、ここからは進路を決めるための方法を5つ紹介します。ぜひ進路決定の参考にしてください。
1. 何になるかよりも何がやりたいかを考える
いきなり「将来何になるか」を考えるのは難しいです。そこで「何がやりたいか」を考えてみることをおすすめします。
まず、やりたいことを箇条書きで書き出してみましょう。一貫性はなくて大丈夫ですが、具体的であればあるほどよいです。
(例)
- フランスへ行きたい
- 世界中のチーズを食べたい
- 芸能人と仕事をしたい
次に、書き出した「やりたいこと」ができる仕事を探してみましょう。「やりたいこと」+「仕事」のキーワードでGoogle検索すると、今まで知らなかったいろんな職種が出てくるはずです。興味をもった仕事があればさらに検索して調べてみましょう。
2. 自己分析をする
自己分析をして、自分の強みや能力を活かした進路を考えることもおすすめです。具体的な自己分析のやり方を紹介します。
得意なこと苦手なことなどをリストアップ
まずは紙とペンがあれば簡単にできるリストアップ法を紹介します。
1. 好きなことを書き出す
進路と関係ないことでも構いません。「やりたいこと」「興味のあるもの」などとにかく「好き」だと思えることをできるだけ多く書いてみましょう。
2. 嫌いなことを書き出す
普段意識していないので意外と難しいかもしれません。「避けたいもの」「ネガティブな気分になるもの」などできるだけ多くリストアップしてみましょう。
3. 好きなことと嫌いなことを分析する
このようにリストアップしてみると普段は気づかない、意外な自分の側面を知ることができ進路選択の参考になるでしょう。このリストを先生や保護者に見せて相談するのもおすすめです。
参考:進路決定に役立つ自己分析|簡単なやり方やおすすめサービスを紹介
性格診断テストを利用
性格診断テストを利用すると客観的に自分の性格を知ることができます。無料のWebサイトで簡単に診断できるので一度試してみてください。
参考:進路のヒントをくれる!おすすめの「将来の夢診断」10選
3. 情報収集をする
進路に関する情報収集も大切です。早くから情報収集をしておくと、複数の選択肢を比較したり、必要な準備物や費用を把握したりできるので、進路決定をする時に焦らずに済みます。
資料請求
進学を視野に入れている人は、まず大学や専門学校のパンフレット・入学案内を取り寄せましょう。「○○大学 資料請求」のように検索すると、簡単に資料請求フォームへアクセスできます。
教育内容や入試はもちろんのこと奨学金や学生寮についても掲載されています。遠くの学校でも資料請求は無料なので、少しでも興味がある学校であれば遠慮せず取り寄せてみましょう。
オープンキャンパス
資料やWebサイトだけでなく、実際にキャンパスに行って雰囲気を感じることは進路決定をする上で大切です。「○○大学 オープンキャンパス」のように検索すると、簡単にオープンキャンパス情報へアクセスできます。
夏休みなどを利用して多くの学校が開催しているのでぜひ参加しましょう。オープンキャンパスに参加すると入試の検定料が減免されるなど特典がある学校もあります。
4. 起業体験プログラムに参加する
ビジネスや経営に関心がある高校生には起業体験プログラムへの参加もおすすめです。ビジネスアイデアを練ってプレゼンしたり、プロトタイプ(試作品)をチームで開発したりと実践的な体験ができます。
「高校生 起業体験」で検索すると、さまざまな分野の起業体験プログラム情報を見つけることができます。高校に募集のお知らせが来ることもあるので、チェックしておくとよいでしょう。
5. インターンシップに参加する
大学生の就職活動では常識となっているインターンシップが高校生にも広がっています。インターンシップは就業体験とも呼ばれ、実際に企業で仕事を体験できます。今まで知らなかった職種や仕事のリアルを知ることができますし、就職活動の選考で有利になる場合もあります。
教育委員会でインターンシップ募集を取りまとめているところも多いので、先生に聞いてみるといいでしょう。また「高校生 インターンシップ (+地域名)」で検索すれば、募集情報を見つけられます。
進路に関わるお金の問題を解決しよう
進学を考えた時にお金のことが気になる高校生も多いと思います。大学・短大・専門学校とそれぞれにかかる学費は異なるのでどれくらいの費用がかかるのか事前に調べて家族に相談しておきましょう。
各大学の卒業までにかかる学費の目安は以下の通りです。
- 国立大学(4年制):約240万円
- 私立大学(4年制):約450万円
- 私立短期大学:約200万円
専門学校は就学年数や内容によって学費が大きく異なります。目安としては年間30~100万円かかると考えておきましょう。
奨学金
高校生の中には高額な学費を理由に進学をあきらめる人もいるかもしれません。そのような場合、一度奨学金も検討してみてください。
日本学生支援機構(JASSO)をはじめ、学校・自治体・私企業などが多様な奨学金を用意しています。なかには返済不要の給付型奨学金もありますので、進学をあきらめる前に一度利用できる奨学金はないか調べてみましょう。
高等教育の修学支援新制度では成績と収入の基準をクリアすれば入学金・授業料が免除または減額され、最大90万円の給付金がもらえます。
就職してから大学に進む方法も
高校卒業時、どうしても金銭面が苦しく進学できない場合は一度就職してその後大学に進学する方法もあります。
多くの大学で社会人入試を行っています。会社によっては働きながら通信大学や夜間大学に通える制度を導入している場合もありますので、そういった会社に入社するという方法もあります。
社会人から大学に通うメリットは直接仕事に役立つ知識やスキルを得られることです。たとえば、北海道の鈴木知事は東京都の職員時代、法政大学の法学部法学科に入学し地方自治を学びました。その後、鈴木知事が夕張市長・北海道知事を担っていく上で大学で学んだことはおおいに生かされたはずです。
日本ではまだまだ少ないですが、海外では社会人が大学に通うことは一般的です。世界の流れを見れば、まずは就職してその後大学に行くという選択肢もこれからスタンダードになりえるので、一度検討してみるのもよいでしょう。
まとめ
今回は、進路が決まらなくて悩んでいる人に向けて、進路の種類や進路の決め方について解説しました。
まずは自分が取り組みやすいアクションを選んで行動に移してみてください。頭で考えるだけでなく、行動に移すことで見えてくることがたくさんあるはずです。
自己分析の詳しいやり方や将来の夢を診断してくれるサービスなども別記事で紹介しているので、参考にしてみてください。